高橋 優
『世界で一番読まれたい手紙』
- 第18回 僕の森川ジョージさんへ -
拝啓 『はじめの一歩』を書き続けてくれてどうもありがとう。 僕が「はじめの一歩」の1巻を初めて手にとったのは今年に入ってからのことです。記録によれば、この 漫画が初めて世に出たのは1990年とあります。実に20年のときを経ているにも拘らず、あなたの漫画 は今の僕の心を射抜きました。あまりの面白さに「この漫画にもっと早くに出会っていたら」と何度も思いました。しかし、読み進めていくうちにそうは思わなくなりました。この漫画の魅力はきっと普遍的な ものなのであって、たとえ1990年に出会っていようが2030年に出会っていようがきっと変わらぬ喜 びを与えてくれるに違いないと悟ったからです。
誤解を怖れずに言わせてもらえるならば「はじめの一歩」という物語には「Simple is best」という言葉 がよく似合っている気がします。いじめられっこだった少年がボクシングを通して仲間と出会い、師と出会い、心身ともに逞しく成長していく。一切混じりっけ無しのボクシング物語。その要所要所で誰しも に通じるような人生の格言が見え隠れする。これほどまでに真っ直ぐで、熱くて、読んだあとやる気が湧 いてくる漫画は稀です。読んでいるといつも一歩くんの右ストレートを心にくらったような気持ちになり、「こうしちゃいられん! 自分ももっと努力をせねば!」という気持ちにさせられます。そのやる気を、 僕は音楽に向けるのですが。
そんな「真っ直ぐ」を教えてくれる物語(一歩くんの快進撃)が今も尚続いていて、それを楽しみに、教科 書のように一歩くんの背中に学びながら生きていけることが凄く幸せに思えるのです。
いつかお会い出来たそのときには、是非とも19巻のヴォルグ戦について、色々と熱く語らせていただき たいのです。 敬具
あなたへの一文字・・・「歩」
誤解を怖れずに言わせてもらえるならば「はじめの一歩」という物語には「Simple is best」という言葉 がよく似合っている気がします。いじめられっこだった少年がボクシングを通して仲間と出会い、師と出会い、心身ともに逞しく成長していく。一切混じりっけ無しのボクシング物語。その要所要所で誰しも に通じるような人生の格言が見え隠れする。これほどまでに真っ直ぐで、熱くて、読んだあとやる気が湧 いてくる漫画は稀です。読んでいるといつも一歩くんの右ストレートを心にくらったような気持ちになり、「こうしちゃいられん! 自分ももっと努力をせねば!」という気持ちにさせられます。そのやる気を、 僕は音楽に向けるのですが。
そんな「真っ直ぐ」を教えてくれる物語(一歩くんの快進撃)が今も尚続いていて、それを楽しみに、教科 書のように一歩くんの背中に学びながら生きていけることが凄く幸せに思えるのです。
いつかお会い出来たそのときには、是非とも19巻のヴォルグ戦について、色々と熱く語らせていただき たいのです。 敬具
あなたへの一文字・・・「歩」