「臼井孝のヒット曲探検隊
~アーティスト別 ベストヒット20」
解散の激震から1年余、
SMAPのベストヒットを探る!
3位は草彅剛主演ドラマ主題歌の
「らいおんハート」
総合3位には草彅剛主演のドラマ『フードファイト』主題歌となった、2000年の「らいおんハート」。女性がうっとりするようなメロウなバラードで、洋楽でもバックストリート・ボーイズが大ヒットしていた時期と重なる。《君を守るため/そのために生まれてきたんだ》という野島伸司による歌詞を、照れることなく自然に歌えて、しかも多くの女性がそれに納得できたというのも、
SMAPだからこそ。ちなみに、本作が100位内登場週数40回と異例のロングヒットになっているのは、発売2カ月後に木村拓哉が結婚を発表し、ワイドショーなどで大量に本作がオンエアされ、結婚ソングとして定番化したことも大きい。
カラオケで人気のナンバーが
4位と5位にランクイン
そして、総合4位と5位には、ともに1996年の「SHAKE」と「青いイナズマ」がランクイン。どちらもカラオケが人気で、《シェイク シェイク ブギーな胸騒ぎ》と1996年末のエンタメ業界全体の高揚感とも見事に重なるアッパーな「SHAKE」がカラオケ5位、元は林田健司が発表していた楽曲をカバーし、そのキャッチーなメロディーや木村がウインクをしながら「Get you」と女性ファンを瞬殺するカメラ目線が話題となった「青いイナズマ」がカラオケ6位と、20年以上経ってもノリの良いナンバーとして支持されている。これは彼らがライヴを中心に同作の魅力を伝え続けてきたことも大きいだろう。
シングルのカップリング曲
「オレンジ」が6位に!!
そして、これらに次いで総合6位には、「らいおんハート」のカップリング曲「オレンジ」がランクイン。配信では2位、カラオケでも4位と表題曲にも引けを取らない人気ぶりだ。本作は別れの情景を描いた切ないバラードで、2015年の配信解禁初日は「世界に一つだけの花」を超えて1位のダウンロード数となった。
また、カラオケでも4位につけている点が興味深い。なぜならば、カラオケでの上位入りはCDや配信音源を購入せずとも、カラオケ番組やカラオケBOX等どこかで聴いたことのあるというライトなファンが多いからだ。これらの事実から「オレンジ」はコアファン発のヒットながら、多くの国民が意識しているがゆえにすでに配信やカラオケでも愛される大衆ソングとなったことが分かる。そういえば、ベッキーは「オレンジ」がこんなに話題になるずっと以前から自身の好きなSMAPソングとして機会あるごとに本作を挙げていた。長らくタレント好感度の高かった彼女も、本作のヒットに一役買っているのかもしれない。