【ライブレポート】魔法少女になり隊
、O-EASTに収まり切らない“冒険”の
スケール

RPGをコンセプトにした世界観やラウド&キャッチーな音楽性、男女混合のメンバー構成といった個性的な成り立ちが大きな注目を集めている魔法少女になり隊。2017年9月27日に1stフルアルバム『魔法少女になり隊~まだ知らぬ勇者たちへ~』をリリースした彼らは、12月からバンドにとって初となる全国ツアーを行なった。
◆魔法少女になり隊 ライブ写真
各地で良いライブを行なっているという噂は耳に入っていたし、ツアーファイナルを飾った渋谷TSUTAYA O-EASTのチケットも瞬く間にソールドアウトしたという。1月28日に開催された最終公演は、魔法少女になり隊のアピール力の強さや、彼らに対するリスナーの期待の高まりなどを肌で感じさせる中でのライブとなった。
RPG系バンドにふさわしく、ライブはゲームを模した映像からスタート。放浪の旅を続け、渋谷に辿り着いた魔法少女になり隊は“うごく犬の像(ハチ公がモチーフです)”というモンスターが猛威を奮っているという話を聞き、征伐するために立ち上がる…というストーリーが語られた後、ステージにメンバーが登場。客席から大歓声が湧きあがり、パワフル&アッパーな「冒険の書1」を皮切りに、ハイテンション・チューンの「my!show!time!」やパレード感が香る「テッペン伝説」などが相次いで演奏された。
華やかなオーラを発しながら客席に煽りを入れて、キュートな歌声を聴かせる火寺バジル。アクティブなパフォーマンスとアグレッシブなシャウトで場内の熱気を引き上げていくgari。笑顔で客席を見渡す姿と、テクニカル&シュアなギター・プレイのマッチングが印象的なウイ・ビトン。熱いステージ上で唯一クールな立ち居振る舞いでプレイする姿が最高にカッコいい明治。異なる個性を備えたメンバーが並び立った姿とパワフル&ポップな楽曲の取り合わせは本当に魅力的で、ライブが始まると同時に、強くステージに惹き寄せられた。
魔法少女になり隊のハードなナンバーはラウド・ミュージックやメタルに通じるヘヴィネスとキャッチーなメロディーを融合させて、さらにキーボード類で煌びやかさを加えていることが特色になっている。この時点でかなり個性的だし、gariというシャウターを擁していることは大きなポイントといえる。火寺バジルの柔らか味とgariの攻撃性という対比を活かすことで、ポップネスが一層際立っているからだ。独自の手法を活かしたナンバーが生む“気持ちの引き上げ力”は圧倒的で、場内はライブ序盤からクラウドサーフが相次ぎ、何度となく合唱が起こるという熱い盛り上がりを見せた。
ハードに行き上げた前半に続くセカンド・ブロックでは、明るい空気感の「ハッピーエンドの魔法」と「革命のマスク」を聴かせた後、明治がリード・ボーカルを取るスロー・チューンの「ヒトリサクラジオ」を披露。ここまでの流れとは趣を異にする憂いを帯びたサウンドや明治のエモーショナルな歌声も本当に魅力的で、激しいライブの効果的なフックになっていた。魔法少女になり隊はキャラクター面で語られることの多いバンドだが、優れた音楽性を備えているからこそ多数のリスナーから篤い指示を得ていることは間違いない。
その後は“うごく犬の像”とのバトルを描いた映像を経て、祭り感とユーロ・テイストをミックスした「ヒメサマスピリッツ」やメジャー感に溢れた「おジャ魔女カーニバル!!」、高速で疾走する「MEGA DASH」などをプレイ。コンパクトなナンバーを続けざまに聴かせる彼らのライブは爽快感に溢れているし、観ていて本当に心地好い。1曲1曲を独立させるのではなく、2~3曲を一つの塊と捉えて世界観を創るという手法が奏功して、彼らのライブは瞬発力がずっと持続される状態になっている。このスピード感が今のリスナーの感覚にフィットしていることは明らかで、オーディエンスはライブを通して熱いリアクションを見せていた。
ロマンチック&ウォームなサビを配した「first star」を挟んだ後、ライブ終盤ではハイボルテージな「完全無敵のぶっとバスターX 」とパンキッシュな「願い星」、煌めきを放つ「KI-RA-RI」が畳みかけるように演奏された。歌の合間に激しくヘッドバンギングする火寺バジルを軸にしてフィジカルなステージングを展開するメンバー達の姿と高揚感を湛えたラウドなサウンドにオーディエンスの熱気はどんどん高まっていく。ライブ後半の場内はクラウドサーフやリフトアップからのダイブ、熱いシンガロングなどが相次いで起こるという怒涛の盛り上がりとなった。明るさや楽しさを押し出したライブで、ここまでオーディエンスを熱狂させる魔法少女になり隊は「すごい!」の一言に尽きる。


初の全国ツアーのファイナル公演で、ライブバンドとしてのポテンシャルの高さを十分に見せつけた魔法少女になり隊。ライブの内容の良さに加えて、コスプレをしているわけでもないのにゲームやアニメなどに登場するバンドのような雰囲気を纏っていることや、ドラムレス形態(ドラム・パートは打ち込みを使用)でいながら物足りなさを感じさせないことなども印象的だった。つまり、彼らは独自のスタイルを確立すると同時に、新しいエンターテイメント性を備えたライブを見せているというわけだ。そして、それは本当に魅力的だった。
今まで味わったことのないドキドキ感やワクワク感を味わえるライブを観たいと思っているリスナーには、魔法少女になり隊のライブに触れてみることをお薦めしたい。アンコールでTVアニメ『パズドラ』のエンディングテーマを手掛けることが告知されたことやTSUTAYA O-EASTには収まり切らないスケールを感じさせたことなども含めて、2018年は魔法少女になり隊にとって大きく飛躍を遂げる1年になることは間違いなさそうだ。
取材・文◎村上孝之

写真:yusuke satou


■セットリスト<魔法少女になり隊 ワンマンツアー~まだ知らぬ勇者たちへ~>


2018年1月28日(日) 渋谷 TSUTAYA O-EAST

1.冒険の書1

2.my!show!time!

3.BA・BA・BA ばけ~しょん

4.テッペン伝説

5.アルテ魔ダンテ

6.ハッピーエンドの魔法

7.革命のマスク

8.ヒトリサクラジオ

9.Call me From Hell

10.ヒメサマスピリッツ

11.おジャ魔女カーニバル!!

12.MEGA DASH

13.RE-BI-TE-TO

14.first star

15.完全無敵のぶっとバスターX

16.願い星

17.KI-RA-RI

EN.ちちんぷい

■魔法少女になり隊 メンバーコメント(TVアニメ『パズドラ』タイアップ決定に対して)


Vo. 火寺バジル

アニメの主題歌を歌うことがずっと夢だったので、初めてのタイアップが決まった時は本当に嬉しかったです!

みんなで歌える楽しい曲になっているので、アニメと一緒に愛される曲になりますよーに。エンディングとして流れるのが今から楽しみです!
VJ&Vo. gari

アニメソングを聞いて育ってきたので、そんな子供たちにいい刺激があるように精一杯叫ぶよ?!ワーイ!
Gt. ウイ・ビトン

アニメ『パズドラ』のエンディングに魔法少女になり隊を選んでいただいてとても嬉しいです。どうもありがとうございます。

親しみのあるメロディーで明るくて前向きな楽曲なので、聴いた人に元気な気持ちになっていただきたいです。

今回の楽曲でたくさんの人から魔法少女になり隊に興味をもってもらえたらなと思ってます。
Gt. 明治

タイアップ決定しました。嬉しいです!

楽しい曲ができました!今から放送日が楽しみです。

1st full album『魔法少女になり隊~ま
だ知らぬ勇者たちへ~』

発売中

完全無敵の初回盤X(CD+DVD)

SRCL-9525~9526 ※ゲームソフト仕様スペシャル・パッケージ

価格: \3,703+tax

※初回仕様限定盤:全国TOURチケット先行チラシ封入
通常盤(CD)

SRCL-9527 ※BONUS TRACK「冒険の書1-album ver.-」収録

価格:\2,685+tax

※初回仕様限定盤:全国TOURチケット先行チラシ封入
収録曲

1. START~まだ知らぬ勇者たちへ~

2. 完全無敵のぶっとバスターX

3. my!show!time!

4. KI-RA-RI

5. ハッピーエンドの魔法

6. 革命のマスク

7. first star

8. ヒトリ サク ラジオ

9. Call me From Hell

10. アルテ魔ダンテ

11. ヒメサマスピリッツ

12. 願い星

13. END~まだ知らぬ勇者たちへ~

14. 冒険の書1-album ver.- (通常盤のみ)
DVD ※初回盤のみ

[魔法少女になりな祭] LIVE AT 2017.07.02 SHIBUYA / TOKYO

1.ヒメサマスピリッツ

2.BA・BA・BA ばけ~しょん

3.完全無敵のぶっとバスターX

4.冒険の書1

MUSIC VIDEO 2016.09-2017.09

1.KI-RA-RI

2.革命のマスク

3.ヒメサマスピリッツ

4.完全無敵のぶっとバスターX

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