「臼井孝のヒット曲探検隊
~アーティスト別 ベストヒット20」

「臼井孝のヒット曲探検隊
~アーティスト別 ベストヒット20」

「臼井孝のヒット曲探検隊
~アーティスト別 ベストヒット20」
2018年限りで引退を発表した、
安室奈美恵のベストヒット20を探る!

他アーティスト名義でも
コラボレーション楽曲はヒットを連発!

なお、「Wonder Woman」は2011年のコラボレーションベスト『Checkmate!』のリード曲として発売された安室奈美恵 feat. AI & 土屋アンナの楽曲だが、他アーティスト名義の安室奈美恵作品では、ZEEBRAの「Do What U Gotta Do feat.AI, 安室奈美恵, Mummy-D」、AIの「FAKE feat. 安室奈美恵」、DOUBLE & 安室奈美恵の「BLACK DIAMOND」、そして平井堅の「グロテスク feat. 安室奈美恵」も配信10万件以上のヒットとなっている。これも、“アムロちゃんが参加するのなら聴きたい!”という期待値の大きさを示している。

やや話はそれるかもしれないが2017年、引退発表後にファンの間で2003年のシングル「ALARM」をオリコンTOP10入りさせるためのCD購入運動が起こった。これは95年に大ヒットして以降、唯一オリコンTOP10入りしていない03年のシングル「ALARM」についてファンがなんらかのかたちで恩返ししようとしたのだ。結果としては、オリコン14位に登場し、累計が5万枚から5.8万枚に伸びるにとどまったが、こうした運動が起こること自体、彼女が愛され続けてきた証と言えよう。
このように、彼女のヒットとドラマ主題歌は密接な関係であり、2017年のシングル「Just You and I」も含めドラマタイアップは多く手掛けてきたものの、TVの音楽番組への出演が2010年以来ご無沙汰となっていた。だからこそ、その中でのNHKでの特集番組『告白』や『紅白歌合戦』への出演は大変貴重で、200万枚超のヒットとなったベストアルバム『Finally』をはじめセールス効果も大きかったのだろう(ちなみに、2018年1月末現在、同アルバムはダウンロードすら解禁されていない)。

2018年は、自身3度目となるドームツアーに中国・香港・台湾でのアジアツアーが予定されている安室奈美恵。これだけ話題となっていれば、9月の引退までに新曲が発表された場合、CDシングルでも10年ぶりとなる20万枚突破となるのではないだろうか。もし、そうなれば配信やカラオケも含め総合的なヒットとなるに違いない。すでに、多くのヒット曲を届けてくれた彼女だが…いや、だからこそ、永遠に多くのリスナーの胸に刻まれるようなナンバーで更なる有終の美を飾ることを期待せずにいられない。

プロフィール

臼井 孝(うすい・たかし)
1968年京都府出身。地元国立大学理学部修了→化学会社勤務という理系人生を経て、97年に何を思ったか(笑)音楽系広告代理店に転職。以降、様々な音楽作品のマーケティングに携わり、05年にT2U音楽研究所を設立。現在は、本業で音楽市場の分析やau MUSIC Storeでの選曲、さらにCD企画(松崎しげる『愛のメモリー』メガ盛りシングルや、演歌歌手によるJ-POPカバーシリーズ『エンカのチカラ』)をする傍ら、共同通信、月刊タレントパワーランキングでも愛と情熱に満ちた連載を執筆。日経エンタテインメント!2018年1月号では、年間ヒットランキングの音楽部門を担当。CDのみで分析していた01年から担当していますが、それから着うた(後にシングル・ダウンロード)、動画再生回数、ビルボード総合と要素が増え、今年はサブスクリプションのSpotifyも取り上げています♪

OKMusic編集部

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