【THE COLLECTORS ライヴレポート】
『THE COLLECTORS 30th Anniversary
TOUR "Roll Up The Collectors"』
2017年11月3日 at 中野サンプラザ
赤く染め上がった緞帳がゆっくりと上がると、ステージ上には“THE COLLECTORS”の電飾が。30thアニバーサリーイヤーを迎えるバンドとともにあった、その電飾に照らされてツアーファイナルは「地球の歩き方」でスタート。そして、強くしなやかでタイトなサウンド、加藤ひさし(Vo)が歌い上げるどこか哀愁を帯びたカラフルなメロディーが彩るナンバーを次々と繰り出し、大人になった“いつかの少年少女たち”の心と身体を踊らせていく。そう、この日8曲目にプレイされた楽曲が謳う合言葉通り、今日もコレクターズとファンは“Stay Cool! Stay Hip! Stay Young!”を誇らしく体現していた。
ツアー自体はニューアルバム『Roll Up The Collectors』を提げたかたちなのだが、新作メインというよりは新作に収められた楽曲を要所要所に織り混ぜた、コレクターズ・ヒットストーリーの凝縮版という感じの構成。これはやはり、全国各地で30周年の喜びを共有したいという心持ちの表れなのだろう。かなりレアな「孤独な素数たち」、1stアルバム『僕はコレクター』から「問題児」を披露したことも考えれば。また、このバンドが、加藤が、放ち続けてきたメッセージが不変であることの証として、本編を「がんばれG.I. Joe!」で締め括ったのはとても象徴的だったと思う。そして、そのイントロのマーチングドラムが鳴った瞬間に場内が沸き立った同曲の余韻が冷めないまま、アンコールは代表曲かつ定番の「世界を止めて」「僕はコレクター」にプラス、予定外のカバー「恋はヒートウェーブ」も。30周年の大団円に相応しい、爽快に突き抜けた打ち上げ方だった。
撮影:柴田恵理/取材:竹内美保
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