【OLDCODEX】
『OLDCODEX Tour 2017
“they go, Where?”』
2017年9月12日 at Zepp Tokyo

 5thアルバム『they go, Where?』を引っ提げた『OLDCODEX Tour 2017 “they go, Where?”』が、9月3日のZepp Osaka Baysideを皮切りにスタートした。3カ所目となるZepp Tokyo 2デイズ初日、会場は超満員でフロアーは開演前から酸欠寸前。そこに爆音とともにメンバーが現れると、観客の感情が一気に爆発! Zepp Tokyoが揺れた。

 アルバム『they go, Where?』の楽曲を中心に披露したライヴはアンコールまでみっちり3時間近く。頭から最後まで轟音とシャウトが繰り出され、抜きどころは一切ない。以前よりひと回り身体がデカくなったTa_2(Vo)は全身から汗をしたたらせながら、血管がぶち切れんばかりに紅潮させて歌声を響かせた。終始体を揺らしてモッシュし続けた観客は「Where'd They Go?」で一体となって“ウォ〜オ〜オオ〜”と振り絞ったコーラスで応えるが、その声にTa_2は満足しない。客席を睨み付け“そんなもんか?”とさらなる声を要求して、コール&レスポンスを繰り返す。最後には今まで聴いたことのないほどの爆音ならぬ“爆声”が会場の壁を震わせ、観客かステージ上の演者か、どっちが先に倒れてもおかしくないくらいの、まさしくガチ勝負といったぶつかり合いが繰り広げられた。

 また、YORKE.(Painter)が手掛けるステージセットは今回も実にアーティスティックだ。ブラシを持った手が立体的に描かれているなど、どこかNYの地下鉄のグラフィティアートを思わせる。そして、アートワークは門外漢であっても、シンプルに目で見て楽しめるようなポップさや明るさがより感じられた。実際に最新アルバム『they go, Where?』には今までになかった明るく分かりやすい楽曲が多数収録されていて、ファンとの距離感を以前よりグッと近づけていた感じがあった。そんなところからも、なるほど、これが今のOLDCODEXのモードなのだなと実感させるものがあった。

 1stアルバム『hidemind』に収録の「#4」や代表曲「カタルリズム」なども久しぶりに演奏され、特に「カタルリズム」は以前とは少し違ったアレンジで、よりシンプルになりその分メッセージを全面に押し出した感じがとても新鮮に映った。今回のツアーではバンドメンバーに新顔が加わったことで、サウンド面に少し変化をもたらせていたのも印象的だ。このツアーでは既存の人気曲がどんな新たな装いで披露されているかも、ひとつの聴きどころになっていると言えるだろう。MCではメンバー間で流行ってる話題など、バンドとしての一体感の高まりを感じさせるエピソードも飛び出した。

 “あの頃の俺らはどこに行ったのか? これからどこに向かうのか? 大きな“?”を掲げて回ってるツアーだけど、それはステージで表現することで伝えたい。言いたいことは、歌詞に全部詰め込んでるんで!”とYORKE.。アルバムのラストを飾る「Million from Codex」ではスケールの大きなTa_2のヴォーカルと畳みかけるように繰り出されるYORKE.のラップがひとつに重なり、これがOLDCODEXだ!と言わんばかりの熱量で観客を圧倒した。

 熱量、爆発力、揺れ、何を取ってもツアー2日目でこんなにやっちゃって大丈夫? と思うほど。このまま行ったら、来年2月の横浜アリーナでのファイナルは一体どうなっているのか? OLDCODEXが向かう先を、この目で絶対に確かめたいと思わせてくれるライヴだった。

取材:榑林史章


セットリスト

  1. 現在ツアー中のため、セットリストの公表を控えさせていただきます。
OLDCODEX プロフィール

オルドコデックス:2009年、発足。VocalとPainterという異色の組合せの特性を生かし、ロックを基盤にしながらラウド、ダンス、パンク、メタル、プログレ、R&Bなどの要素を混ぜ込んだミクスチャーサウンドを主としつつ、ライヴアートを織り交ぜた視覚をも楽しませる作品群をパッケージ物、ライブ、グッズ等、メンバーが関わる全ての場所で打ち出している。2021年12月に、『劇場版 Free!-the Final Stroke-』後編 メインテーマをもって解散となることを発表。22年4月27日発売の『劇場版 Free!-the Final Stroke-』後編オリジナルサウンドトラック「Never Ending Blue」にOLDCODEXが担当する同タイトル メインテーマが収録。『劇場版 Free!-the Final Stroke-』後編オリジナルサウンドトラック 商品情報
OLDCODEX オフィシャルHP

OKMusic編集部

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