L→R 石渡マキコ(Ba)、北澤ゆうほ(Vo&Gu)、大貫みく(Dr)

L→R 石渡マキコ(Ba)、北澤ゆうほ(Vo&Gu)、大貫みく(Dr)

【the peggies】
ポップに振り切った2ndシングル「BA
BY!」

2017年5月にメジャーデビューを果たしたガールズバンドthe peggiesが、2ndシングル「BABY!」をリリース。疾走感のあるサウンドと胸キュンの恋を描いた歌がひとつになったこの曲について、北澤ゆうほ(Vo&Gu)に訊いた。

メジャーデビューから約4カ月、バンドの状況はかなり変わってきたのでは?

外部の変化というよりも、音楽に費やす時間が増えたことで“メジャーになったんだな”という感覚が芽生えてきましたね。インディーズの時は“シングルを出したいから曲を書く”“次のアルバムに収録するための曲を作る”という感じで、1歩先のことだけしか考えてなくて。メジャーに来てからは先の先まで考えて曲を作るようになったし、“リリースして、キャンペーンが終わったら、すぐに次の制作”というペースになっていて、その環境にも慣れてきましたね。メンバーのふたりもボイトレに通い始めたんですよ、私より先に(笑)。

the peggiesの楽曲は、コーラスも大事ですからね。

そうなんですよね。3ピースのバンドにとってコーラスは4つめの楽器だと思うし、楽曲的にもコーラスの存在感が大きいので、そこはばっちり決めたいなって。ふたりとも上手くなってるし、堂々と大きい声で歌ってくれるようになって、隣で観ていても嬉しいです。

ライヴ自体もさらに良くなっているし、サポートミュージシャンを入れず、3人だけでステージに立っているのも素晴らしいと思います。

インディーズの時はギタリストの方にサポートしてもらったりしてたんですけど、今は“3人でがっつりやろう”って思ってますね。たまにはゲストに入ってもらってもいいと思うけど、まずは3人でカッコ良いライヴができるようにならないと。中学生の時から一緒にライヴハウスに通っていて、その後一緒にバンドを組んで…っていう、せっかくストーリーがあるバンドなのに、サポートミュージシャンを入れることで、それが見えなくなるのはもったいないと思うんです。

本当にバンドが好きなんですね。

それだけですから、3人の共通点は。性格とかも全然違うんですけど、バンドが好きというだけでつながっているというか。Myspaceで好きなバンドを見つけて、ライヴハウスに行くのが私たちの青春だったので(笑)。

では、ニューシングル「BABY!」について。the peggiesのポップな側面がはっきり押し出された曲だなと。

うん、まさに。最初は“本当にこれでいいのかな”と思ったし、この曲をシングルにするのはかなり勇気が必要だったんですよ。デビューシングルだった「ドリーミージャーニー」は“いい曲ができた!”と思ったし、“これでいきたいです!”って推してたんですけど、「BABY!」はそうじゃなくて、“たくさんある曲の中の一曲”という感じだったんです。“ちょっとかわいらしすぎるかな”“ポップすぎるかな”という葛藤もあったし…。ライヴハウスに通ってた時期も、バンドを好きになる理由は“カッコ良いから”だったんです。“かわいいから”という理由で好きになったことはないし、その感覚が自分の中で想像できなかったんですよね。バンドを始めてからも“カッコ良いって言われたい!”と思っていたし、逆に“かわいい”と言われることには抵抗があったんです。

なるほど。

でも、中途半端に女子らしさを出しちゃうこともあって、結構揺れてたんですよね。でも、「BABY!」を作り上げていく中で“こういう曲を堂々とやったほうがいい”と思うようになったんです。私の声質も100パーセント女子だし、ポップな曲も歌えると思うんですよ。そういう可能性を潰す必要はないなって。

ポップな曲を書けること自体、ひとつの武器ですからね。

そうなんです。曲によっては“かわいい”と言われても全然いいし、“ガールズバンドです”って胸を張って言えるほうがカッコ良いなって。もちろんロックバンドが好きなんですけど、小さい頃は両親の影響で80年代や90年代のJ-POPを聴いていたから、ロックな曲を書こうとしてもポップなところが出ていたと思うので。今回はそれが表沙汰になった感じです(笑)。メンバーのふたりが“聴いてるとキュンキュンするし、いい曲だと思うよ”って言ってくれたのも大きかったですね。彼女たちがそう言ってくれたおかげで、自分の中の“バンドはこうあるべき”という謎のプライドがなくなって、純粋に“確かにいい曲じゃん”と思えるようになったので。ライヴでもやってるんですけど、パワーポップ感があるんですよね。WEEZERみたいにパワーのあるサウンドとポップなメロディーのバンドも好きだから、すごく嬉しいです。

初恋のドキドキ感を描いた歌詞も、めちゃくちゃ女子っぽいですよね。

そうですね(笑)。この曲の歌詞を書くのはすごく大変だったんです、実は。つまらないものにはしたくないけど、自分にとっての正解がなかなか分からなくて。“これだとストレート過ぎるかな”と思って5回くらい書き直したんですけど、結局は最初の感じに戻したんですよ。テーマとしては“聴く少女マンガ”という感じかな。たぶん女の子の半分くらいは少女マンガが好きなんですけど、それは恋をしていてもしてなくても関係なくて、キュンキュンしたいからなんですよね。私もせっかく女子だし(笑)、女子にしか分からない“キュン”とかも歌えると思ったので。

一方のカップリング曲「ずっと」は、ロックな部分がガツンと出ているミディアムナンバーで、今作はthe peggiesの両極端の魅力が感じられるシングルですね。

ミディアムの曲が少ないから、最初からテンポを決めて作ったんです。楽器隊にも音の余白があって、ドラムの手数とかも少ないんですよ。このくらいのテンポで音数を減らすのって実は難しいんですけど、ひとつひとつの音を太くして、バンドとしての器も大きくしてきたいので。歌詞は失恋の歌ですね。“「BABY!」は初恋のドキドキ感を歌っているのに、もう失恋なの?”っていう感じですけど(笑)、その対照的な感じがいいなって。ポップな曲とダイナミックな曲、両方収録できたのはすごく良かったなと思います。

そして、9月15日には渋谷WWWで自主企画イベント『ダブダブdeベビベビ』が開催されるという。

渋谷WWWは2年前に初めてワンマンをやった会場なので、久し振りにライヴができて嬉しいですね。しかも、対バンが古舘佑太郎さんの新しいバンド(2)なんですよ。私は中学校の時に『閃光ライオット』でThe SALOVERSに出会って、ずっと憧れてたんです。活動休止ラストのライヴにも行って、帰り道にお母さんに“私の青春が終わりました”ってメールしたくらいなので。古舘さんにも今のthe peggiesを観てほしいし、ずっと応援してくれるてる人も“ゆうほちゃん、良かったね”って思ってくれるんじゃないかな。ひとつ夢が叶ったし、いいライヴをやりたいですね!

取材:森 朋之

シングル「BABY!」2017年9月6日発売 EPIC Records Japan
    • 【初回生産限定盤(DVD付)】
    • ESCL-4907~8 ¥1,389(税抜)
    • 【通常盤】
    • ESCL-4909 ¥972(税抜)

ライヴ情報

『自主企画イベント「ダブダブdeベビベビ」』
9/15(金) 東京・渋谷 WWW
w)2

『引っ提げないワンマン名古屋編~でらペギじゃんね~』
11/22(水) 愛知・名古屋 CLUB UPSET

『引っ提げないワンマン大阪編~めっちゃペギやねん~』
11/23(木) 大阪・Shangri-La

the peggies プロフィール

ザ・ペギーズ:中学校の同級生で結成し高校生時代から都内ライヴハウスを中心に本格的に活動を開始。2014年11月に初の全国流通音源『goodmorning in TOKYO』をタワーレコード限定でリリース。16年12月8日に行なった渋谷CLUB QUATTROでのワンマンライヴでメジャーデビューを発表し、17年5月にシングル「ドリーミージャーニー」でメジャーデビューを果たした。the peggies オフィシャルHP

OKMusic編集部

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