L→R 小林 勝(Ba)、桐田勝治(Dr)、甲本ヒロト(Vo)、真島昌利(Gu)

L→R 小林 勝(Ba)、桐田勝治(Dr)、甲本ヒロト(Vo)、真島昌利(Gu)

【ザ・クロマニヨンズ】
“どん底”から這い上がるロックンロ
ール

約1年振りとなるシングル「どん底」は、一切の無駄を削ぎ落としたポップでポジティブなナンバー。たとえ“どん底”であっても、這い上がる力を必要としている人に聴いてほしい、芯の強さを感じさせる楽曲だ。

 ザ・クロマニヨンズが16枚目のシングル「どん底」を8月30日にリリースする。シングルとしては昨年9月の「ペテン師ロック」以来、約1年振りだ。一貫してロックンロールの可能性と醍醐味を体現し続ける彼らの、もっとも新しい姿が刻まれたシングルに仕上がった。
 その表題曲である「どん底」は真島昌利の作詞作曲。《どん底だから あがるだけ》と何度も繰り返されるうちに聴き手の脳裡に刷り込まれていく歌詞が印象的だ。いつもながらのシンプルな言葉使いなのだが、“どん底”の他には“太陽”と“月”が象徴的に出てくるだけで、この世の底から空を見上げる真っ直ぐな視線には一切のぶれがない。まさにどん底から手を伸ばし、何かを掴もうと這い上がる人間の心情が、“このままでは 終われない”という部分にストレートに集約されていく。
 磨き上げられた簡潔な8ビート、切れ味の鋭いギターサウンド、そして明瞭に歌詞を放つヴォーカルとポップなメロディーが、中毒性のあるナンバーを生み出した。もちろん、ライヴでの起爆剤として途轍もない威力を持つことだろう。
 カップリング曲「ぼー」は甲本ヒロトの作詞作曲。タイトルが素っ気なさすぎて分かりづらいが、“ぼー立ちの木”を切ろうとしている“ちぇんそう”の話で、チェンソウはなぜか平仮名に、棒立ちは“ぼー立ち”という表記になっている。本来なら激しい動きのある伐採場面のはずなのに、平仮名にしたことで雰囲気が和らぎ、今にも切られそうな樹木に愛着さえ感じてしまう歌詞なのがおかしい。
 わずか2分のスピーディーなロックンロール。あっけないほどの速さで曲が進み、一気にカタルシスを迎える。これだけ短い収録時間に高揚感を集約できる手腕は、やはり彼らならではと思いたくなる。こちらも間違いなくライヴ映えするナンバーなのだが、表題曲を含め2曲ともコーラス部分やサビなど、観客と合唱できる構成になっているのが嬉しい。
 こうなってくると待ち遠しいのがニューアルバムだ。昨年11月の『BIMBOROLL』以来となる最新アルバム『ラッキー&ヘブン』が10月11日にリリースされることが決定している。「どん底」を含む全12曲を収録。さらに、10月26日からは『ザ・クロマニヨンズ ツアー ラッキー&ヘブン 2017-2018』がスタートする。最高のロックンロールショーが各地で観られるはずだ。

文:岡本 明

シングル「どん底」2017年8月30日発売 Ariola Japan
    • 【CD】
    • BVCL-826 ¥1,000(税抜)
    • ※初回仕様:紙ジャケット仕様
    • 【完全生産限定盤 7inchアナログ盤】
    • BVKL-11 ¥1,200(税抜)

『ザ・クロマニヨンズ ツアー ラッキー&ヘブン 2017-2018』

10/26(木) 北海道・PENNY LANE 24
10/27(金) 北海道・PENNY LANE 24
10/29(日) 北海道・小樽 GOLDSTONE
11/03(金) 大阪・なんばHatch
11/04(土) 大阪・心斎橋BIGCAT
11/05(日) 大阪・心斎橋BIGCAT
11/08(水) 山梨・甲府CONVICTION
11/11(土) 愛知・ダイアモンドホール
11/12(日) 愛知・ダイアモンドホール
11/17(金) 福井・福井響のホール
11/19(日) 新潟・新潟LOTS
11/23(木) 秋田・秋田 Club SWINDLE
11/25(土) 青森・青森 Quarter
11/26(日) 岩手・盛岡 CLUB CHANGE WAVE
11/28(火) 東京・赤坂BLITZ
11/29(水) 東京・赤坂BLITZ
12/02(土) 長野・CLUB JUNK BOX
12/03(日) 長野・CLUB JUNK BOX
12/06(水) 京都・FANJ
12/07(木) 京都・FANJ
12/09(土) 香川・高松festhalle
12/10(日) 高知・X-pt.
12/13(水) 群馬・高崎 club FLEEZ
12/16(土) 静岡・Live House浜松 窓枠
12/17(日) 静岡・Live House浜松 窓枠
12/20(水) 千葉・柏PALOOZA
12/23(土) 福岡・DRUM LOGOS
12/24(日) 福岡・DRUM LOGOS
12/28(木) 神奈川・CLUB CITTA' 川崎
[ 2018年 ]
1/13(土) 沖縄・ミュージックタウン音市場
1/16(火) 宮崎・WEATHER KING
1/17(水) 鹿児島・CAPARVOホール
1/19(金) 山口・周南 RISING HALL
1/21(日) 鳥取・米子laughs
1/27(土) 宮城・仙台 PIT
1/31(水) 東京・STUDIO COAST
2/03(土) 福島・郡山 HIP SHOT JAPAN
2/07(水) 岐阜・club-G
2/09(金) 滋賀・U★STONE
2/10(土) 滋賀・U☆STONE
2/12(月) 和歌山・SHELTER
2/14(水) 兵庫・神戸ハーバースタジオ
2/15(木) 兵庫・神戸ハーバースタジオ
2/20(火) 長野・松本Sound Hall a.C
2/24(土) 岡山・岡山市民会館
2/25(日) 広島・はつかいち文化ホールさくらぴあ 大ホール
3/02(金) 北海道・新冠町レ・コード館
3/04(日) 北海道・幕別町百年記念ホール
3/10(土) 栃木・栃木教育会館
3/11(日) 埼玉・さいたま市民会館おおみや
3/17(土) 愛知・愛知芸術劇場 大ホール
3/21(水) 静岡・三島市民文化会館 大ホール
3/24(土) 福岡・サザンクス筑後
3/27(火) 神奈川・鎌倉芸術館 大ホール
4/01(日) 大阪・フェスティバルホール
4/07(土) 千葉・市川市文化会館
4/08(日) 東京・オリンパスホール八王子
4/14(土) 富山・クロスランドおやべ メインホール

ザ・クロマニヨンズ プロフィール

ザ・クロマニヨンズ:2006年7月23日13時41分、『FM802 MEET THE WORLD BEAT 2006』に出現。その後、数々の夏フェスにも出現し、デビュー前から話題を呼んだ。そして、同年9月に待望のシングル「タリホー」でデビュー。22年1月に15枚目のアルバム『SIX KICKS ROCK&ROLL』、23年1月に16枚目のアルバム『MOUNTAIN BANANA』を発表。そして、24年2月に17枚目のアルバム『HEY! WONDER』をリリースし、同年2月16日より『ザ・クロマニヨンズ ツアー HEY! WONDER 2024』(全国43公演)を開催。ロックンロールをこよなく愛する4人が最強のロックンロールを響かせる!ザ・クロマニヨンズ オフィシャルHP

L→R 小林 勝(Ba)、桐田勝治(Dr)、甲本ヒロト(Vo)、真島昌利(Gu)
撮影:柴田恵理

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着