それでも世界が続くなら 篠塚将行×
CLUB Que shimokitazawa 二位徳裕
- the Homeground 第1回 -

それでも世界が続くならには、2度と同
じライヴがない

CLUB Que shimokitazawa

CLUB Que shimokitazawa

CLUB Que shimokitazawa 二位徳裕

中学生の時からバンドをやっていたんですけど、19歳の時に上京してきて、いろいろ拡げようと思ってライヴハウスで修行しようと思いました。3年くらい経って、最初に働いたインクスティックがなくなり、ライヴハウス下北沢屋根裏の面接を受けた時に、ブッキングしろって言われて、“ハイ!”って大見え切って辞められなくなりました。だんだん楽しくなって欲が出て、CLUB Queができました。

住所:〒155-0031 東京都世田谷区北沢2-5-2 ビッグベンビルB2F
電話番号:03-3412-9979
http://www.ukproject.com/que/

仕事へのこだわりを教えてください。

こだわりはいまだにたくさん持っていると思いますが、今はこだわらないことがこだわりかな。ひとつの仕事を長く真剣にやっていると、勝手にイメージというか外側が出来上がってくるので。それが正しいけどそれが全部じゃないし、もっと人にも出会いたいし、革新的なことにも出会いたいし、挑戦したいなって意味で、こだわらないってことを意識してます。でも、10代から30代までは、とことんこだわったほうがいいかもですね。
二位徳裕さん

二位徳裕さん

どのような時にこの仕事のやりがいを感じますか?

それはもう、カッコ良いと思うバンドがたくさんの人に浸透した時ですよね。僕は脈のない人気バンドを高いギャラで呼んで演ってもらうっていうやり方は大嫌いなので、一緒に工夫して泣いて笑ったバンドが、たくさんの人に支持されるようになっていく様が好きなので、そうなったら、そりゃ嬉しいです。雑に言うと、好きなバンドを3つ並べて1日イベントを作ったらそれでもうブッキング冥利といいますか。それで楽しくワイワイ打ち上げで朝まで盛り上がったら、超幸せですね。そういう時は関わったいろんな人からも次の楽しいアイデアもたくさん出てくるので、笑顔が笑顔を呼んでエキサイトなイベントやバンドがどんどん増えていくし、最高のループが生まれますね。

それでも世界が続くならとの出会いはいつ頃?

バンドを知ったのは随分前で、4年前くらいかな。深くかかわってきたのは2年くらいでしょうか?

それでも世界が続くならに対する第一印象を教えてください。

ヒリヒリした、インドアなバンドだと思ってました。第二印象は“よくしゃべって、アイデア満載の、ど根性バンド”!! これは、バンドのイメージからしたらあんまり出したくないですかね(笑)。

逆に、それでも世界が続くなら側からはどのような印象を持たれていたと思いますか?

ん~分かりません。思うに、ラブリー&プリティ!? 時々アングリー(笑)。

今現在のそれでも世界が続くならに対する印象は?

第二印象を言っちゃいましたけど…観察力があって、その延長で思いやりがあって、でも絶対譲れないものがかたくなにあって、技術じゃない想いをみんなに届けたいバンド、かな? 単純に篠塚の音楽に向かう姿勢に惚れてます。

CLUB Que shimokitazawaでの初のライヴは覚えていますか?

それせかに限らず、ほとんどのバンドの最初のライヴは覚えてないんです。すいません。やっぱり何度かライヴを重ねて、そこから自主企画をやるとかで深く喋って想いを分かち合ってからのライヴは全然違いますよね。それせかの場合はそこからのライヴは全部覚えてます。それほど内容の濃いことを残してくれてますね。変化が起きたライヴというのがやっぱり楽しくて重要。

今までで一番印象に残っているライヴは?

なかなか難しい質問です…なぜなら、いろんなタイプの印象深いことが毎度起きるからですけど。2013年5月にやった『反撃フェス』の時は、打ち合わせと称して朝までだらだら呑みながら篠塚の想いを語られ、もうやるしかない状態に追い込まれまして、正直全てを理解してやったイベントではなかったけど、終わった時の感動がそれまでにないものでした。14年の2デイズワンマンではドラムの栗原が骨折してて、片手で2デイズを乗り切るという偉業もありつつ、ちょうどQueが20周年で、12月ですけど並みいる強豪(エレファントカシマシやUNISON SQUARE GARDEN etc)がひしめく中、それに肩を並べ…いや、凌駕するくらいの感動を僕にくれました。想定外の感情だったんで、今でもビビってます(笑)。

それでも世界が続くならの魅力はどういうところだと思いますか?

正直に言うと“分かりません”です。すいません。ブッキンガーとして失格ですけど、なんかだか分からないうちに引き込まれます。…って答えながら思ったけど、自分は彼らのただのファンなのかもしれないです。

それでも世界が続くならとの面白エピソードがあれば教えてください。

何度か知らない間に朝を迎えてしまうこと、意味あることもないことも、事務処理だったら30分で終わることを6時間かけてディスカッションするという燃費の悪いことをしがちです。でもロックは燃費悪くないとカッコ良くないですからね。

ライヴでの失敗談などがあれば教えてください。

これまた重複するけど、骨折しても何があっても、ライヴを飛ばしたりしないでしょう? 最近は、みんな完璧なものを観せたいからかもしれないけど、ちょっと不具合があったらライヴを飛ばしたりするじゃないですか。それってほんとの意味でライヴとは程遠いですよね。ローリング・ストーンズだって、3デイズ初日に腹具合の悪いキースを観れて良かったとか悪かったとか語るところにロックの魅力があったりして。そういう意味では、それでも世界が続くならには、2度と同じライヴがないから。失礼だけど、きっと毎度失敗なんだと思うんです。完成していないっていうか。もちろん、完成を目指しているけど、“いつも失敗している物語”なんじゃないでしょうか。試合結果が全てではないから、どんな言葉を使っても、どんな有能なレポーターがライヴレポートを書いても、20パーセントも伝わらないとも思います。実際自分も接してみるまで、気が付いていませんでした。人柄がこんなに正直に音に表れてるバンドは、現代にはないんじゃないかな~なんて思ったりします。“売れたい”とか“生活したい”とかが3番目以降なんです。音のために生きてる。そんな感じですから、人生そのものが失敗!?(笑) =偉業!! カッコ良いぜ!

最後に、それでも世界が続くならにひと言お願いします。

貧乏暇なし、猫灰だらけ…毛だらけだっけ?(笑) 待ってマース! また朝までコースいく!?

OKMusic編集部

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