【People In The Box】『People In
The Box One-man Live 2010 「空から
降ってくる vol.2」』2010年10月17日
at 日比谷野外大音楽堂

撮影:河本悠貴/取材:高木智史

オープニングを告げるアニメーション、不規則な秒針音、波多野裕文(Vo&Gu)の朗読。この野音の夜の空間だけが現実から切り取られたような世界観が一瞬にして作られ、まずは「旧市街」の変則的な展開が脳を刺激する。温かいサウンドと残酷なまでの生々しい歌詞がひとつとなる「アメリカ」。心地良く感じる聴衆がいれば、身震いするほど恐怖を感じる聴衆もいるかもしれない。そんな音、歌詞に聴き入り、ゆらゆらと揺れる観客を観ながら僕はそう思った。ダブルアンコールで波多野は最新作『Family Record』について言葉につまりながら“この言葉にできない感じが音楽の本来あるべき姿だと思うよ”と語った。言葉にできないから音楽になる。だから、オーディエンスも声を上げたり、腕を掲げたりではなく、向き合うように聴き入る。People In The Boxの音楽を体現したようなワンマンだった。

セットリスト

  1. 旧市街
  2. アメリカ
  3. はじまりの国
  4. ベルリン
  5. 海抜0m
  6. リマ
  7. ストックホルム
  8. 水曜日 / 密室
  9. 冷血と作法
  10. 犬猫芝居
  11. レントゲン
  12. レテビーチ
  13. ブリキの夜明け
  14. 泥の中の生活
  15. 火曜日 / 空室
  16. 月曜日 / 無菌室
  17. 生物学
  18. 天使の胃袋
  19. 完璧な庭
  20. ペーパートリップ
  21. 日曜日 / 浴室
  22. バースデイ
  23. 新市街
  24. ユリイカ
  25. She Hates December
  26. ヨーロッパ
People In The Box プロフィール

波多野裕文(vo&g)、福井健太(b)、山口大吾(dr)による次世代スリーピース・ロック・バンド。07年〜08年にかけて、9mm Parabellum Bulletやte' 、perfect piano lessonが所属するインディペンデント・レーベル<残響record>よりミニ・アルバム2枚、フル・アルバム1枚を発表。彼らの特徴はしなやかなドラム、力強いベース、青白い和音を奏でるギターのスリーピース編成を生かしたスマートなサウンド、複合的なリズムにポップな歌のメロディーだ。イノセントな声が、不思議な世界観をともなって耳に飛び込んでくる。そのオリジナリティー溢れるスタイルは、口コミを中心にファンの数を増やし続け、ライヴ動員も日々増加、09年2月に行われた渋谷クラブクアトロでのワンマン・ライヴでは750枚のチケットが全て完売となった。そして09年10月に<クラウンレコード>より3rdミニ・アルバムとなる7曲入りのトータル・コンセプト・アルバム『Ghost Apple』をリリース。オフィシャルHP
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OKMusic編集部

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