【ストレイテナー】ストレイテナー
日本武道館 2009年5月8日

撮影:橋本塁/取材:高木智史

新メンバーの大山 純(Gu)を迎え、完成したアルバム『Nexus』を引っ提げたツアーの最終公演、それが日本武道館で行なわれた。初の武道館である。開演前から会場のザワザワ感がファンのその期待感、喜びみたいなものを物語っていて、客電が落ちると同時に大歓声が沸き、メンバーがステージイン。ゆったりと歩き、会場、観客を見渡しながら…各々の楽器を携え、ナカヤマシンペイのドラムカウントから「クラッシュ」が鳴らされると、一斉に弾けるオーディエンス。「Ark」「Melodic Storm」と鳴らしてゆき、その起承転結のあるドラマチックな音を聴かせる。このスタートの3曲、初の武道館という気負いなど微塵も感じられず、4人は舞台のわりに小さく中央に集まったようなセット位置で、それがガッチリとスクラムを組んだような結束力を生み、広い会場に美しく、激しく音を響かせていた。最初のMCでは“これはこれはよく来たね~。音楽を作って、ライヴをやってというのを僕らは日常としているけど、これは日常じゃないね”と冷静だが高ぶる気持ちを語り、“俺たち、ストレイテナーと言います!”と改めて宣言! 「FREE」では“フリーダム!”と絶叫し、それに観客は腕を掲げ振り下ろす。「Lightning」では幻想的な世界観をステージに降ろされたスクリーンの映像で表し、視覚でもファンを魅了する。快楽的に踊らせたり、ノスタルジックに魅せたり、そんな起伏に“これぞストレイテナー”という勇姿を終始ぶつけられているような感覚があった。時に、ホリエアツシ(Vo&Gu&Piano)が“僕は自分のために80%くらい音楽を作ってるけど、今日は100%みんなのために音楽をやりたいと思います!”と語ってからの「POSTMODERN」「KILLER TUNE【Natural Born Killer Tune Mix】」「Little Miss Weekend」の流れは半端ではなかった。ダイナミックな轟音でもってオーディエンスの感情を揺り起こし、超ド派手にダンサブルに武装した「KILLER TUNE」で、その感情を開放させ、踊らせる。仕上げは「Little~」でぶっ飛ばし、ぐちゃぐちゃになったフロアの様に“この曲、こんなに激しかったっけ?”と思うほど。この爆発3連撃にブレイクで“あ~楽しい、ヤバい、ハンパねえ”と声を漏らすファン。“確かにハンパねえ”と思うと同時にストレイテナーが一心に観客をアゲるためだけにベクトルを向けると、ここまで爆発させることができるのかと、その力を改めて感じた。100%のストレイテナーを見せつけ、100%ファンを楽しませた約2時間。アンコールでは“この後、居酒屋とかで打ち上げはしないんで、これからみんなと打ち上げです!”と、そんな粋なことを言われてうれしくないはずがない。この武道館初ライヴは自身にとっても、ファンにとっても、強く心に刻まれたものになったことだろう。
ストレイテナー プロフィール

ストレイテナー:1998年にホリエとナカヤマによって結成。渋谷、下北沢、新宿、八王子などでライヴ活動を行ないつつ、02年には自主レーベル『ghost records』設立し、マキシシングル「SILVER RECORD」をリリース。また、結成時よりホリエアツシ(Vo&Gu&Pf)とナカヤマシンペイ(Dr)のふたりによる最小限のセッションが注目を集めていたが、日向秀和(Ba)が03年よりライヴに加入(翌年に正式メンバーとなる)、08年には大山純がギターとして加入し、正式に4人体制となる。17年10月にメジャーデビュー15周年を迎え、翌年で結成20周年に突入することを記念したトリビュートアルバム『PAUSE 〜STRAIGHTENER Tribute Album〜』がリリースされた。ストレイテナー オフィシャルHP

OKMusic編集部

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