【LUNKHEAD】LUNKHEAD 新木場STUDIO
COAST 2009年3月20日

撮影:Katsuya Nishihara/取材:石田博嗣

時代に合った音楽というものがある。今のヒットチャートを見れば、残念ながらバンドもの、ロック系は時代にそぐわないのかもしれない。しかし、どんな時代であっても確実に胸に届く音楽というものがある。LUNKHEADの楽曲というのは、僕にとってそのひとつだ。それを、改めて痛感したライヴだった。 オープニングを飾ったのは、メジャーデビュー曲「白い声」。小高芳太朗が叫ぶように歌う“迷わない日なんてなかったよ”という言葉が、のっけから突き刺さってくる。生きる意味について自問自答を繰り返し、もがき、葛藤し、不安になり、でも希望を見失わない…そんな小高が綴る歌詞はライヴというシチュエーションに於いて、リアルな説得力と、温かいメッセージ力を持つのだ。もちろん、4人が繰り出すバンドサウンドにも震えた。シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックという個性的な4つの色が混ざり合うことで、どんな色でも表現してしまうように、各パートが尋常でないエネルギーを放ちながら絡み合い、鮮やかな音世界を濃厚に描いていく。そこには絶対的なグルーブが存在し、そのうねり、振動、ビート感が全身を刺激する。新曲も多くプレイされたが、客席がクールダウンしなかったのも、そのせいだろう。また、このライヴはツアーファイナルであり、10周年のアニバーサリーの締めくくりであると同時に、石川 龍(Dr)がパーマネントにバンドに関われる最後の日でもある。しかし、湿っぽさはまったくなく、逆に小高に“来年もやろう!”と言わせ、石川にも“来年もやる気まんまんなんで”と言わせてしまうほどの盛り上がりを見せた。それだけ最高の笑顔が客席にあったということだ。きっと、笑顔の彼・彼女たちも、僕と同じことを痛感したに違いない。
LUNKHEAD プロフィール

ランクヘッド:1999年に愛媛県で結成され、04年1月にシングル「白い声」でメジャーデビュー。10年4月にオリジナルメンバーの石川 龍(Dr)が脱退するも、桜井雄一(ex.ART SCHOOL)を迎えての新体制となる。結成20周年となる19年には、4月に12枚目のアルバムとなる『plusequal』を発表。LUNKHEAD オフィシャルHP

OKMusic編集部

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