【秦 基博】秦 基博 日本武道館 200
9年3月6日

撮影:古渓一道/取材:ジャガー

 アーティストであれば誰もが夢見る武道館のステージ。あれだけの大舞台を前に、秦 基博はどう臨むのか? 無論、チケットは即日ソールドアウトであり、その勇姿を堪能しようとする者で会場は埋め尽くされていた。特にこれといった大掛かりなセットはなく、ステージにはバンドセットのみがひっそりと佇んでいる。 暗転、いよいよライヴが始まるとあって異様な空気が会場を包み込んだ。ステージには秦だけが姿を表し、アコギ1本を携えると優しいストロークを奏で始めた…「僕らをつなぐもの」である。その唯一無二の歌声は、気持ちいいぐらいに伸びていき、実に表現豊かに楽曲を彩っていく。秦 基博を象徴する始まりであると同時に、彼の根底にある“人と人とのつながり”を感じることができた。そして、サポートメンバーとのバンドセッションでは、楽しくて仕方がないといった具合に次々と曲を披露し、彼にとってターニングポイントになった曲のひとつだという「虹が消えた日」では、壮大に描かれた世界観をハートウォーミングな歌声で確かなものとし、聴き手の心を浄化していくようだった。 “元気見せてくれますか!”と勢いを付けたアンコールでは、「最悪の日々」を熱唱。アッパーな同曲なだけに、会場が波打つようにリズムに乗った。全ての歌を完全燃焼し、ステージを去る姿は、またひと回り大きくなった印象を受ける。 どんなに会場が大きくなろうが、彼の歌はいつだって観客ひとりひとりに向けられているし、温かく寄り添ってくれる。終演後もその心地の良さに、なかなか会場を後にすることができなかった。

セットリスト

  1. 僕らをつなぐもの
  2. 色彩
  3. シンクロ
  4. トレモロ降る夜
  5. Baby,I miss you
  6. Honey Trap
  7. 虹が消えた日
  8. 夕暮れのたもと
  9. プール
  10. Lily
  11. 赤が沈む
  12. 空中ブランコ
  13. 青い蝶
  14. 花咲きポプラ
  15. キミ、メグル、ボク
  16. 鱗(うろこ)
  17. フォーエバーソング
  18. 風景
  19. 朝が来る前に
  20. <ENCORE>
  21. 最悪の日々
  22. 新しい歌雲
秦 基博 プロフィール

ハタ モトヒロ:1980年宮崎生まれ横浜育ちのシンガーソングライター。その類まれなる歌声は“鋼と硝子でできた声”とも称される。2014年8月リリース、映画『STAND BY ME ドラえもん』主題歌「ひまわりの約束」が100万DLを超す大ヒット。その後も『あん』『天空の蜂』とシングル3作連続で映画の主題歌を提供し話題を呼ぶ。15年12月16日に約3年振りとなる待望のオリジナルアルバム『青の光景』をリリースした。秦 基博 オフィシャルHP
Sony Music
秦 基博 オフィシャル Twitter
Wikipedia

OKMusic編集部

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