text:石田博嗣

ライヴは“いらっしゃい”という氏原ワタル(Vo&Gu)の声で始まった。赤塚ヤスシ(Ba)と森田ケーサク(Dr)からなるどっしりとした安定感抜群のリズム隊と、ギターをかき鳴らしながらクールにルーズなメロディーを歌う氏原によって、1曲目から築かれるDOESならではの音世界。それぞれのパートが三つ巴となって構築される、そのサウンドはトラップのようなフックとなる展開やフレーズが散りばめられており、一度ハマると抜け出せなくなる。特にミドルテンポの「薄明」では、浮遊感のあるメロディーが乗る重くゆるやかなうねりに観客が完全に飲み込まれていた。しかし、アンコールで披露された「三月」は違った。ナックルやパームボールといったクセの強い球種を得意とする変化球投手がいきなり150km級の直球を投げてきたように、トリオ編成ならでは疾走感と緊張感に満ちたストレートなサウンドが届けられる。さらに“今後のDOESを占う感じの曲”とコメントしてプレイされた新曲も、カミソリのようなギターリフとアグレッシヴなグルーブを持っていた。 ツアーファイナルでもあった今夜のライブ。現時点までのDOESを堪能したのはもちろん、すでに彼らが次のステップに進んだことも体感できたのは言うまでもない。
DOES プロフィール

ドーズ:2003年に結成。福岡での活動が都内のメジャーレーベルプロダクションに知れ渡り、06年にシングル「明日は来るのか」でメジャーデビューを果たす。翌年リリースした「修羅」がテレビ東京系アニメ『銀魂』のエンディングテーマとして起用され、オリコン初登場9位を記録し注目を集めた。また、圧倒的なライヴパフォーマンスの評価は高く、『ARABAKI ROCK FES』『ROCK IN JAPAN』『RISING SUN ROCK FESTIVAL in EZO FES』等、各地大型フェスの常連となっている。DOES Official Website
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アーティスト

OKMusic編集部

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