【サカナクション】『SAKANAQUARIUM
2013 sakanaction』2013年5月19日
at 幕張メッセ9-11ホール

撮影:石阪大輔(hatos)/取材:高良美咲

 サカナクション史上最大規模のツアー『SAKANA QUARIUM 2013 sakanaction』の総動員数は8万人。中でも最大規模の本公演では2日間で4万人を動員と、今のサカナクションの人気がうかがえる。
 メンバー5人がステージ上に並んで現れ始まった「INORI」。緻密なアンサンブルは一瞬にして非日常的な空間を作り上げ、会場は一気にその壮大な世界観に飲み込まれた。「ホーリーダンス」では山口一郎の伸びやかな歌声に合わせて、踊るように動くドットイメージがステージを彩る。さらに公演の一部では6.1chサラウンドシステムを使用しており、コーラスが会場を囲むように響き渡った「『バッハの旋律を夜に聞いたせいです。』」では、その迫力に圧倒されたオーディエンスからは歓喜の声があがった。また、スクリーンにはリアルタイムのオイルアートが映し出されるなど、耳だけではなく目でも楽しませてくれる。そして、“SAKANAQUARIUM 2013 VERSION”と題して数曲披露したあとは、サカナクションのライヴでは定番の「アルクアラウンド」へ。“まだまだいくぞー!”という山口の絶叫に応えるようにオーディエンスが腕を突き上げ大合唱する光景は圧巻! まるでダンスフロアのような盛り上がりを見せる。アンコールの「ストラクチャー」では、一見ただの白いパーカーに見えるが光によって色が変わる衣装を山口が身にまとい登場。“踊ろう!”“歌おう!”と魅せるように踊り、会場の大合唱にメンバー全員が満足そうな笑みを浮かべていた。胸が高鳴るたくさんの仕掛けを盛り込んだ、まさにエンターテインメントなライヴの最後に、これからも新しい体験ができるようなライヴをしたいと語った山口。次はどのような景色を見せてくれるのか? 彼らの動向から目が離せない。

セットリスト

  1. INORI
  2. ミュージック
  3. M
  4. アイデンティティ
  5. ルーキー
  6. multiple exposure
  7. mellow
  8. ボイル
  9. アルデバラン
  10. なんてったって春
  11. ホーリーダンス
  12. 僕と花 -SAKANAQUARIUM 2013 VERSION-
  13. 『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』 -SAKANAQUARIUM 2013 VERSION-
  14. ネイティブダンサー -SAKANAQUARIUM 2013 VERSION-
  15. アルクアラウンド
  16. アドベンチャー
  17. Aoi
  18. 夜の踊り子
  19. <ENCORE>
  20. ストラクチャー
  21. ナイトフィッシングイズグッド
  22. 朝の歌
サカナクション プロフィール

北海道は札幌より登場の5人組ロック・バンド。バンド・サウンドとテクノ/エレクトロニカ的要素が高次元で融合した、00年代的新鮮さを携えたグループである。因みに、sakana+action=ミュージック・シーンの変化を恐れず魚の動きのように軽快に素早くアクションしていく=sakanactionというのがバンド名の由来だ。
05年、山口一郎(vo&g)と岩寺基晴(g)の2人により、札幌にてバンド結成。06年には草刈愛美(b)、岡崎英美(key)、江島啓一(dr)が加わり現在の編成となる。同年夏に行われた『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2006 in EZO』への出演をきっかけとして多くの音楽ファンの注目を集める。

自主録音の「三日月サンセット」「白波トップウォーター」といった楽曲の評判が口コミで広がり、07年5月に、<ビクターエンタテインメント>より1stアルバム『GO TO THE FUTURE』でメジャー・デビュー。本作には先述の2曲も収録され、ロック・リスナーもクラブ・ラヴァーズも等しく魅了する、最終的には“ポップ”としか言いようのない豊かなサウンドが実現している。08年1月にリリースした2ndアルバム『NIGHT FISHING』では、その先進性が評判になり、同年夏には新人最多となる8本もの野外大型フェスに出演、急激に注目度を増幅させる。

翌年1月には3rdアルバム『シンシロ』をリリース。ロック・リスナーはもちろん、J-POPユーザーにも彼らの楽曲が突き刺さり、各メディアでも絶賛されチャート上位に登場。また、全公演のチケットがソールド・アウトした全国ツアー『SAKANAQUARIUM 2009“シンシロ”』では、ステージングはもとより演奏楽曲をライヴ用にリアレンジしてパフォーマンスに臨む姿勢が高く評価された。

また、制作物のグラフィックやツアー・グッズのデザインなど、楽曲以外のクリエイティビティーも話題に上り、「ネイティブダンサー」のPVを<YouTube>で公開するやいなや、20万を超える再生回数をカウントすることに。PVとしては異例ともいえるこの再生回数は、インタラクティヴ・プロモーションに敏感なユーザーの支持にも繋がった。10年1月、『kissmark』CMソングに抜擢されたシングル「アルクアラウンド」をリリース。本作がロング・セールスを記録する中、3月には海水と淡水が交わる水域“汽水域”から創られた造語が付けられた4thアルバム『kikUUiki』(汽空域)を発表。サカナクション オフィシャルサイト
公式サイト(アーティスト)
公式サイト(レーベル)

OKMusic編集部

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