【クリープハイプ】『クリープハイプ
の窓』2013年6月21日 at 中野サンプ
ラザ

撮影:浜野カズシ/取材:高良美咲

 普段のライヴハウスとは違う雰囲気に圧倒されて静まり返っていた会場。“やります”という尾崎世界観(Vo&Gt)の言葉から始まった「あの嫌いのうた」。《嫌い 嫌い 嫌い 嫌い 嫌いと突き放したって》と歌声が響き渡ると、会場からは一気に歓声が起きた。MCでは緊張しているようだったが、「HE IS MINE」では“過去最大規模のアレになりますけど、やりますか?”“ではいきますよ”と会場を誘う尾崎。《今度会ったら》に続いて“セックスしよう!”と客席が声を張り上げる景色には圧倒される反面、オーディエンスが全てを曝け出して楽しんでいる光景に清々しさを感じた。そこからはクリープハイプというバンドを味あわせるように、熱気を含ませつつじわじわと心に染み込んでくるような楽曲を繰り出す。そして、“知らないそこらへんのおっさんとかも連れていけるような大きなバンドになりたい”とこれからの決意を語り、夏の爽快さあふれる「憂、燦々」を披露。疾走感のある「手と手」ではオーロラのような幕がバンドの後ろ全面に垂れ下がるというきらびやかな演出に、目を奪われた。複雑に絡み合う愛と憎しみを歌った本編ラストの「社会の窓」の途中で、“最低なのか最高なのか教えてくれますか?”と尾崎が問いかけると、“最高です!”とオーディエンスは最高の笑顔で応えた。その後、アンコールに応えステージに戻ってきた4人。“せっかくだから”と観客を席に座らせ、ぽつんとひとつだけ光る電球の下、「傷つける」で会場を哀愁漂う空気に包み込み、さらにダブルアンコールにも応え、やるせなさが滲んだ愛を語るような「さっきの話」で締め括った。生きているとありがちな心の中の喜怒哀楽を、一気に見せつけられたようなライヴだった。

セットリスト

  1. あの嫌いのうた
  2. 週刊誌
  3. SHE IS FINE
  4. 左耳
  5. ABCDC
  6. 愛の標識
  7. HE IS MINE
  8. チロルとポルノ
  9. 風にふかれて
  10. 蜂蜜と風呂場
  11. グレーマンのせいにする
  12. 明日はどっちだ
  13. おやすみ泣き声、さよなら歌姫
  14. オレンジ
  15. 憂、燦々
  16. AT アイリッド
  17. イノチミジカシコイセヨオトメ
  18. 手と手
  19. ウワノソラ
  20. 身も蓋もない水槽
  21. 社会の窓
  22. <ENCORE>
  23. 傷つける
  24. <ENCORE2>
  25. さっきの話
クリープハイプ プロフィール

クリープハイプ:2001年、3ピースバンドとして結成。下北沢を中心にライヴ活動を行なう。幾度かのメンバーチェンジを経て、09年に現メンバーで活動開始。12年4月にアルバム『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』でメジャーデビューを果たす。14年4月には、自身初となる日本武道館公演を2デイズに渡り開催。その後も精力的な活動を続け、CM、映画、アニメなどの数々のタイアップをはじめ、16年6月には尾崎が初の小説『祐介』を発表し大きな反響を呼ぶ。着実に活躍の場を広げている中、同年9月7日に4thアルバム『世界観』をリリース。クリープハイプ オフィシャルHP
UNIVERSAL SIGMA
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クリープハイプ オフィシャルFacebook
クリープハイプ オフィシャルInstagram
Wikipedia

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