【FLiP】『3rd Album Release Tour
「LOVE THE TOXiC CiTY」』2013年7月
19日 at LIQUID ROOM ebisu

取材:榑林史章

 FLiPの全国ツアー、2日目となる東京公演がLIQUID ROOM ebisuで開催。パープルとピンクのライトに照らされながらメンバーが登場、アルバムの1曲目を飾る「Tarantula」で始まった。Yuumi(Dr)のパワフルなビート、グルービーに曲を展開させるSayaka(Ba)、独特のギターフレーズを奏で楽曲に色を与えるYuko(Gu)のギター。そしてSachiko(Vo&Gu)は、自身の中にあるカオスをすべてぶちまけるかのように、歌い叫んだ。「カートニアゴ」「ライラ」など人気曲を交えながら、アルバム『LOVE TOXiCiTY』からの楽曲を演奏し、激しく圧倒的なロックで会場はあふれかえった。印象的だったのは、「a will」や「遠夜〜エンヤ〜」などミディアムナンバーが続く中盤。まるで海のように広くて深い感情に引きずり込まれるような感覚で、それまでモッシュしたりダイブしたりと大騒ぎだった観客が、シンと静まりかえって歌に聴き耳を立てていた。『LOVE TOXiCiTY』で全作詞作曲を担当したSachikoは、言い表せない感情を何とか伝えようと、必死に言葉を探しながらMCをした。“心にあるものと現実をひとつにしたくて作ったアルバム。時間はかかったけど、ひとつひとつ大切に作った。もう辞めたいと思う時もあったけど。それを聴いて集まってくれたみんなが、こんなに前にいる。すごく嬉しいです。忘れられない夜にしてほしい。何かを感じて、ダークな色を少しでも温かい色に変えてもらえたら嬉しい…”。まさに全身全霊のステージで魅せた4人。最後には足がガクガクになっていたSachikoの、激しくも深い愛に、観客はこれ以上ないほどの大歓声で応えた。
FLiP プロフィール

フリップ:05年10月6日(金)沖縄那覇市国際通りのマクドナルドにて高校2年生だった渡名喜幸子(vo&g)が「とにかくカッコイイ女の子バンドを組みたい!!」という強い衝動から、中学時代の同級生である(g&cho)に相談を持ちかける。その後高校の同級生、宮城佐野香(B&cho)、玉城裕未(dr&cho)が加わりFLiPを結成。バンド名のFLiPは、「弾く」「ぴしっと打つ」などの意味合いを持つ。

沖縄・那覇市を中心にライヴ活動を続けるなか、08年6月にMONGOL800を輩出したインディーズ・レーベル<ハイウェーヴ>より1stミニ・アルバム『母から生まれた捻くれの唄』をリリース。09年3月には、テキサス・オースティンで行われた『SXSW 2009』に参戦、そのまま全8ヶ所9公演を廻る全米ツアーを敢行。その後、チャットモンチーや9mm Parabellum Bulletを手がけるいしわたり淳治をサウンド・プロデューサーに迎えて10年3月、<デフスターレコーズ>よりミニ・アルバム『DEAR GIRLS』でメジャー・デビュー。オフィシャルHP
公式サイト(レーベル)

OKMusic編集部

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