【Dragon Ash】『THE SHOW MUST GO
ON』2014年5月31日 at 日本武道館

撮影:橋本塁/取材:宮本英夫

 デビュー17年にして初の武道館公演。バンド再生を賭けた傑作『THE FACES』の全曲を軸に、「For divers area」「Life goes on」「繋がりSUNSET」など過去の名曲を散りばめたセットリスト。Kj(Vo&Gu)の“ここまで飛んで来い!”という煽りに、スタンディング仕様に開放されたアリーナはいきなりモッシュ&ダイブの大海原と化す。

 一方で「Walk with Dreams」といったミドルテンポの曲では、歌詞を噛み締めるようにじっと聴き入る。音楽への愛情と理解度において、Dragon Ashのオーディエンスは最高だ。バンドもそれに応え、「The Live」ではベースのKenKenに加えてATSUSHIとDRI-Vのダンスの見せ場が設けられ、「Still Goin’On」ではYALLA FAMILYの3人がステージ狭しと暴れまわる。永遠のアンセム「百合の咲く場所で」、Kjの“武道館はお前らのもんだ!”という叫びに呼応してサークルモッシュの巨大な輪ができた「Fantasista」など、もはや全曲が名場面。SATOSHI(山嵐)とKOJI ZERO THREE(GNz-WORD)を迎えた「ROCK BAND」と、「Lily」ではストリングス隊が登場し、ハードなバンドサウンドにやさしい色を添える。

 そして、アンコールではデビュー当初の代表曲「天使ノロック」から「AMBITIOUS」「Viva la revolution」と、飽くなき音楽的変遷を繰り返してきたDragon Ashの真髄を一気に聴かせる。前日に誕生日を迎えたBOTS(DJ)がスピーチをうながされ、故・馬場育三へ感謝を捧げたのも感動的で、ラストナンバー「Curtain Call」ではKjも感極まっているように見えた。が、一番最後にKjが叫んだのはなぜかX JAPANの決めセリフ(笑)。踊らせて泣かせて笑わせる、音楽における生命力の強さにおいて、やはりDragon Ashは最強だった。

セットリスト

  1. The Show Must Go On
  2. Trigger
  3. Run to the Sun
  4. For divers area
  5. Life goes on
  6. Neverland
  7. Today’s the Day
  8. Walk with Dreams
  9. Here I Am
  10. Blow Your Mind
  11. The Live
  12. Still Goin’On
  13. Golden Life
  14. 繋がりSUNSET
  15. 百合の咲く場所で
  16. Fantasista
  17. 静かな日々の階段を
  18. ROCK BAND
  19. Lily
Dragon Ash プロフィール

ドラゴン・アッシュ:1997年、Kj、IKUZONE、桜井誠の3人でデビュー。その後、BOTS、HIROKI、ATSUSHI、DRI-Vが加入し7人編成になるも、12年にオリジナルメンバーのIKUZONEが急逝。13年、現在のメンバー6人で再び前進することを決意する。今アルバムよりKenKenがレコーディングに全面参加。デビュー時よりあらゆるジャンルを驚異的なスピードで横断し、Dragon Ashとしか表現しようのない音を鳴らし続けている。Dragon Ash オフィシャルHP

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着