【the band apart × WRONG SCALE】
『“BONGO e.p.”release live SMOO
TH LIKE BUTTER TOUR』2014年6月27日
at 新木場STUDIO COAST

撮影:Rui Hashimoto/取材:田山雄士

 2009年に解散したロンスケが本公演でまさかの復活! 止まっていた時を再び動かしたのは解散ライヴの1曲目でもある「trace of grief」だった。トリプルヴォーカルの鮮やかなリレー、眩しいほどにキャッチーなメロディー…何もかもがあの頃の輝きのままで疾走する演奏にもう感情が追い付かない。野田剛史(Ba&Vo)は“最近、一緒にやってないじゃないっすか?って、バンアパのマネージャーに誘われてさ。いやいや、解散したっての(笑)。ドラム(楠誠一)は5年半振りに叩いてるんですよ”と嬉しそうに話し、“今後も自分たち主導ではやらない”と茶化しながらも感謝の言葉を述べる。菊川正一(Gu&Vo)も大西俊也(Gu&Vo)も思いを爆発させるように躍動、キラーチューンを刹那的に連発する歓喜の復活劇を見せてくれた。

 一方、主催のバンアパはのっけから「誰も知らないカーニバル」でエキゾチックかつレイドバックなムードを作り出す。4人が奏でるグルーブの渦はライヴが進むにつれて大きくなり、気付けば観客たちは体を揺らしている。ここ数年で取り入れた日本語詞もすっかり馴染み、そのせいか凝ったバッキングと歌のバランスがより良くなった印象を受ける。また、エンジニアの速水直樹がコンガでサポートし、白熱のセッションを披露する場面も。盟友については“最高でしたね。月1くらいでまた誘えばいいんじゃない?”“まんざらでもないんだよ、特に剛史とかは”“あいつ、クソみたいなツンデレだからね”と原昌和(Ba)と荒井岳史(Vo&Gu)。本編ラスト「Eric.W」で生まれた場内の美しい光景が最高の夜を物語っていた。

セットリスト

  1. 【WRONG SCALE】
  2. trace of grief
  3. calling
  4. The day rain changes to the rainbow
  5. End of painAlways want to be loved
  6. melt down
  7. G.F.S
  8. Things as they are-date 3.12-
  9. p.s moved out
  10. 【the band apart】
  11. 誰も知らないカーニバル
  12. higher
  13. photograph
  14. The Base
  15. ノード
  16. クレメンタイン
  17. Flower Tone
  18. 来世BOX
  19. 環状の赤
  20. Taipei
  21. Rays of Gravity
  22. I love you Wasted Junks & Greens
  23. free fall
  24. coral reef
  25. Eric.W
  26. <ENCORE>
  27. 夜の向こうへ
the band apart プロフィール

ザ・バンド・アパート:1998年結成。04年に自らが運営する“asian gothic label”での独立を果たす。ツアーでは両国国技館や幕張メッセでのライヴを成功させ、毎年数々の野外フェスで多くのアーティストとの共演を重ねながら自らのサウンドを確立してきた。さらに、レーベル所属のMock Orangeとのアメリカツアーや、台湾、フランスでのライヴを行なうなど、ワールドワイドな活動も展開している。結成20周年を記念し、18年には初のトリビュートアルバム『tribute to the band apart』と再録ベストアルバム『20 years』を同時リリースした。the band apart オフィシャルHP

OKMusic編集部

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