【VAMPS】『VAMPARK FEST』2015年2月
19日 at 日本武道館

撮影:今元秀明、岡田貴之/取材:桂泉晴名

 VAMPSが主宰し、国内外のアーティストが集結するロックフェス『VAMPARK FEST』。出演者の豪華な顔ぶれはもちろん、参加しているオーディエンスも素晴らしい。アンコールのMCでHYDE(Vo) が“今日、集まってくれたバンドのみなさんに本当に感謝しています。そして、来てくれたみんなにも感謝しています。このフェスの主旨をよく理解して盛り上がってくれたので、すごく嬉しいです”と語ったように、どのアーティストのパフォーマンスの時も、観客は彼らのホームであるように曲にノって応える。

 音楽を愛し、楽しんでいる会場の空気は、アーティスト側にもしっかり伝わっていたのだろう。トップバッターのアメリカのロックバンドBuckcherryはJosh Todd(Vo)の深い渋みのあるヴォーカルと、肉感的なバンドサウンドをたっぷりと聴かせてくれた。続いて登場したのはsads。清春(Vo)は“今日はすごいフェスに呼んでもらって、光栄で嬉しいです。いつもフェスに出ては、だいたいぶち壊して終わるか、ひんしゅくを買って終わるかに命を懸けています。とはいえ今日はVAMPS、SIXX:A.M.、Buckcherryといった中でやれるということで、ちゃんとやります”とユーモアを交えて宣言。清春の妖艶なヴォーカルが冴えわたる「SPIN」やグラマラスな「GOTHIC CIRCUS」など、たたみかけるように曲を繰り出し、会場を一気にsadsの色に染めていく。3組目はMOTLEY CRUEのNikki Sixx(Ba)率いる3人組バンドSIXX:A.M.。2曲目に演奏された「STARS」では、途中からHYDEも加わり、James Michael(Vo)とサビを交互に歌うサプライズも。「BEFORE IT’S OVER」など美しい曲からエモーショナルで会場を一体化させる「THIS IS GONNA HURT」といった幅広い楽曲を披露。上質なロックンロールで観客を魅了した。そして、トリを務めたのは、このフェスの主宰者であるVAMPS。“BANG ON STOMP EVERYBODY!”という掛け声で会場を揺るがす「REVOLUTIONII」でオーディエンスは力いっぱい叫ぶ。さらにVAMPSのファンを表す「BLOODSUCKERS」では、全ての力を使い切るような鬼気迫るパフォーマンスを見せた。

 アンコールの声が鳴りやまない中、再び登場するVAMPS。“最後1曲、みんなでやろうかなと思うんだけど、いいかな?”とsadsのメンバーをステージに迎える。そして、HYDEは“あともうひとり、呼んでいい? みんなで呼んでくれる?”と呼びかけ、会場からは“Nikki!”コールが上がった。ステージに登場したNikki SixxにHYDEは“ヤバイくらいアガっちゃうんだけど。ちょっと泣きそう”と素直な気持ちを語る。アンコール曲はMOTLEY CRUEのカバー「LIVE WIRE」。HYDEと清春のヴォーカルが日本武道館に響き渡った。熱いステージの余韻にひたっていると、Nikki SixxがHYDEに向かって自分のベースを差し出す。突然のプレゼントに驚き、少年のような笑顔で受け取るHYDE。ステージを去る際には、ベースにキスをし、その喜びを表した。参加してくれたアーティストに対するリスペクトといったVAMPSの気持ちがオーディエンスにも浸透し、愛があふれる心のこもったフェスとなった。

セットリスト

  1. ■Buckcherry 
  2. 1.Lit up 
  3. 2.Broken glass 
  4. 3.All night long 
  5. 4.SFWM 
  6. 5.Sorry 
  7. 6.Say fuck it 
  8. 7.Ridin’ 
  9. 8.Gluttony 
  10. 9.Crazy Bitch 
  11. ■sads 
  12. 1.See a pink thin Cellophane 
  13. 2.HATE 
  14. 3.Tell me what you lie 
  15. 4.SPIN 
  16. 5.WHITE HELL 
  17. 6.GOTHIC CIRCUS 
  18. 7.SANDY 
  19. 8.WASTED 
  20. ■SIXX:A.M.
  21. 1.LET’S GO 
  22. 2.STARS 
  23. 3.GOTTA GET IT RIGHT 
  24. 4.DRIVE
  25. 5.LIFE IS BEAUTIFUL 
  26. 6.BEFORE IT’S OVER 
  27. 7.THIS IS GONNA HURT 
  28. 8.LIES OF THE BEAUTIFUL PEOPLE 
  29. ■VAMPS 
  30. 1.EVIL 
  31. 2.LIPS 
  32. 3.DEVIL SIDE 
  33. 4.DAMNED 
  34. 5.REVOLUTIONⅡ 
  35. 6.AHEAD 
  36. 7.BLOODSUCKERS
  37. 8.SEX BLOOD ROCK N’ ROLL 
  38. <SESSION>
  39. LIVE WIRE
Buckcherry プロフィール

リンプ・ビズキットやキッド・ロックなど、ヒップホップ・フレイヴァーを巧みに取り込んだへヴィ・ロックが隆盛をほこるイマだからこそ、あえて言いたい。——バックチェリーは純粋にカッコいい! とにかく99年のデビュー・アルバム『バックチェリー』を聴かねばなるまい。CDプレイヤーの再生スイッチを押した瞬間、間違いなくモってかれるだろう。
ロックを取りまく環境がどうであれ、キャッチーなギター・リフと“うたごころ”ある感動型メロディがもたらす無上の至福感は、何物にも代えがたいのだ。オールドスクール・ロッケンロール万歳!!!公式サイト(アーティスト)
公式サイト(レーベル)

sads プロフィール

絶大なる人気を誇った「黒夢」のカリスマ・ロック・シンガー清春が、ユニット解散後すぐさま始動させたのがこのSADSである。99年、シングル「TOKYO」にて衝撃的デビュー。パンク・ロック風の荒削りなサウンドのなか清春特有のカラミつくようなシャウトが光る本作は、ビッグ・セールスを記録した。同年には、1stアルバム『SAD BLOOD ROCK'N'ROLL』を発表。「TOKYO」における作風を踏襲したワイルド&ポップな仕上がりに。特に、若者の傷つきやすい心を代弁したかのような詞世界は、多くのティーンエイジャーのハートに響きわたった。その後も、「赤裸々」「忘却の空」など、大ヒットを連発していく。また、ひとつのスタイルに収まらず、『THE ROSE GOD GAVE ME』(01年)ではダーク&ヘヴィなサウンドを呈示するなど、新境地の開拓にも余念がない。
数々のストリート系ファッション誌の表紙をかざり、自身もブランド運営を行うなど、清春のファッション・リーダー的な側面も人気に一役買っていると言えるだろう。オフィシャルサイト
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VAMPS プロフィール

ヴァンプス:2008年にHYDE(L'Arc〜en〜Ciel)とK.A.Z(Oblivion Dust)により結成されたロックユニット。全国のZeppを中心に連続公演を繰り広げる“籠城型ツアー”をはじめ、毎秋恒例のVAMPS主宰『HALLOWEEN PARTY』など、多彩なスタイルのライヴを展開。13年にレーベルをユニバーサルミュージックに移籍。海外レーベルSpinefarmと契約し、世界で2枚のアルバムをリリース。アジアを含む世界13カ国でのツアーを行ない、海外活動に関してはモトリー・クルーの事務所、10th STREET ENTERTAINMENTと契約。VAMPS オフィシャルHP
VAMPROSE

OKMusic編集部

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