【オレスカバンド】
取材:道明利友
ウチらは語り手じゃないから、音に全部
つぎ込みたい
まずは、『WARPED TOUR』お疲れ様でした!
サキ
今回はジャケットも、その『WARPED TOUR』の時の写真なんですよ。ジャケも歌詞カードも全部、アメリカツアーの写真になってて。で、今回のアルバムはアメリカに行く前に作ったものなんやけど、そこに込もってるものがアメリカに行ってまた濃くなったような気がしますね。思ってることが余計に強くなったし、“もっと前に進みたいんだ!”って気持ちがさらに明確になってきたし。ちなみに、そのジャケット…お風呂入ってないんですよ、その時(笑)。
細かい情報ありがとうございます(笑)。
いかす
ひとりひとり見たら“ギッシュ”やったりするんですけど(笑)、この写真が良かってんな!
リーダー、サキ
うん!
“熱っぽい”雰囲気が出てるのが良いですよね! すごいテンション高くライヴしてたんだろうな、って。
リーダー
そこもやっぱ、今まで活動してきて変わったところで。写真にカワイく写るとかキレイに写ってることが大事なんじゃなくて、その写真の持ってるエネルギーだとか、そこから伝わるオレスカバンドの雰囲気やったりとかが伝えたいんだっていう思いが芽生えたのがすごい成長やったなって。
その感じ、音にも出てると思いますよ。すごいパワフルだし、いろんなテイストがあって聴いてて楽しいですし。
いかす、リーダー、サキ
ありがとうございます!
その『WARPED TOUR』フル参戦とかアメリカでの映画撮影とか、前作からの1年半で本当にいろいろなことがありましたよね。その期間を経ての新作には、どんな思いがありますか?
いかす
『WAO!!』まではもう本当に、自然に作ってたんですよ。みんながホンマにやりたいことを、いい意味で単純にやって。それは今でも変わらないんですけど、今回のアルバムは、こういうことを言いたいからこういうサウンドにしてみようとか、そういうイメージを大切にして曲を作ったっていう。じゃあ、今ウチらは何が言いたいんやろとか、いろんなことをまず考えるっていう曲作りは今まで全然やったことがなかったんで、すごい楽しかったですね。やってる最中は、葛藤とかいろんなものがやっぱりあったんですけど…。それがあったからこそ、ホンマに良いCDができたなって思えてます。
曲作りに対して、今までとちょっと違う意識があったんですね。“作品を作る”っていうことに対する向き合い方とかが。
リーダー
そうですね。映画を撮った時、サントラも自分たちで作ったんですよ。そこで初めて自分たちじゃない人が作った曲をやってみたり、他の人たちと初めて一緒にやってみるっていう挑戦をしたんで、その経験を経て今回のアルバムもプロデューサーさんを招くことになったんです(U2、レッド・ホット・チリ・ペッパーズなどを手がけたグレッグ・コリンズ。椎名林檎、宇多田ヒカルなどを手がけた森 俊之)。セルフプロデュース3曲と他の方を招いた3曲っていう構成なんですけど、そういうやり方をするなら、自分たちが何をやりたいのかが明確にないと意味がないし。そういう中でやることで、“自分たちの曲をどうしたいのか?”がまず明確にあってこそなんやなって改めて感じたり、他の人とやることで自分たちの良さがまた見えてきたのも、すごい成長やったなと思います。
成長を証明する作品であり、今伝えたいものが明確に表現された作品でもあり。「Super☆Duper」の“悲しみ抜け出して 憂鬱を蹴散らして 言葉じゃない思いは音にしていくよ”っていう歌詞には、その心情がすごく表れてると思います。
いかす
そうですね。ウチがこの曲で伝えたかったのは…いろんなことは思うけど、やっぱり“楽しみたい”ってすごい思うし、笑ってたいと思うし。もっとポジティブに生きたいって思うから、この曲はすごい明るく歌ったんです。
リーダー
アメリカでは特に感じたんですけど、ウチらは日本語で歌ってるから、言葉で直接伝えることはできないじゃないですか。でも逆に、ウチらは語り手ではなく音楽をやる人なんやな、って。この1年半を経てホンマに感じてることをもっと分かってもらいたいなって単純に思ったから、“音に全部つぎ込んでいこうぜ!”ってみんなもやれたんだろうと思いますね。
サキ
ジャケットの話にもつながると思うんですけど、それは。あの写真はもうホンマに、ライヴ終わったその場で撮ったんです。だから、音楽が周りにあふれてるっていうその時の状況やったり、“楽しいーっ!”って気持ちとか…。“音楽でウチらは伝えていくんだぜ!”って雰囲気を放ってて、すごい良いなぁと思って。そういうことが伝わったらうれしいですね!
アーティスト