取材:ジャガー

同じ着地点をメンバー全員で見据えるこ

今までのlego big morlの作品と言えば、わりと広い視野で描かれていたように思うのですが、「Ray」はある一点にスポットが絞られた作り方になっていて、すごく意外でした。しかも、ラブソングというのも新鮮ですよね。この曲はどういったテーマで作られたのですか?

この曲を作るまでは、普通のバラードはいらないという気持ちがあったんです。ロックバンドには必要ないと思っていましたし…あまり素直じゃなかったんですかね(笑)。でも、バラードだからといって甘い甘いものにならないように、まずはシンプルであるということを第一に考えました。

愛しているからこそ失ってしまうのが怖くて、つい束縛してしまう…そんな心情だったりを書いた歌詞は男女問わず共感できるし、愛情の奥深さも感じました。サウンドも言葉を引き立たせ、説得力を持たせていますよね。

まず、この曲ができた時はバラードではなかったんです。でも、何かしっくりこなくて。で、コードを換えてみると今までなかった前後のフレーズがスッと決まった。その中で、そのままの勢いで歌も歌詞も書いてみたらこうなったという感じです。間違いなく自然にこうなりました。歌詞は自分の経験ではないのですが、世の中の普遍的な部分をつまんで書きました。

歌詞やメロディーやサウンドはもちろん、そこにプラスαして詰め込まれた空気感がいい味を出していますね。やはりそこは意識して?

そうですね。まず同じ着地点をメンバー全員で見据えることと、歌が立つことを意識しました。簡単なようでも僕らには難しかったですね。“声も第5の楽器”と考えていた今までとは明らかに違いがあったので。しかも、その上で僕らの色を出せたというところが今回のこだわりではないでしょうか。

lego big morlの新たなキラーチューンになりそうですが、手応えとしてはいかがですか?

その通りです。手応えしかないです。歯応えもありました。

(笑)。2曲目「nice to」は、1stミニアルバム『Tuesday and Thursday』に収録されていたものをBlack Jaxx Remixとしていますが、これも面白いですよね。これはどういった経緯で?

いつも僕らを応援していただいているBlack JaxxのDragonさんが『nice to』をとても気に入ってくれたみたいで、“バンドで出せない音でアレンジをしてみたい”と言ってくれたんです。興味本位で面白そうだと思い、お願いしました。完成作を聴いてみて、“これはアリだ!!”と。直感でカップリングに入れてみました。

この2曲を作ったことにより、バンドとしてのりしろが広がったのではないですか。

そうですね。『Ray』は僕らの色を出せた上で、今までよりも入口が広い曲だと思います。今までライヴハウスに来たことがない人が、この曲を聴いて観に来てくれることも実際あると思うんですよ。それはとてもうれしいことだし、来てもらえたら『Ray』だけじゃない、僕らの色を見せていきたいですね。あと、曲を聴くだけで“lego big morlだ!”と分かってもらえるようになりたいし、“大阪と言えばlego big morl”と言われるようにもなりたいです。『Ray』は昔からライヴでもやってきていたので、温めてきて良かったと思える作品です。
LEGO BIG MORL プロフィール

レゴ・ビッグ・モール:2006年、大阪で活動を開始。オリジナリティあふれる音と圧倒的なライヴパフォーマンスが話題を呼び、着実に活動の場を広げていく。13年2月、タナカヒロキが不慮の事故により右手首を骨折し、表立ったバンド活動一時休止を余儀なくされる。ここから、バンドの進化系となる新たなサウンドを求め、楽曲制作に没頭。14年、バンド名の表記を新たに、新生LEGO BIG MORLとしてバンドの第二章を本格始動させた。LEGO BIG MORL Official Website

OKMusic編集部

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