【Lisa Halim】
取材:石田博嗣
今までで一番いいものができた
メジャーで初のミニアルバムが完成しましたが、どんな作品にしたいと思ってましたか?
今までの作品は自分で作詞作曲をして、自分らしさを出していこうっていう気持ちで作っていたんですけど、今回は2曲メロディーを提供していただきました。世の中にはたくさんいいメロディーがあるし、私には作れないメロディ?を誰かが作ってるだろうから、それを歌うことができるのなら歌ってみたいってずっと思っていたので、今回やってみたんです。そういう新しい要素をプラスしつつ、今までよりもクールなLisa Halimを出したいと思ってました。
そんな提供曲の「Say good bye」の歌声は切なさと一緒に力強さを感じたのですが、歌入れの時はどんな気持ちで臨んだのですか?
一発OKがいいなと思ってたんですよ。気持ちを込めるっていうことよりも、“自分のものにして一発で歌ってやる!”って(笑)。そういう負けん気みたいなものがあったんで、恋愛に振り回されていた女性が自立するっていう歌詞にいい具合にハマったんじゃないかなって思います。今回のレコーディングで…例えばドの音がちゃんとドの音にハマってるからいいっていうわけじゃなくて、ちょっとズレてても気持ちが伝わる音っていうのがあるから、そこを気にしちゃうと良くないということにも改めて気付きましたね。
では、2曲目の「カナシイカケラ」も一発で?
実はこの曲を歌った時って少し体調を壊してて…でも、負けず嫌いなんで、“そんなものには負けない!”って気持ちで歌いましたね。ちょっと弱さを出したかったので、いい具合に弱さが出たのかなって(笑)
今作のタイトルは“Here I am”なのですが、まさに作品全体を通して“私がここにいるからね”って言われているような印象を受けました。
私は歌うことで自分の存在を証明しているので、“私はここにいるんだよ。みんな聴いて!”っていう気持ちを込めて付けたんですよ。でも、おっしゃったようにいろんな意味があるし…“私がここにいるからね”って捉えてくれたなら、それでいいと思うんですね。友達が落ち込んでいたら私が話し相手になるし、私もいろんな人に支えられて生きている…“私はひとりぼっちだ”と思っている人も絶対にひとりじゃないっていうことを常に思っているので、そういうふうに捉えてもらえるのはうれしいですね。
このミニアルバムですが、収録されている5曲それぞれストーリーを持っていて短編集のような作品になりましたね。
そうですね。『切ないくらい、愛してた。』を聴いてファンになってくれた、20代や10代の人が多いんですけど、その人たちが…その人たちに向けて書いたっていうわけじゃないんですけど、私の歌詞というのは自然と恋愛ものになるので、『切ないくらい、愛してた。』が好きって言ってくれている人にも、曲調とかは全然違うんだけど『Say good bye』もすっと心に入っていくと思うので、そこは裏切らないんじゃないかなって。だから、Lisaの曲を聴いてくれる人たちの期待に応えられるような5曲になったかなって思いますね。それに今回のミニアルバムを作って、作品を作っていくごとにどんどん新しい自分が出せていると思ったし、今までで一番いいものができたと思ってます。自分でも“いいものが作れるんだ!”っていう確信が持てました。