取材:榑林史章

進化したスネイル! スカにハードの血
を注入!

前作『TV MONSTER』から2年半ぶりですね。

TAKEMURA
うちは制作が遅くて、のらりくらりとやっていたんで(苦笑)。それで半分くらい曲ができた時に“シングルを出そうか?”という話もあったんだけど、どうせならやったことのないことをやろうってことで、去年1月にカバーアルバム『DISCOVER』を出して、それからまた残りの曲の制作に入ったっていう。

カバー作を作ったことで、刺激になったことも多かったのではないですか?

ISHIMARU
今までやって来た曲だと、ある程度展開とかが決まってきちゃうところがどうしてもあって…例えば、リズムの展開で一度テンポを落してミドルテンポになって、また速くするパターンとか。カバーをやったことでギターやベースの新しいフレーズがふたりから出てきたんで、それに刺激を受けてリズムの幅も広がりましたね。
TORU
俺はスネイルに入るまでスカってほとんど聴いたことなくて、3人でやれることをやろうという意識で作ったのが『TV MONSTER』だった。でも、俺はもともとメタルとかハードコアが好きなので、当時を振り返るとちょっと遠慮があったかなって。それで、俺の中にあるメタルやハードコアからの影響をスネイルの中で意味のあるものにしようと考えて、消化したり実験してできたのが『DISCOVER』で、さらにそれを踏まえた上で制作したのが『SIX LOGIC』なんです。
TAKEMURA
単純にその時のメンバーから出てきたものをいい形で反映させるのが一番なので、前になかった部分が出せたのは、すごくいいことだと思ってます。アルバム全体としてマツウラ(TORU)の色をもっと出せたらいいなと思っていたし、俺が曲を作る時の意識としても、今まで通りのスネイルもありつつ、いい形で違った面を見てもらえたらなと思っていたし。

おふたりが個人的に意識していたことは?

ISHIMARU
メンバーの個性が引き立つドラムを叩けたらなって。あと、曲の世界観を表現しようとか。漠然とだけど心がけていましたね。
TORU
うちらみたいに“せーの!”で一発レコーディングしちゃうバンドって、メンバー同士のコミュニケーションがすごく音に出るんです。俺が加入して今回で3作目なんだけど、作品を出すごとに阿吽の呼吸がもっと表現できればいいなとは思っていましたね。そのために話をたくさんしたし、一緒にいる時間を増やしました。

3人で食事に行って話をしたりとか?

TAKEMURA
3人ともロードバイクにハマっているんで、仕事でもないのに朝7時半に事務所に集合して、自転車で峠を登りに行ったりとか…ISHIMARUは来なかったけど(笑)。あと、スタジオ作業の合間にも雑談で盛り上がったりだとか。音を出している以外の時間が、うちらにはすごい重要なんですよね。
ISHIMARU
俺はTAKEMURAみたいにロードバイクで富士山登ったりとか無理なんで、ツーリングには平地のみ参加で(苦笑)。

そういうバンドのいい状態がアルバムに出たってことですね。「WONDERFUL WORLD」はTAKEMURAさんらしいシニカルな歌で面白かったです。英語で歌ってるのに“英語なんてしゃべれなくても大丈夫”って歌っていたり。

TAKEMURA
面白く間の抜けた曲を作りたかったんで、詞もしっちゃかめっちゃかのおかしいものにしたいなって。うちらの英語力って義務教育で習った程度で、こんなひどい英語の歌を世に出してるのが自分的にすごい面白いっていうか。
ISHIMARU
俺もこの曲はお気に入りですね。全体的に速い曲が多い中で、ゆったりしたテンポはすごい新鮮だった。速い曲もいいけど、こういうのもいいなって。今まで叩いたことのないリズムにも挑戦できたし。

TAKEMURAさんの曲はスカコアでハッピーな感じで、片やTORUさんの曲はメランコリックなメロディーとハードなサウンドなので、お互いのキャラクターが出てますよね。「THE RABBIT OF RED EYES」は『不思議の国のアリス』がテーマとしてあるのですか?

TORU
みんながやっていないような切り口で書いてみようと思って。俺、ファンタジーが好きで、『不思議の国のアリス』はトランプが出てくるし、ロックをイメージしやすかった。あと、「THIRTEEN」は俺がお守りのようにいつも付けている“13”をかたどったネックレスのことを歌ってます。外国では“13”って不吉な数字なんだけど、一番底だからそれより下はない…転じてラッキー7っていう意味があるんですよ。
TAKEMURA
ちなみにうちの実家は13階建てでした(笑)。

アルバムタイトルの“SIX LOGIC”は、“SIX”は6枚目、“LOGIC”は理論という意味ですよね。

TAKEMURA
“LOGIC”っていうのは、その人の考え方が出てくるものっていうか。それで、音楽を通じてうちらの考え方が表された作品であるということで。
ISHIMARU
“SIX LOGIC”にするか“LOGIC SIX”にするかで結構迷ったよね。
TAKEMURA
うちら細かいところにこだわるんで(笑)。

音楽で自分たちの考え方を表す…今後の活動を通じて表現していきたい、伝えていきたいことも、より明確になったのではないですか?

TAKEMURA
“みんなもっと自分の想いに忠実に、好きに生きても良いんだよって”ところが伝わったらいいかな。やりたいことがあっても自分には無理だって諦めちゃう子が多いと思うから、そんなことはないんだよって。無理だと思っていても、やってみたらできたってこともきっとたくさんあるはずだからね。
SNAIL RAMP プロフィール

ポップでキャッチーなナンバーを詰め込んだアルバム『FRESH BRASH OLDMAN』が30万枚を超えるビッグ・セールスを記録し、スカコアをより一般大衆化させた、スネイル・ランプ。ヒットによって変化した環境に甘んじることなく、精力的なライヴ活動を行い、彼らの人柄を象徴するように相変わらず他グループとの交流も深い。
スネイル・ランプの歴史は、初めて買ったレコードは「あのねのね」と胸を張るTAKEMURA(vo&b)が、95年にバンドを結成したことに始まる。その後、メンバー・チェンジなどを重ねながら、1stアルバム『A PIZZA ALREADY』を完成させる。無論、この頃からキッズ&ガールズの間では「ちょー、いいべ」なんて会話が交わされていた。AKIO(g&vo)の正式メンバー加入を経て、TAKEMURAは自らのレーベル<SCHOOL BUS RECORDS>を立ち上げ、1stマキシ・シングル「FLATFISH COMES!」、2ndアルバム『Mr.GOODMORNING!』を続けざまにリリースする。この時、キッズ&ガールズの間では「ちょー、いいべ。まじ、やばいべ」と言語も進化していたに違いない。99年に入ってからは、さらに新レーベル<ONE TWO SCHOOL>を発足させ、2ndマキシ・シングル「MIND YOUR STEP!」や、彼らの存在を決定づけた前述の3rdアルバム『FRESH BRASH OLDMAN』をリリースした。
今後も間違いなくシーンを沸かせていくであろうスネイル・ランプの覚えやすくはっちゃけたサウンド。「もーう、最近知ったばっかのくせにー。ライヴ来んなよ!!」なんていう昔からのガールズ・ファンの声もよく耳にするが、みんなで楽しく観りゃいいじゃん。彼らの音はとびきりフレンドリーなんだからさ。
02年10月21日をもって、97年以降正式メンバーとして活動していたギターのAKIOが脱退した。SNAIL RAMP Official Website

OKMusic編集部

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