【サスライメイカー】
取材:土内 昇
青くささを全部つめ込めんだ
もともとは磯部くんのソロユニットとして活動していたのが、今年の1月にたがみくんとみつをくんが正式加入してバンド形態になったというのは、バンドでやりたかったから?
磯部
僕はずっとバンドでやりたいと思っていたから、虎視眈々と時期を待っていたんです。ふたりにはずっとサポートでやってもらっていたんで、タイミングを見計らって告白しました。みつをには一回断られてるんで(笑)。でも、“サポート”って言ってもみんなでアレンジを考えてたし、いろいろアイデアもくれてたから、ふたりはやることが増えたとは思うんですけど、曲を作るということに関しては、基本的に変わらないですね。
では、告白された側はどうでした?
たがみ
意外でした。バンドをやりたい人だと思ってなかったので。けど僕自身、“今年はバンドをやりたい”と思っていて…年初めに素晴らしいタイミングで誘っていただきました(笑)。
みつを
最初に断ったのは、サスライの立ち上げの時だったんで…もう3年前になるのかな? その時とはお互いの意識も全然変わってるし、実際にサポートで続けてみて居心地良かったし、曲も好きだし。再び誘われる前から自分がメンバーになることを妄想していたくらいなんで(笑)、“サスライメイカーです”って名乗れるようになったのは単純にうれしいですね。
そんなバンド形態になった新生サスライメイカーの第一弾が「ミジュクナヒカリ」なのですが、この曲を選んだ理由は?
磯部
アレンジを3人で煮詰めてやったというところで、思い入れの強い3曲が入っているんですけど、その中でも「ミジュクナヒカリ」は今までやってきたものよりもひと皮剥けた…今までって内側にある部分を表現した曲たちが多かったんですけど、この曲は明るさがガツンと前に出ているし、1曲目に持ってきたかったんです。
もともとはどんな曲を作ろうとしたのですか?
磯部
僕らももういい歳なんですけど、年相応の音楽はやるまいと。夏にさわやかにいきたい! まだまだ若い!と(笑)。歌詞は僕が書いてるんですけど、僕は野球を12年間やってきたんですね。その頃を思い出して、青くささを全部込めてやろうと。今現役で青春を謳歌している人もそうですけど、僕らのように“青春”という言葉が恥ずかしく感じるようになった人でも、それってズギンとくるものだと思うので。
やさしい歌声やストリングスが印象的ではあるのですが、芯の強いバンドサウンドの曲ですよね。
みつを
自然にそうなってるんだと思います。アレンジも変にヒネらないで、その瞬間のインスピレーション…バンドのメンバー全員がピンときたものを大事にしているので。
たがみ
サポートのドラム兄ぃや鍵盤のヒロヤさんやfuraniも、今のバンド形態になる前からずっと一緒にやってきてるんで、サスライの音っていうのができているというか。
来年1月のShibuya O-WESTでのワンマンに向けて、この作品で加速する感じですか?
磯部
そうですね。このタイミングで作品が出せたのが、ほんとにうれしくて…これを出すっていう前の段階で、ワンマンは決めてたんで。だから、ワンマンに向けて良いものができたと思ってます。達成感がすごい…今までのものになかったわけじゃないですけど、それ以上のものがありますね。熱さが増したというか。新生サスライメイカーの一発目として、このシングルが出せたのはうれしいですね。