【UNCHAIN】
取材:宮本英夫
ニューシングル「Gravity」はどんな曲ですか?
1月に『Music is the key』というアルバムをリリースして、いろんなことに気付けたんです。日本語の歌詞とか、幅広いジャンルを吸収して広がったUNCHAINの世界とか、そういうものを引っ提げてツアーに出て、それもまたUNCHAINを大きく変えてくれました。でも、世界が広がったおかげで“次はどうしようか?”という迷いもあったんですよ。それで原点に戻って考えてみると、UNCHAINがデビューする前はもっとパンクの要素もあって、気持ち的にも反骨心があったんですね。最近はそれが少し薄れてきたかな?という思いがあって、もっと自分の本性を見せるために、よりヘヴィなものを目指して曲を作りました。
確かに、今まで以上に激しくロックしてますよね。
ゾクゾクする感じ、ドキドキする感じ、欲望剥き出しでガーッと行く部分が今は足りないんじゃないかと思ったので。歌い方もラフで、演奏もほぼ一発録りに近い感じでやってます。“せーの”でやったものが最高だと思うので、そこにだんだん近づいていってると思いますね。
歌詞はどうですか?
より素の自分らしさが出たんじゃないかなと思います。これまでのUNCHAINは、キラキラした光を描くような歌詞が多かったんですけど、影があるからこそ光を描きたいという願望が出てくるわけで、その影の部分を歌うというか、より自分に近いところから言葉が出てきてると思います。
カップリング「Music」は対照的に明るくグルーヴィーな曲ですね。
『Gravity』が“陰”とすれば『Music』は“陽”。どっちも僕の中にあるものだし、表現方法が違うだけです。
3曲目「Train In Vain」はクラッシュのカバーですね。
昔、よくクラッシュの曲とかをカバーしてたんですよ。新しい自分というか、もともとの自分というか、そこが面白いと思ってやってみました。
ボーナストラックとして5曲も入っているライヴ音源もすごいです。特にラスト「You Over You」の曲中での谷川さんの熱い叫びにはビックリしました。
あんなに叫ぶようになったのは今回のツアーからです。もっと自分をさらけ出したいと思っていて、ステージでは生身の自分を見てほしかったんですよね。
これから、どんな活動をしていこうと?
ライヴでも音源でも、勢いや熱さを重視したものを目指していきたいです。夏フェスでウルフルズやエレカシを観てめっちゃ感動したんですけど、それは技術というよりも生き様とか、経験を積み重ねて身に付けたオーラとか、そういうところに感動するのかなと思ったので。そのためには自分ももっといろんな経験をしないといけないし…実は、10月から東京進出を予定しているんですよ。今の生活を捨てて、ずっと一緒にいたスタッフとも別れて。『Gravity』というのは、今まで自分がいた世界の“Gravity=重力”を振り切って新天地で頑張るという思いも込めてます。目的を果たすためにもう一回スタートすることは、UNCHAINでもっと上を目指すためには必要なことだと思うので。『Gravity』にはそういう思いが詰まっています。
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