取材:フジジュン

今年の頭に曲が作れなくなった時期があって、それを脱却することができたきっかけとして「東京」の誕生を前回のインタビューで話してくれましたよね。

はい。去年はバンド結成10周年ということでライヴばかりをやって、楽曲制作にあまり重点を置いていなかったんですね。で、今年に入ってからいざ曲を作ろうと思ったら、11年目の自分たちは何を伝えていくのか分からなくなってしまったんです。そこから半年くらい経ってできたのが『東京』で、その後『リフレイン ~青春馬鹿野郎~』だとか、どんどん楽曲ができ始めました。

前作「リフレイン ~青春馬鹿野郎~」もそうでしたが、10年間突っ走ってきた175Rが一度歩みを止めて過去を振り返り、未来を見つめた時にできた曲っていう印象があります。

この曲ができた時にも葛藤はあったんですが、175Rとして何を提示すべきかというより、僕自身が伝えたいことを歌っていけば175Rなんだってところで肩の荷が下りましたね。この曲にもSHOGO個人として歌いたいことを詰め込んだ感じがありましたし。だから、この曲ができてから、人の家に行った時に歌ったり、ライヴに飛び入りで歌ったり、人前で歌うことが楽しくなったって変化もあります。

まさに、上京前の純粋に音楽を楽しんでいた時の気持ちになれたと。“東京”というテーマが生まれたきっかけは?

ずっと憧れていた街に暮らして7年。今では東京がただの憧れから、自分の中で大事な街になっていたので、いつか東京をテーマに書きたいと思っていたんです。“東京”って名詞なのに、すごくパワーのある言葉だと思うし、僕にとって東京は決して否定的なことばかりじゃない。やっぱり楽しいことがあって刺激になることも多いので、そういう部分を曲にしたいなと。自分の周りのこと、今想うことを歌うのにもピッタリで。

上京前は、東京という街にどんな印象を持っていました?

ホントにもう憧れですよね。テレビで観る街並みとか、ホコ天だとか。でも、そこで生活するなんて想像も付かなかったし、北九州に住んだままでも音楽活動はできるし、“俺たちは上京しないんだろうな”って何となく思ってたんですけど、急に上京することになって…その時には、ちゃんと北九州でバンドの基盤を作れていたから、あまり構えることはなかったですけどね。初めて東京に来た時は、たった15分のライヴに15時間かけて(笑)。その後、東京タワーに昇った時、当時のスタッフが“来年はCDも出て、ここに見える人全員が175Rの名前を知ることになるぞ”って言ってくれたんだけど、その時は“何言ってんの?”って(笑)。“そうなったらすげぇな”ぐらいで聞いてました。でも、あの言葉は今も忘れないし、東京タワーはすごく印象深いですね。

その後、175Rは実際に世に知れ渡るバンドとなり、テッペンからの景色も見て。

幸せだったり、辛さだったり…本当にいろんな経験をしましたよ(笑)。それでも、今、こうやって音楽を続けられてるし、最近では東京で地元の友達に囲まれることも多くなって。7年目にして、自分たちで新たな“東京”を作っている気がするんですよね。

自分たち次第で、冷たい街と言われる東京でも温かくすることができるってことですね。

そう、そんな気がするんですよね。もちろん、温め合うだけじゃなくて、勝負をかけていく街だとも思うから、俺たちもまだまだ勝負かけていきたいとも思うし。だから、これからもずっと歌い続けられる曲になりましたよね。地元に帰らない限りは(笑)
175R プロフィール

イナゴライダー:1998年、SHOGO(Vo)のわがままにより結成された4人組ロックバンド。北九州を中心にライヴ活動を開始、03年シングル「ハッピーライフ」でメジャーデビューを果たした。結成10周年時には怒濤のリリースとツアーを敢行し、09年には日比谷野外音楽堂にて5時間50曲というライヴを見事成功させる。そして、10年3月より『JAPON』を引っ提げてのライヴハウスツアーが決定!オフィシャルHP

OKMusic編集部

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