L→R 奥田民生(Guest Vo)、NARGO(Tp)、北原雅彦(Tb)、GAMO(Ts)、谷中 敦(Bs)、沖 祐市(Key)、川上つよし(Ba)、加藤隆志(Gu)、大森はじめ(Per)、茂木欣一(Dr)

L→R 奥田民生(Guest Vo)、NARGO(Tp)、北原雅彦(Tb)、GAMO(Ts)、谷中 敦(Bs)、沖 祐市(Key)、川上つよし(Ba)、加藤隆志(Gu)、大森はじめ(Per)、茂木欣一(Dr)

【東京スカパラダイスオーケストラ】
止まらないスカのリズムを次の世代へ

2009年にデビュー20周年を祝ったスカパラの新たなる挑戦。約8年振りに奥田民生をヴォーカルに迎えたニューシングル「流星とバラード」は、21年目に向かって突き進むバンドの新たなるスタートラインだ。
取材:宮本英夫

そろそろ俺が
歌ってもいいんじゃない?

奥田民生さんとのコラボレーションは、「美しく燃える森」以来の約8年振りですね。

谷中
そうなんですよ。
NARGO
そんなに経った気がしないんですけどね、ビックリしました。
谷中
僕はDJをする時にお客さんの反応がすごくいいので「美しく燃える森」をよく回してたんですけど、8年も引っ張ってたのか(笑)。Fantastic Plastic Machineの田中知之がミックスした4つ打ちのハウスっぽいバージョンをよく回してたんですけど、もう8年も経つんだって改めて思いました。

どのようなきっかけで久しぶりのコラボが実現したのですか?

谷中
夏フェスで会う機会があって、“そろそろ俺が歌ってもいいんじゃない?”って民生さんが言ってくれたんですよ。“欣ちゃん(茂木欣一)もスカパラで何回も歌ってるし、そろそろ俺じゃない?”みたいなことを。よくよく考えると「美しく燃える森」の時も、民生さんが自分から言い出したんですよね。“最近、田島(貴男)とか呼んでやってるらしいじゃん?”と言われたんで“僕らが呼んだらやってくれます?”って返したら、“絶対やる”と。前も立候補だったし、今回も立候補だったみたいな(笑)。
NARGO
ありがたいことです。

作曲は川上つよし(Ba)さんですが、曲は民生さんに合わせて作ったのですか?

谷中
そうですね。想定して仕上げていきました。僕らは活動が長いので、モチーフみたいなものが結構いっぱいあって、その中から合うように変えていくんですよ。スーツのオーダーメイドみたいな感じで。生地は一緒でも、ディテールはすごく大事じゃないですか。ディテールにこだわるのは、男として重要な部分なので。
NARGO
みんなで意見を交換しながら曲をいくつか絞り込んだんですけど、「美しく燃える森」のパート2っぽい曲調がいいんじゃないかと。
谷中
ガラッと変えようかなとも思ったんですけど、似てると言われてもいいぐらいのものを。全然違う感じの曲もあったんですけどね。
NARGO
みんなの意見で、ここに辿り着きました。
谷中
続編を作るっていうのは勇気がいりますけどね。歌詞を書く時は相当なプレッシャーでした。

レコーディング当日のギリギリまで書き直していたという話を聞きましたが。

谷中
「美しく燃える森」の時もそうだったんですよ。完成形ができたのが、その日の朝だったんで。

“早くくれよ”と民生さんから催促されることはなかったですか?

谷中
ずっと言われてました(笑)。“歌詞がないとメロディーが覚えづらいんだよ”って。“前もって覚えておこうにも谷中が書いてこないからさ~”とか。でも、ソロでやってる人たちも歌詞はギリギリまで悩むらしいので“僕はギリギリまでやっちゃうので申し訳ないです”って言うと、“自分もギリギリまで悩むから分かるよ”って言ってくれる人が多いんです。それに甘えてちゃいけないんだけど。
NARGO
民生さんには今回もビックリしっぱなしでした。世界がみるみるうちにかたち作られていくんですよね。最初はザラッとした感じなのが、ものすごく急激に上手くなっていくというか。普通は“最初に歌ったもののほうがいい”と思うこともあるんですけど、民生さんは歌えば歌うほどず~っと良くなり続けるんですよ。どんどん高いところに行くなと思って驚きますね。始めに2~3回歌ったやつもめちゃめちゃいいんですけど、“いやいやいや”みたいな。“やっと分かってきた”と。
谷中
想像してる以上にきめ細かいですよ。わざとモタらせてみたり、いろいろやってみて。ザラ付いた感じも計算づくでやってて、少しずつ積み上げてどんどん良くなる。自分のプロデュースをよく考えてますね。最終的なジャッジは人に任せるという器の大きさもあって。

そうなのですね。

谷中
自分のレコーディングでも、やれるところまで全部やったら最終的なジャッジは人に任せるみたい。そういう器の大きさがあるし、きめ細かいし、言うことないですね。やりやすいですよ、一緒にやる人として。本人は絶対に人前で語らない裏話ですけど。

谷中さんが“さすがプロですね!”と突っ込んで、民生さんが“当たり前だ! これで飯食ってんだ”と応えたエピソードがあったらしいですが。

NARGO
あのくだりは笑いました。
谷中
民生さん、俺が変なこと言うと“ん?”って1回溜めるんですよ。その間がおかしくて。

卒業と入学を
りながら入れ替えていく

詞のテーマで、歌いたいことや何かキーワードはありました?

谷中
何て言ったらいいだろう…簡単に言うと、自分に運が巡ってきた時に、ドキドキしないで優雅な態度でいてほしいイメージなんですけど。僕らが流れ星を見ている時もあるけど、僕ら自身が流れ星みたいになってる時もある。そういう気持ちですかね。夜に高速で車を走らせていて、ヘッドライトの明かりが流星群に見える時があるんですけど、そういう時に車の中で“バラードを聴いている人もいるかな”とか。スピードのズレ具合で人間って生きてると思うので、そのズレ具合を調節して生きていけたらすごい幸せなんじゃないかなってことを常々感じていて、それがこういうかたちになってるんですけど。“悩んだメロディー抱きしめて モノクロの夜にさよならを”というフレーズがありますけど、疲れきってタクシーで帰る時に、カーステレオから聴こえてくるバラードみたいなのがあったらいいよね、そうやって家に帰っていくのっていいかなって。これ以上夜の中にいても一緒だし、早く帰りましょうみたいな感じ? なんか、心構え的な部分が多いですね、今回は。

民生さんに“こういうふうに歌ってほしい”とかのディレクションはしました?

谷中
全然しないです。あの人、歌詞の内容についてひとつも聞いてくれないんですよ(笑)。そこが面白いですよね。
NARGO
タイトルが知らない間に変わって、ビックリしてたよね。
谷中
そうそう。最初はタイトルがなかったんですよ。“まわりも見えないスピードに優しく奏でるバラードを”っていう歌詞をそのまま仮タイトルにしてたんで。
NARGO
次に会った時に、タイトルを知らなくて“あの曲、俺が歌ったやつだっけ?”て言ってた(笑)。
谷中
ネットで発表になった時に、正式なタイトルを初めて知ったみたい。というか、俺らが先に伝えなきゃいけなかったんですけどね(笑)。
NARGO
むちゃくちゃです(笑)。

歌詞の内容について聞かないのは面白いですね。わざと何もないところからイメージを作り上げてるのでしょうか?

谷中
自分で何かいろいろ書いてましたね。歌詞の上に、自分記号みたいなやつを。
NARGO
あれは面白いですね。とっておけば良かったな。
谷中
永積タカシくん(ハナレグミ)の時には、全部自分で書き直してましたね。そうしないと歌えないんだって。
NARGO
いろんなやり方があるよね。個性的ですね、ヴォーカルの方々って。

このあとには、3月27日の両国国技館がデビュー20周年イヤーの締め括りで、4月24日の東京体育館が21年目の始まりという大きなライヴも決まりました。

谷中
そういうことですね。卒業、入学みたいな。

1度区切りを付けて、またここから走り出すと。

NARGO
そうですね。走りながら入れ替えていくっていう感じです。止まらないで入れ替えていくという、両方同時進行じゃなきゃいけないけど、段々できるようになってきたかなと。止まったことがないので分かんないですけど、止まったらどうなっちゃうのかな? でも、止まらないでしょうね、ずっと。
谷中
ライヴをやってる時は、圧倒的なエネルギーをもらいますからね。ステージ上で“エネルギーもらいました!”って言っちゃってるし。
NASRGO
風邪とか治っちゃうもんね、ライヴやると。
谷中
そういう時あるよね。人と話してると元気になったりするのと同じですよね。自分の中でいろいろ考えて溜まってきちゃうと病気になっちゃうと思うんだけど、思ったことを話してると、また新しいことを思い付いたりして、自分で盛り上がったり…そういうのがいいのかな。毎年同じようなことをやってるんですけどね。春夏ツアーをやって、夏は海外に行って、フェスをやって、その間にレコーディングやって、秋冬もツアーで。スカパラのライヴってお客さんがすごい盛り上がるし、みんな仲が良さそうな感じになるので、それを信じてやってます。これからも、横のつながりを作ったり、スカバンドを目指す人を増やしたり、そういうことができればいいなって。本当にすごいことをやってるなと思うんですよね。
NARGO
お客さんがすごいですね、一番。一番すごい! 最近特に親子連れで来る小さい子が多いんですよ。この間のMCで“トランペットやってみない?”って言っちゃったけど(笑)。今から楽器を始めて、次の世代につないでくれないかな。

お客さんのノリは、20年前、10年前と比べても変わってきていますか?

谷中
やっぱり違いますよね。
NARGO
夏の『FUJI ROCK FESTIVAL』とかに出ると1曲目からガツンと来ますからね。僕らがどういう感じでノるのか、最初から分かってもらえてる感じはします。
谷中
僕らも最近はさらにぶっちゃけてきてるんで、それが伝わってるのかな。踊らないで聴いてても面白いことをやってるんで、立ってるだけでもいいかなっていう気持ちも最近はあるけど、どうせなら体を動かしてたほうが逆に疲れないし、“踊ってるほうが楽だよ”って思いながらやってますけどね。
NARGO
すごい体力ですよ、お客さんは。“自分だったら最前列に行けるかな?”って思いますけど(笑)。

今後のリリースもとても楽しみにしています。

谷中
アルバムはずっと出し続けると思うので。その部分は注意を惹かないといけないので、僕らはそのために骨身を削って曲を作っているし、次のアルバムもそうですけど、さらに次のアルバムも継続して楽しんでもらえるように、品質には気を付けます。
NARGO
品質管理が大事ですから。
東京スカパラダイスオーケストラ プロフィール

“トーキョー・スカ”と銘打って超ハイ・テンション&ゴージャスなパフォーマンスを繰り広げ、その裏打ちサウンドで老若男女を興奮のるつぼに誘い込む東京スカパラダイスオーケストラ——愛称“スカパラ”。
85年より活動開始。ゲリラ的な路上パフォーマンスやライヴハウス行脚を行い、90年にアルバム『スカパラ登場』でメジャー・デビューを果たした。以降、『グランプリ』(95年)、『トーキョー・ストラット』(96年)、『ARKESTRA』(99年)といった名盤をコンスタントに発表。豪華絢爛なホーンと地鳴りをたてんばかりのリズムが織り成す最高級グルーヴは、いかがわしいエロスとキマリまくりの男気満載だ。また、強烈な殺傷能力をたたえながら、歌モノからインストまでを自在に手掛ける手腕は、さすが長年のキャリアに裏づけされている。
メンバーの加入/脱退、クリーンヘッド・ギムラ(vo)の死去(95年4月)、青木達之(dr)の不慮の事故による急逝(99年5月)といった不測の事態に見舞われながらも、シーンになくてはならない存在として邁進し続ける。東京スカパラダイスオーケストラ オフィシャルHP(アーティスト)
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OKMusic編集部

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