L→R KEIGO(Vo)、KOHSHI(Vo)、TAKE(Gu)、GOT’S(Ba)、IWASAKI(Dr)

L→R KEIGO(Vo)、KOHSHI(Vo)、TAKE(Gu)、GOT’S(Ba)、IWASAKI(Dr)

【FLOW】この曲で声を持たない人の声
になりたい

FLOWがニューシングル「CALLING」をリリース。疾走感あふれるサウンドに乗せた、孤独を感じている人、それを取り巻く人たちに向けた力強く真っ直ぐなメッセージ。胸に突き刺さる圧倒的なリアリティーを感じろ!
取材:フジジュン

1月発売のシングル「Sign」以来の音源ですが、近況などはいかがです?

TAKE
最近は死ぬほどレコーディングしてます! 作業はすごく順調で、その中でできた曲が「CALLING」なんですけど。曲自体はもともと2年くらい前からあって、アルバム『#5』に入る予定だったんですけど、“アルバム曲で終わらせるのはもったいないんじゃないか?”ということで一旦寝かせて。シングルとして満を持してのリリースみたいな感じで、良いかたちで出せたと思っていて。

アニメ『HEROMAN』のエンディングテーマでもありますが、子供たちにも伝わる力強く真っすぐな曲になりましたね。

KOHSHI
そうですね。アルバムに入れるって話になった時はディレクターともめまして。あの時に“これはシングルがいいんだ!”って言い切ったからには、みんなが納得するものにしなきゃいけないってプレッシャーが自分の中にもあって。シングルとして、自分たちも満足のいく出来に仕上がって良かったです。

歌詞もしっかり伝わるものにしたいという思いからじっくり練ったと?

KOHSHI
はい。あの時だったら書けなかった歌詞になってますね。なんか「Sign」に近い感じもあって、シングルの流れとしても良かったんじゃないかな。

「Sign」もそうでしたが、最近のFLOWはしっかり焦点を絞って、個に向けてメッセージを送れている印象があります。

KOHSHI
そうですね。大衆に向けてというよりは、“こういう人に届けたい”っていうのが明確に見えてる中で書きました。ただ、今回に関してはそういう感じもありながら、捉えかたとしてはそのままではない部分もあったりして。自分がこうしたいって思いや、辛いって気持ちを誰にも言えない…上手く表現できない“声を持たない人の声になりたい”ってところから歌詞を書いて。もちろん、その人たちの声になりたいなっていうのもありつつ、その人たちだけではなくて、その人たちの声を聞いてあげられる立場にいる近くの人、気付いてないところでそういう人を押さえ込んでいる人に聴いてほしいと思って、歌詞を書いたんです。

なるほど。“君に会いに行くよ”という歌詞も、“手を差し伸べてあげる”っていう当人に向けたメッセージだけではなく。

KOHSHI
そういう声を持たない人の周りにいる人にも聴いてほしいなって。“押さえ付けてんじゃねぇよ、声を出させなくしてるのはお前だよ!”って。だから、表と裏のメッセージを持ってるんですよね。手を差し伸べるのは「Sign」でもしているんですけど、それだけでは結局、状況も変わらないんじゃないかと思って…って俺、世直し先生でも何でもないんですけど、最近そんなことまで考えちゃうんですよね(笑)。
KEIGO
あとは、やっぱり孤独を感じている人にも聴いてほしい。ひとりで生きてるわけじゃない、周りに支えられて生きてるんだってことは分かってるんだけど、それでも孤独を感じてしまうことってあるじゃないですか。新しい環境についていけないとか、その時々の状況でハマっちゃう瞬間って誰でもあると思うんです。そんな人にもこのメッセージが届いてほしいなって。確かに、昔は漠然と大衆に歌っていたのが、明確な対象がある中で歌えてるところがあっるというか、伝えたい人に直接歌えている感じはありますね。
TAKE
ライヴだと共有もできるけど、音楽ってひとりで聴いてる状況も多いわけで。寄り添う一曲になればうれしいですよね。
KOHSHI
死ななきゃいい。“生きろ!”って。そういうことです。

極論、そうですよね。そういう意味では、2曲目「FREEDOM」も俺の中ではつながって聴こえました。自由という不自由の中で孤独やがんじがらめの辛さを感じている人ってすごく多いじゃないですか。そこで生きるのも自由、死ぬのも自由になってしまったら怖いですよね。

TAKE
最近、子供に手をかけちゃう親も多いでしょう? ちょっと考えられないですよね。結局、自分のことしか考えられない人がどれだけ多いのかって話だと思うんですけど。
KOHSHI
自由って紙一重で、結局は誰かの不自由の上にあるのが自由だったりして。それを全て受け入れて、認めた上での自由なら良いのかっていうのもこの曲のテーマなんです。最近、自分でも理屈っぽくなってきて嫌だなと思うんですけど、昔はもっと単純明快だったのに、今はいろんな複線がある中で成り立ってる世界が歌詞になっていたりする。ま、今書いているような歌詞や音で新しい良いものができていると思うし、今だから表現できていることも絶対あると思うので、バンド続けてきて良かったなっていうのも思うんですけど…って、なんでこんなに壮大な話になってるんだろう(笑)。

アハハ。でも、そこでどんどんスケールは大きくなりつつ、伝える対象の焦点が絞られてるのはすごいことだと思いますよ。

KOHSHI
『HEROMAN』を観ている子供たちにも何か伝われば良いなっていうのは思いますね。子供の頃に聴いてたアニソンって、大人になってから理解できたりしたじゃないですか。だから、そういうところにもちゃんとしたメッセージを込めて。

「FREEDOM」は、海外ドラマ『バーン・ノーティス』のイメージソングにもなっていますね。

TAKE
ライヴでの現場感、楽曲の在り方っていうのが根本にあって、そこを推し進めたのがこの曲なんですけど、これがテレビで流れるなんて、良い時代になりましたね(笑)。あと、インディーズ時代から俺らを知ってくれてた人は、“こういう曲で盛り上がりたかった!”って待っててくれた人もいるんじゃないかなぁ。
KEIGO;ライヴ映えする曲だと思うし、メッセージもポンと届く曲になったと思うし。ライヴでもメッセージがしっかり伝わるんじゃないかと思っていて、演奏するのが楽しみですね。
「CALLING」2010年05月12日発売Ki/oon Records
    • 初回生産限定盤(DVD付)
    • KSCL1585〜6 1400円
    • 通常盤
    • KSCL 1587 1223円
FLOW プロフィール

フロウ:KOHSHI(Vo)、KEIGO(Vo)、TAKE(Gu)、GOT’S(Ba)、IWASAKI(Dr)の5人組ミクスチャーロックバンド。2003年1月に発表した海援隊の「贈る言葉」のカバーで注目を集め、シングル「ブラスター」でメジャーデビュー。疾走感あふれるエネルギッシュなバンドサウンドと思わず身体が弾み出すようなメロディーを武器に、全国でイベント出演やライヴを繰り広げる。『NARUTO -ナルト-』『交響詩篇エウレカセブン』『コードギアス』をはじめ、多くのアニメにも楽曲を提供し、06年以来、海外での活動にも精力的に取り組み、アジア、北米、南米、ヨーロッパなど、これまでに19カ国59公演を超えるライヴ実績を持ち、ライヴバンドとして国境を越えて音楽を届けている。22年にデビュー20周年突入イヤーを迎え、11月にORANGE RANGEとのコラボ楽曲「デイドリーム ビリーヴァー」を含むシングルをリリースする。23年7月にはアニメ提供楽曲だけで行うワンマンライヴ『FLOW 20th ANNIVERSARY SPECIAL LIVE 2023 ~アニメ縛りフェスティバル~』を幕張メッセ国際展⽰場で開催予定だ。FLOW オフィシャルHP

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