L→R 喜多建介(Gu&Vo)、後藤正文(Vo&Gu)、山田貴洋(Ba&Vo)、伊地知 潔(Dr)

L→R 喜多建介(Gu&Vo)、後藤正文(Vo&Gu)、山田貴洋(Ba&Vo)、伊地知 潔(Dr)

【ASIAN KUNG-FU GENERATION】アジカ
ンはアジカンを越え、最前線の先へ進

約1年7カ月振りとなる6thアルバム『マジックディスク』が完成! 00年代の停滞ムードを(自らのデビュー以降の輝かしい足跡もろとも)刷新していく、最高にポップで攻撃的なロックアルバムだ。その核心を4人全員で語る!
取材:高橋智樹

“新しいムードを鳴らしたい”っていう
意識はずっとあった

2010年代の時代の空気と、2010年代のロックと、2010年代のASIAN KUNG-FU GENERATIONを真っ向から作りに行ったアルバムだと思ったのですが、みなさんにとってもかなり達成感のある作品になったんじゃないですか?

伊地知
達成感はありますね。今回、後藤がデモを作ってくれたので、自分のパートを練る時間が相当できて、曲に対する向き合いかたも前と変わってきました。ゲストミュージシャンが入ったことによって、曲もどんどん成長していくし。かたちを整えて、色を塗って…みたいな感じで、曲の完成度がどんどん上がっていった。アルバム全体としてもすごく完成度の高いものになりましたね。
喜多
これまでのセッションで作っていくっていうことでの達成感は、今までの作品であったので、純粋に…新鮮なメロディーとか新鮮なアレンジの曲が増えたんじゃないかなって思います。今まではセッションで新鮮な感じを求めていってということをやってたんですけど…今回、ゼロから後藤が作ったデモっていうのは、接していてとてもやり甲斐がありましたね。
山田
曲作りの段階での自由度はすごく増したと思うんですよね。その分、今までの自分たちの作品の系譜にない、新しい作品になったと思いますし。聴こえかたとしても、自分たちでも脱皮したように感じる…なんか、あんまりあがいてる感じがしないんですよね。
後藤
僕はもう…やりたいことをかたちにしていった感じなんで。でも、やりかたとしてはすごくいいなと思いますね。セッションは、ほんと煮詰まるとキツいし。今回のやりかただと、あんまり煮詰まりようがないっていうか…煮詰まるとしても、デモの段階で家で煮詰まってるから、メンバーのところまで持ってきて煮詰まることがないっていう。健康的だなぁっていうか。出来上がったものに関しても、すごく手応えありますしね。“ああ、いいなあ”って思うし。

そういう“先にデモありき”っていう作りかただからこそ、“ゴッチがどういう方向にフォーカスして曲を作っていくか”というポイントが大事だったと思うのですが?

後藤
まぁ、“アルバムの完成図は分からん!”みたいな感じのことを今までもずっと言ってたと思うんですけど…全体像とか、最後までよく分かってなかったですね。“一曲一曲良ければいいじゃん!”っていうことしか考えてなかったし。“新しいムードを鳴らしたい”っていう意識はずっとありましたけどね、どの曲を作る時にも。ただ、果たしてそれが的を得てるのかってのが分かんなかったっていうか。曲に没頭する以外に方法が見つからなかったんで…変に気張りすぎないようにはしてましたけどね。“ロックとは…”みたいな。自分のスタジオで好きなものを作る。それしかないじゃん、みたいな気持ちで。自分のやってることに最初にキャッチフレーズを付けちゃうと、どこにも行けなくなっちゃう感じがあるから、“まずはいい曲作るかぁ”みたいな感じでした。

でも、こうしてアルバムになってみると、今の自分のモードを自分でも再認識できたんじゃないですか?

後藤
どうだろうなぁ? まぁでも、アジカンやりながら、自分のやりたいことを対象化して把握してる感じはあったし…アジカンには自分のかなりのチャンネルを割いてるけど、全部じゃないっていう感じがしたっていうか。“ミュージシャン=後藤正文”としてちゃんと曲を作って、それをゴリッと大きく動かす装置としてアジカンがあって、みたいな。昔はもうちょっと“アジカン=俺”みたいな気持ちが…それは他のメンバーの中にもあると思うし、自分の中でも大きかったけど、今はもっとドライな気分でいられてるっていうのはありますね。“ああ、この曲はアジカンで絶対やったほうがいい”とかいう発想って、昔はなかったんですよ。できた曲は全部アジカンのものだったから。そういう意味では、すごく距離感的にも楽になりましたね。いい意味で、ひとりのメンバーだっていうのを強く感じることができたっていう。それはデモを作ってみて、すごくいい発見だったと思いますね。

かなり大きなシフトチェンジだったんですね。

後藤
自分自身がアジカンに埋もれちゃうと、うまく手足が動かないところがあって。そこで逆に“アジカンは4人が集まった時に初めてかたちとしてあるものだ”って思うと全然違うから。アジカンに寄りかかっちゃう部分とかあると思うんだよね。そうじゃなくて、ひとりのソングライター/リリシストとして、どのぐらい良いものを作れるかっていう。それをバンドに持ってきた時に初めて、新しいバンドの力学って生まれると思うから。自分をアップデートしないと、バンドがアップデートしないっていうね。中にいたままアップデートすると、周りにもそれを求めちゃうから。自分と誰かの関係性ごと持ち上げたいと思うから、周りに“練習しろ”とか“もっとこうしろああしろ”みたいなことを言っちゃうと思うんだよね。そうじゃなくて、自分がまず変わる。自分の音楽的な部分とか、詞に対するアティテュードだったり、技術的な部分だったり…それをとにかく上げる。それが最終的に、バンドにプラスに作用するはずだっていうね。そういう考えかたって今までなかったんで。内弁慶みたいなところもあったし(笑)。だから…大人になったのかな、そういうところでは。

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • PunkyFineのそれでいきましょう!~V-MUSICジェネシス日記~
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜

ギャラリー

  • Tsubasa Shimada presents / 「Wet Crate」
  • SUPER★DRAGON / 「楽楽★PAINT」
  • Yun*chi / 「Yun*chiのモヤモヤモヤ」
  • OLDCODEX / 「WHY I PAINT ~なぜボクがえをかくのか~」
  • 魔法少女になり隊 / 「魔法少女になり隊明治のあったりなかったり」
  • みねこ美根 / 「映画の指輪のつくり方」
  • 嘘とカメレオン / 「猫を抱いて蝶と泳ぐ」
  • エドガー・サリヴァン / 「東京文化びと探訪」

新着