【nicco】私自身が生み出したものは
ブレてないし、
収まってる

インディーズでの初リリースから僅か3カ月。早々とメジャーデビュー作『最前線』を送り出すnicco。さらに色彩感を増したniccorockの在り方を訊いた。
取材:石岡未央

さて、コンセプトアルバムではないと思うけど、前作より明るいというかポップ度が増してるよね…1曲ずつ訊いていこうかな?

そうですね、前回は『委員長』がメインっていうこともあって、それらしいのが並んでて。今回はアレンジャーの方達が素晴らしくて、それが良い意味でポップで聴き易くなったのかも。楽曲自体はバラエティに富んでいつつ、歌詞の内容は自分のリアルに近いものが入ってる。いろんな切り口でカラフルな感じだなって思います。

「最前線」がタイトルチューンだし、デビュー曲ってことかな? 前に、この曲が一番自分っぽいって言ってたけど…。

この曲は自分の気持ちがいっぱい入ってて大好きだし、リアル度が高いので、これがリードになるのは良いことだと思う。いつもは現実から妄想を膨らませてストーリーを作っていくんだけど、これは80パーセント以上が現実で、だから一人称も“あたし”になってるし、自分に近い。でも、そのまま歌詞にしてしまったので、ちょっと恥ずかしい気持ちもありつつですね。

そうなんだ。「こいのうた」は音の作りがカントリーっぽい感じもあって、可愛いらしい曲だよね。

そうなんです、可愛くてスゴい気に入ってて好きですね。

実話ということだけど。

その時の彼に“今日何してんの?”って電話したら“サマソニだし”って言われて、“え~知らなかったんだけどぉ~、なんで~”って。でも、まだ付き合いたてだったんで、あまり強くも言えず“じゃあ、待ってるね”って。さびしいんだけど…って作りました(笑)

で、こんな明るい曲ができたんだ(笑)。「ロックンロールボーイ」はワンマンの時“作ってきました!”って言ってたけど、文字通りライヴ向きの曲で、あの時が初お披露目?

そうです。ただ、そのために書き下ろしたものではなくて、ワンマンやリリースにあたって“新しい曲やりたいね”ってことで。

歌い方が堂々としてるというか、キレがいいよね。

自分でも聴いてて、他の曲と違うなって思う。この曲を歌うことが、スゴい楽しくて、何度も家とかで歌ってて、だから単純にこれだけ上手に歌えたっていうか、練習の成果です(笑)。作る時はロックンロールってどんな感じだっけって、音楽的にはよくわかんなくて…自分の思う感じがこの音だった。

ベースがブンブンいってて、グルーブ感あるよね。

そうなんです、それが超カッコ良くて。ライヴで楽しくなるようにってことだけ考えて作ったんで。ただ、主人公の女の子がネガティブだったりするんですけど…

それがいつものniccoちゃんだもんね(笑)。

そう、そうなんです。そこを入れずにはいられないっていうか、明るいだけとかはない!

でも、耳だけで捉えると、そういうふうに聴こえないよね。雰囲気としてネガティブさは伝わってこない。

そう思ってくれると、うれしい。『こいのうた』もだけど、明るい方が聴いてスッと耳に入ってくるし、その歌詞のネガティブさとのギャップが、逆に切ないとか淋しいんだなって、より伝わると思ってて、自分もそういうのが好きでワクワクするので。

で、「委員長」なんだけど…アレンジ違いで歌詞も増えて、質感が違ってメジャー盤って感じがするね。今の全てのキッカケだとは思うけど、出たばかりの曲をなぜ?って感じも…。

今はまだ“nicco=『委員長』”という感じがあるし、歌詞も付け足してて、これが完全版、最終形態なので。この先も押していくというスタンスがあるし、“これは入れるでしょ”って。

なるほど、そういうことか。「22歳」は…24歳じゃない? 今の心境で、向き合ったのかなって感じがしたけど。

本当に22歳の時に書きました。今までになかった切り口というか、人間性は今とそんなに変わらないけど、その頃は、ちゃらんぽらんに遊んでばっかりで、楽しきゃいいじゃんって感じだった。ただ、ちょうどひとりでやり始めてて“真剣に音楽をやりたい“って思った時に、パッと“このままじゃダメなんじゃないか”ってなって。そのモヤモヤからできたもの。向き合うだけは、その時に向き合ったけど、それを行動に移すのにタイムラグがあったりして(笑)。私自身が考えてることを発信していきたいという中にあって、この曲は欠かせない推し曲です。最前線の裏面的な。

うん、そう思う。かなり肝というか核になる曲だよね。説得力、奥行きがあって、niccoっていうアーティストの形が成すというか。ジレンマみたいなもんかな? “私大丈夫かな”って。

そんな感じです。同世代のみんなは就職や結婚したりで“自分は大丈夫なんだろうか”ってスゴい思ってて、でもこれを歌い始めて蓋をあけてみたら、みんな同じようで“案外、大丈夫だったな”って(笑)。ただコンセプトは、すぐにできたけど、細かいところが表現できなくて完成するのに結構苦労しましたね。言葉にせずにはいられない感じでできたので、今の方が、この曲に関して自分の中で動きがある。他の曲とは反応が全然違ってて、ある意味、異質だけどniccoの軸の中には、ちゃんと収まってる。

niccoの軸、niccorockという表現に関して、前は探してるって言ってたけど見えてきたの?

音楽の種類として、ロックでもジャズでもアニソンでも、楽しいと思うことはいろんなのやりたいし、好きなもの全部やって、ごちゃ混ぜでも出来上がったら、それはniccoが好きで生み出すもの="niccorock"だなって。私が生み出したものはブレてないだろうし、収まるだろうなって思ってます。

意志がしっかりしましたねぇ(笑)。最後にキノコイメージなんだけど、いろいろと特性とか効能があったりするけど、何キノコなの?

毒キノコです!(笑) 死んだりはしないけど、ちょっとウッってなる、ちょい毒。ウッとなって、それが和らいでくると“イエィ!”みたいな、ストレス発散スッキリした感じかなぁ。

“良薬口に苦し”みたいなことだね。

そうなると、うれしいですね。
nicco プロフィール

東京都出身、1986年8月29日生まれの女性シンガー・ソングライターnicco。“誰も言わないんだったらあたしが言っちゃうよ”というキャッチ・フレーズで、自身が創り出したジャンル“niccorock”を奏でている。

いくつかのバンド&ソロ活動を経て、09年8月よりniccoとしての活動を開始。09年12月、J-WAVE『RADIO×SPIDER』のオンエア・オーディションに応募した「委員長」がオンエアされ、リスナーからの反響を得る。そして10年6月、J-WAVE『RADIO×SPIDER』×<MySpace>×東京ニュース通信社『MySpace From JP.』によるインディーズ・レーベル<SPIDER RECORDS>より、第1弾アーティストとして1stミニ・アルバム『委員長』をリリース。

8月には『音霊 OTODAMA SEA STUDIO 2010』『AOMORI ROCK FESTIVAL '10〜夏の魔物〜』『SUMMER SONIC 2010』などの数多くの夏フェスやイベントに出演。『SUMMER SONIC 2010』においては、インディーズでは異例の東京・大阪とW出演を果たし、9月には<cutting edge>よりミニ・アルバム『最前線』でメジャー・デビュー。オフィシャルHP
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OKMusic編集部

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