【スネオヘアー】統一感がないところ
がカラー

スネオヘアーが、2010年の締め括りにミニアルバムを発表。いいメロディーを追求し、正直に自分と向き合って作られた個性豊かな4曲!
取材:齊藤 恵

リード曲「赤いコート」は、前作「逆様ブリッジ」同様、TVアニメ『荒川アンダーザブリッジ』のエンディングテーマということで、テレビで聴いた時に曲とアニメの世界観がリンクしている感じがしました。制作で心がけたことはありますか?

いつも通り、いいメロディーを作りたいというのは変わらずに。特にアニメに対して意識的じゃなかったんですけど、むしろそれがいいんじゃないかなと。アニメは登場人物がたくさんいて、コミカルだったりもしますけど、人と人とが交わるところで摩擦が起きて、それが温かいものだったり、憎しみだったりするっていうところは、普段の自分の暮らしと同じだと思うんです。そうしたところに自分はグッとくるんですよね。暮らしの関わりの中で生まれてくる気持ちが、いつも(自分の曲の)テーマになってくるので、『赤いコート』もその辺でアニメとクロスしてくると言えば、そうじゃないかなと。

「赤いコート」はどのような気持ちを書かれたのですか?

最近、なんか悲しみとか…まったく離れるはずはないんですけど、ちょっともうお別れしたいなと思っていて。それは人に対してじゃなく、自分に対して言っているというか。なので、聴いてもらって、同じような気持ちの人がいたら、どこかでリンクしてもらえたり、感じてもらえたりしたらいいなと。

今回、サウンド面で打ち出したかったところは?

自分の中では、エレキギターで混沌としていく感じが好きだったりするんですが、今回のポイントはエレキギターを使っていないというところですね。エレキではなく、アコギとパーカッションでアレンジしたところが、結構斬新かなと(笑)。渋いなと思って、気に入っていますね。

ちなみにタイトルはどういった経緯で?

冬のイメージの曲なので、アレンジを考えた時に、真っ白なイメージが頭に浮かんで…。そこに“赤いコート”っていうのが、なんかヴィヴィッドに映ったなぁと。シンプルだし、これにしようと。それぐらいです(笑)

今作では「赤いコート」に加えて、新曲が3曲収録されますが、どの曲も個性豊かでいろいろ聴けるところがリスナーとしてはうれしいです。

オルタナな感じの『Beep Yeah』はかなり古い曲ですね。インディーズ・デビューする前の、機材を買ったぐらいの頃にDATで録っていたものを発掘して。ドラムセットとかも、当時、部屋で録ってたんですけど、今聴くとそれがすごく新鮮で。『メールして』はエレクトロみたいにあまりピコピコさせたくないけど、4つ打ちっていう感じ。もう1曲の『Walk and Joy』はニューミュージックというか、70年代風の曲ですね。それぞれまったく違う性格の曲の集まりなので、統一感がないところがこの作品のカラーでもあるなと思います。その中で反響が大きかった方向…例えば、“ニューミュージックのやつがいい”って言われたら、今後、それを頑張っていきたいなと(笑)

(笑)。ちょっと気が早いのですが、この一年を振り返ると?

環境が変わったので、個人の感想としては、正直、一年がとっても長くて。でも、その中で新しい出会いがあって、今があるので、ここでまたニュートラルに戻れたことも含めて、本当にありがたいなと思ってますね。改めて続けることの難しさを深く感じたからこそ、続けていられることがありがたくて。それは“いいものをやりたいな”っていう気持ちとも連動してくるというか。感謝、感謝ですかね(笑)
『赤いコート』2010年12月08日発売スターチャイルド/KING RECORDS
    • 初回限定盤(DVD付)
    • KICS-91633 1990円
    • 通常盤
    • KICS-1633 1500円
スネオヘアー プロフィール

新潟県長岡市出身の渡辺健二による一人プロジェクト。2002年メジャーデビュー。自身の音楽活動の傍ら、YUKI、新垣結衣、坂本真綾らへの楽曲提供やサウンドプロデュース、サントラ/CM音楽の制作や映画出演などでも幅広く活躍。その独特の存在感は音楽界のみに留まらず、各界のクリエイターや俳優・タレントからも注目を集めている。役者としても、『犬と歩けば~チロリとタムラ』(2003年/篠崎誠)、『非女子図鑑』(2009/豊島圭介:エピソード「占いタマエ!」)、『つむじ風食堂の夜』(2009年/篠原哲雄)など多数出演。2015年6月、自身の作品を発表する場、新しいプライベート・レーベル「Tundra」を立ち上げ、アルバム『ツンドラ』発売(会場・通信販売限定発売中)。2016年5月には、9枚目のフルアルバム『0(ラブ)』をキングレコードよりリリース。オフィシャルHP
公式サイト(レーベル)

OKMusic編集部

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