【真崎ゆか】聴く人が素直になれる場
所を目指して
渋谷女子Kurucoreランキング1月度1位を獲得した話題の新人、真崎ゆか。“辛いけど大切にしたい思い”を真摯に描いた“ハカナい”ラブソングを届けてくれる。
取材:齊藤 恵
配信リリースされた「LOVE SONG」「Everlasting Love feat.房川ヒロ」に続き、いよいよ初のCD作品となる「Last Kiss feat. KG」が登場しますね。この3曲は“ハカナイ LOVE STORY”3部作ということですが。
誰でも恋愛の中で、辛い、悲しいっていう感情があると思うんですけど、そうした“辛いけど大切にしたい思い”が自分の中での“ハカナさ”なんです。恋愛で幸せだったことって自然と言葉になっていると思うので、口に出せなかった陰の部分や弱さをあえてフォーカスしたくて。3曲それぞれ、自分が恋愛で感じた別れの思いや恋愛の不安を書きました。そんな感情を踏まえつつも、聴く人が前向きになれることを心がけて作りましたね。
今作「Last Kiss feat. KG」でフォーカスしたものは?
この曲では別れの一瞬を切り取っています。その時に自分が感じた思いをそのままに描いているので、情景も思い浮かびやすいんじゃないかなと思いますね。切ない別れの曲ですけど、相手の大切さや気持ちも感じてもらえたらうれしいですね。
そうした別れの瞬間に垣間見える繊細な感情を、KGさんと一緒に表現されたわけですが。
KGさんの声はどこか切なくて、温かみもあるんですよね。一緒にいると心強くて、より自然に曲の世界に入り込めました。
さて、先行の2曲も話題の中、満を持してのCDリリースとなるわけですが、今、改めてデビューまでを経緯を振り返ると?
2009年に受けたオーディションで、楽曲制作の機会をいただいたのがデビューのきっかけなんですね。それまでは音楽の専門学校を卒業してから、4年ぐらいクラブやライヴハウスで歌っていました。初めは“何かが足りない!”“どうしたらいい?”って思っていて、ずっと自分と向き合っていましたね。そのうちに、もっと自分を磨いていろんな人と触れ合いたいと思うようになって、音楽活動をしながら大好きだったファッションブランドの『MURUA』で働き始めたんです。そこでスタッフやお客さんと話をするうちに、今までとはまた違った価値観、恋愛観を感じることができて、視野が広がって。これまでより素直に曲が書けるようになったんです。
具体的にどんな変化があったのでしょうか?
それまでは、自分が理想とするような強くてカッコ良い女性像を打ち出していたんです。今思うと、それは強がりで、本当の自分はもっと弱かったんですよね。けれど、新たな刺激を受けて、改めて本当の強さ、カッコ良さを見つめ直した時に、もっと素直に泣けたり、時には弱音を吐いたり、怒りを出せたり、心から笑えたり…そうした喜怒哀楽が出せる、素直な人がカッコ良いなと思って。だから、自分も強がりを捨てて、弱さもあるけど頑張っていきたいと思えるようになったんです。
お話を聞くと、そうして自分の弱さも素直に歌で出せたことで、真崎さん自身も強くなれた感じですね。
そうですね(笑)。私は自分で伝えていく立場ではありますが、歌うことで自分も支えられているのかもしれませんね。
では、真崎さんにとって“歌”はどんな存在なのでしょうか?
やっぱり人生の支え、癒しですね。中学の頃、辛くても誰にも自分の思いを伝えられなかったことがあって。そんな時にひとりで音楽を聴いたり、歌ったりすることで自分が支えられていたんです。だからこそ、今度は自分の歌で人を支えたいですね。聴いてくれる人が素直になれる場所として感じてもらえるようになりたいです。
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