【JUJU】大切な“あなた”へ向けたア
ルバムです

ドラマ『グッドライフ』の主題歌にもなった「また明日…」や、ドラマ『ギルティ~悪魔と契約した女~』主題歌「この夜を止めてよ」などの大ヒットシングルを含むニューアルバム『YOU』。大切な“あなた”へのかけがえのない思いが込められた作品となっている。
取材:山田邦子

今回のアルバムのイメージはいつぐらいから見え始めてたのですか?

前作(3rdアルバム『JUJU』)のすぐあとぐらいですね。シングルで言うと『Trust In You』から始まるんだなあというのを何となく考えてたんで。

その間にカバーアルバム『Request』もありましたが、カバー曲でアルバムを作るという経験は、歌い手としての気持ちやモチベーションに影響したところはありました?

カバーはライヴではやっていたものの、アルバム作りとしては初めてだったんですよね。歌って何なんだろうなとか、私のヴォーカルでその歌を聴きたいっていうその意図は何なんだろうとか、私の声でできることは何なんだろうっていうようなことをすごく考えさせられたんです。あれがあったからこそ気付けたものっていうのはたくさんあったと思いますね。

そんな中から出来上がってきた今回の楽曲ですが、さまざまな愛のかたちの中で、心の底から相手のことを想う主人公の姿がありますね。

今回は“私”と“あなた”のアルバムにしたいなというのがあったんですよね。前回のアルバムの時は私がたくさん歌詞を書いたりしたんですけど、今回は自分だけで何でもやっちゃうんじゃなくて、作業も“私”と“みなさん”でやりたいっていうのがありました。そこはひとつ、このアルバムの特徴ですね。

なるほど。

やっぱり自分じゃない誰かの発想って、そこで初めて見つけるものが多いじゃないですか。で、“この人はこういうことを、こんなふうに解釈するんだな”って思ったり、その解釈自体を自分が新しく受け取ったり。

今回はどんな発見がありました?

私の中で、詞の響きかたが今までと全然違ってきましたね。今回もキヨサクくん(上江洌清作。MONGOL800のVo&Ba)が参加してくれてるんですけど、彼の『ANTIQUE』って曲があるんですよ。親子の関係性をこんなふうに書けるんだ!って、これは一番ビックリしました。歌ってる最中に泣けてしょうがなくて、私、初めて歌えなくなったんですよ。

そこまで!

この曲、一見すると親子の歌詞には見えないんですけど、自分で歌って初めて気付くんですよ。最初はキヨサクくんがギター1本で弾き語りしてたデモがあって、“あぁ、いい曲だなあ。相変わらずいい曲書くなあ”って思ってたんですけど、実際に歌ってみたら全然響きかたが違ったんです。メロディーもアレンジもすごくシンプルだから、余計に言葉がグサグサくるんですよね。歌ってみて初めて分かるというか。

それってものすごくグッと来ますね…。

実は今回のコンセプトのひとつに、口ずさみたくなるアルバムっていうのがあるんですよ。一曲一曲、人それぞれの色が出てくる曲ばかりなんで、ぜひ歌ってみてほしいんですよね。きっと何か気付くところがあると思うので。

タイトル曲の「YOU」も深い一曲でしたね。

これは、このアルバムを一番表してくれてる曲ですね。どんな人と出会ったことも、全てはあなたに出会うためだったんだろうなあって思える人に出会えた時には、きっとこんな気持ちになるんだろうなあって。そういうふうに思えたらいいなあってことをすごく教えてくれた曲なんです。

これまでたくさん愛の歌を歌ってきたJUJUさんにとっても、ここには特別な思いがあったと。

こういう気持ちをもたらしてくれて…なんか自分のことはさておいて、でもあなたを守りたいとか、私があなたを笑顔にしてあげたいっていうのかなあ。憧れでもあるんですよ、この曲は。そんなに特別なあなたっていう人に私も出会いたいですね(笑)

JUJUさんはこれまでのアルバムで人生について悩んだり、愛について考えたりしながら、前作では女の子の本心に迫りましたよね。そして、今作では大切なあなたというものが歌われているわけで。

何が変わったって、前作までは“私はこういう人です”っていうのを提示することのほうが大きかったけど、今回からは自分のことよりももっと大切な"あなた"っていうのにシフトしてるんですよね。ここ何年か思っていることですけど、私が歌っているものを誰かが聴いた時に、自分が歌ってるような気持ちになってほしいっていうのがどんどん強くなっていってるんですよ。今回は、それが高じすぎて一緒に歌ってほしいってところまで行っちゃったんですけど(笑)

その姿勢、すごくワクワクしますよ。歌というか音楽がどんどん近くなっていくような気がしますし。

そうなんですよね。なんか最近特に思うんですけど、音楽に関しては前よりももっともっとしたいことが増えてるんですよね。っていうか、やりたくないことが減ってるんです。こうじゃなきゃいけないっていうのがなくなってる気がしてて…。そういう感覚もきっとこのアルバムにはたくさん出てるんだろうなあって思いますよ。
JUJU プロフィール

ニューヨーク在住の女性ジャズ・ヴォーカリスト。
12歳の頃よりジャズ・シンガーを志し、京都にて音楽活動を重ねるも18歳で単身渡米。ジャズはもとよりR&B/ヒップホップ/ソウル/ラテン/ハウスといったNYサウンドを自分の資質とする。その活動がストリートで噂となり、01年頃よりフィーチャリング等で多数の作品に参加。窪塚洋介主演映画『凶気の桜』(02年)への楽曲提供もそんな活動の中の1つ。そして04年、1stシングル「光の中へ」で満を持してデビュー。
05年3月には、綾瀬はるか、石原さとみ、小雪等がキャスティングされた映画『Jam Films S』の主題歌に「Come,Fly With Me」が抜擢される。また同年NYでの音楽制作活動に平行して、日本でのライブ活動もスタートする。
06年にリリースした3rdシングル「奇跡を望むなら...」はUSEN総合チャート1位獲得、並びに22週連続チャート・インという異例の超ロング・ヒットを記録。07年にはシングル3曲、さらにユーズリミックス、ビリー・ジョエル、デバージなどの洋楽カヴァー曲を含む1stミニ・アルバム『Open Your Heart 〜素顔のままで〜』をリリースした。

“知る人ぞ知る”的なアーティストとしてコアなリスナーからの支持をうけてきたJUJUだが、08年8月23日にリリースされたSpontaniaとのコラボ曲Spontania feat. JUJU「君のすべてに」が着うた(R)等配信が250万DLを突破し、大ヒットを記録。また、そのアンサーソングとなる「素直になれたら JUJU feat. Spontania」を08年11月26日にリリースし、こちらも着うた(R)等配信は220万DLを記録。“誰もが知る”アーティストとなった。
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