【LONELY↑D】このアルバムを聴いて
いろいろ考えてもらいたい
キャリア初となるアルバムを完成させたLONELY↑D。しかし、同作は過去の集大成的なものではなく、自分たちの“普遍的な日常”をリアルに刻み込んだ作品だった。
取材:石田博嗣
バンドキャリア初のアルバムが完成したわけですが、ライヴで観ているLONELY↑Dを感じました。
セブン
あえてそうしたんですよ。コンセプトが“名曲を残そう”だったんです。僕らの音楽人生はまだまだこれからなので、1stアルバムにありがちな集大成的なものを作るのはいつでもできるから、他のアーティストさんが2ndアルバムや3rdアルバムでやるようなことにチャレンジしたというか。
シバタ
このアルバムのためっていうのはもちろん、どんどん新曲を作っていこうっていうことで、たくさんの曲が生まれたんですね。今までだったら統一された色があった…それがLONELY↑Dの色だったのかもしれないですけど、メジャーデビューしたことで、すごくたくさんの色が生まれたし、それによって今回のアルバムもできたんだなって思いますね。
今回は提供曲もありますしね。
セブン
タイトルの話になってしまうんですけど、虹ってたくさんのグラデーションがあるじゃないですか。作品の中でいろんなテーマのグラデーションを並べたいっていうことで、この“the Rainbow”というタイトルにしたんですね。夢、愛、出会い、別れ、希望、後悔…って。でも、僕が書く楽曲というのは、どっちかと言うと陰が多いんですよ。逆に提供してもらった楽曲は、僕が今まで書いてこなかった部分だったので、アルバムが色付いて、よりグラデーションがはっきりしたと思いますね。
シバタ
やっぱり最初は抵抗がめちゃめちゃあったんですけどね。でも、セブンの歌詞が乗って、アレンジを詰めていく段階になると“こういうのも面白いな”ってなった…抵抗するのは簡単ですけど、それをやったことで発見できたことがいっぱいあったし、自分たちの楽曲として感情移入もできてますね。
夢、愛、出会い、別れ、希望、後悔…がテーマだったということは、それを意識して歌詞も書いていたのですか?
セブン
いや、仮詞の段階でそういうものがあったんですよ。でも、それって普遍的なものだと思うんですね。そういうものに触れることで、みなさんが何かを思い出すような瞬間があればいいなって。僕の人生もそうだし、メンバーの人生も、このアルバムを聴いてくれるみんなの人生もですけど、自分の生活こそがドラマチックだと思うんですよ。自分が主人公なわけですからね。そこに向かって今作は歌ってるので、それを自分のことに置き換えて聴いてもらえれば、いろんなシーンが浮かぶんじゃないかと。ほんとにね、歌詞はギリギリまでやってましたからね。他のことが手につかなくなるぐらい(笑)。
LONELY↑Dらしい楽曲が詰まった一枚ができたと?
シバタ
ある意味での集大成かもしれないけど、昔の曲を並べたようなベスト盤ではないし、これからのLONELY↑Dの可能性を感じてもらえるアルバムになったと思いますね。
セブン
タイトルが物語っているように、収録曲は8曲なんで、8色の虹になりましたね。この虹はみんなの日常を歌っているから、そこを聴いてもらえればなって。僕はミュージシャンですけど、普通の人間なので、この2011年という時代も含めて、いろんなことを感じ取ってもらいたいですね。今って何でもネットで調べて、そこに書かれていることは本当かどうかも分からないのに、自分の知識にしていたりするじゃないですか。でも、ミュージシャンはリアルなことを歌っているんで、このアルバムを聴いていろいろ考えてもらいたい…そういう音楽の在り方になればいいなって思いますね。