【moumoon】作ってる時のワクワク感
とゾクゾク感をそのまま詰め込んだ
moumoonプレゼンツの遊園地“No Night Land(ノーナイランド)”は、誰もが自由に楽しめる空間。心躍る調べに身を委ねさえすれば、最高の笑顔に包まれることだろう。
取材:ジャガー
シングル「うたをうたおう」に込めた想いが核としてあるから、『No Night Land』はここまで自由で楽しいアルバムになったのでしょうか?
YUKA
そうですね。「うたをうたおう」ありきの『No Night Land』だったし、「うたをうたおう」を作りながらもアルバムのイメージが何となくあって。柱がしっかりしてるからいろんな方向に楽しみに行けちゃう…気になったことはとことん追求できたアルバムになったと思います。“今これを届けたい!”っていうものが詰まってますね。
前へ行こうとする姿勢がこれまでのアルバムで一番強くなっているなと感じたのですが。
YUKA
前作アルバム『15 Doors』よりもアグレッシブですね。私たち自身、自分から楽しい感覚を掴みに行くっていう気持ちが制作段階から強く出ていたから、そういうものが音にも表れてるんじゃないかな。
イメージとしてはどういうものが浮かんでいたのですか?
YUKA
まず、新録曲をたくさん入れたいっていうのはありました。だったら、よりコンセプチュアルなアルバムができるんじゃないかなって考えて…でも、シングル「Chu Chu」のリリースがあったり、ツアーが始まったりで、まとめに入ったのは9月の終わりとかなんですけど。“No Night Land”と書いて“ノーナイランド”と読むタイトル、あとジャケット画も明確にこうしたいっていうのが浮かんでました。頭の上に遊園地が乗ってて、その遊園地は私たちがいつでも行けて、聴いてくれる人が昼・夜関係なく浸っていられる場所で、それがmoumoonの遊園地で…っていう私の頭にあったビジョンを描いたものを朝方MASAKIくんに送って。もう朝まで眠れなくて、ずっと描いてたんですよ(笑)。そうしたらMASAKIくんにもいいねって言ってもらえて、そこから溜めていたデモから選んだり、改めて曲を作ってみたり。なので、音でもメロディーでも選ぶ基準が“これは夜の遊園地で電球がピカピカ光っているのに似ているかどうか”とかでした。
確かに遊園地ですよね。老若男女が楽しめる、ちょっとレトロな遊園地と言いますか。
YUKA
最新のハイテクな遊園地じゃないんですよね。ウッドデッキからは海が見渡せてるんだけど、ちょっと古くさい。でも、観覧車やジェットコースターとか定番の乗り物はあるっていう遊園地。
MASAKI
日本よりもアメリカにありそうな雰囲気で、温かい感じの場所なんですよね。
YUKA
だけど、夜になって乗り物が光り出すとすっごくワクワクできる。夜でもショーウィンドウの中の洋服が光ってることが多いじゃないですか。誰もいないけど光らせておく感じがずっと遊んでいられる気がして好きなんですけど、それを見ている感覚に似てます。一曲一曲がアトラクションで、聴いていくと頭の中が“ノーナイランド”という遊園地になるっていう。
MASAKI
曲を作っていてハイになってる脳内をかたちにしたかったんですよ。僕たちの脳内で起こってる…アドレナリンですかね? 良い物質がどんどん出てる状態をCDにして、聴いてもらう人にも同じように味わってもらえるようにしたいなと。
YUKA
作ってる時のワクワク感とゾクゾク感をそのまま詰め込みました。だから、聴いてくれる人には“良い物質出てるでしょ? ね!”って言いたい。“出てます。あぁ、なるほど!”っていうのが広がってほしいです(笑)。
ライヴ時の最高潮にテンションが高いおふたりに近いのかもしれませんね。
YUKA
確かに! 楽曲制作の時ってライヴとは違うんだけど、よりそういうテンションになってるんだと思います。ライヴで“ウワー!”って楽しんでる時の私たちを想像してもらえれば分かりやすいですね。荒削りなところも無骨な部分もあるけど、試すことで発見がいっぱいあるから、そういうことを逐一楽しみながら作ってるっていうのが音に表れてると思うんですよ。それを感じ取ってもらえたら、みなさんのパワーにもなるんじゃないかなって。
MASAKI
弾きたくて堪らないって感じを出したくて、あえて下手くそに弾いてるんですけど逆に大変でした。
YUKA
だんだんライヴとかでやってると下手くそ設定を忘れてガチで弾き始めちゃって、お客さんが“おおー!”ってなっちゃって。まぁ、それはそれでカッコ良いなと納得しちゃう私たちもいるんですけど(笑)。
MASAKI
最近はこなしてる感が出てきちゃったんですよね。この曲の早弾きのポイントは、必死に弾かないとダメなんですよ。レコーディングも1~2回ぐらいしか弾かずに終わってますからね。
YUKA
歌詞はピカピカした要素が欲しくてゲームセンターで書いたんですけど、ずっとコインゲームのジャラジャラしてる音とこの曲を爆音で聴いて。そこで、早弾き部分はゲームっぽくしたいって言ったら、ゲームの音が本当にたくさん入ってて。ちょっとギークな感じなんだけど、おしゃれに見える。“ダサカッコ良い”全体像がナンセンスな感じで良かったよね。
MASAKI
微妙なバランスで。それが伝わるといいんですけど。ちょっと危ないんですけど…
『15 Doors』ではイントロ部分しかなかった「We Go」も、今作ではフル尺でラストを飾っていますね。
YUKA
ツアーではずっとフル尺で回ってきたので、「We Go」はツアーの中で育っていった曲でした。バンドメンバーも曲をすごく大事にしてくれて、レコーディングした時もみんなの演奏がすごく綺麗だったよね。
MASAKI
うねる感じというか、音が混ざっていく感じがライヴごとに良くなっていって。それを最後にスタジオで録れて良かったです。
アーティスト