【Tina】私と“あなた”のドラマが重
なる
アルバムであったら嬉しい

R&Bシンガー、Tinaの待望のニューアルバム『A Song for You』は、リスナーの心にダイレクトに響く楽曲ばかり。彼女にしか出せないソウルミュージックがここにある。
取材:土屋恵介

ニューアルバム『A Song for You』は、どんな作品を目指したのですか?

制作期間も長かったので、その時々の気になる音楽だったり、気持ちの変化もありましたが、ずっと一貫していたのは、ジャンルとしての“ソウルミュージック”ではなく、聴いてくださった人のハートに響く、Tinaなりの“ソウルミュージック”になればと思っていました。

サウンドのバリエーションもさまざまですが、歌詞は全体を通じて、殻を破ってさらに進んでいきたいっていう思いが込められているように感じたのですが。

日常の中で誰にでもそれぞれのドラマがあって、曲に切り取られた私のドラマや想いが、誰かのドラマと重なって、歌を通してつながりたい...という思いがありました。

以前と音楽に向かう気持ちって変わってきましたか?

根本の部分は変わらないのですが、歳を重ねるほど、自分の歌や歌詞、作品に対してもっと自由でありたいという思いは強くなりましたね。

では、アルバムに触れていきたいと思います。「Set me free」はR&Bなミッドチューンで、辛さも隠さずに“ケ・セラ・セラ なるようになれ”と前向きさを力強く歌っているのが印象的でした。

『Set me free』のテーマもそうですけど、”なるようになれ”と思いながらも、もがいて悩んでいる、その現実こそが”生きている証”だって思える今の私がいて。“なるようになれ”っていうのも、自暴自棄じゃなく、物事に向き合ってるからこその言葉で。今まで自分の弱さやカッコ悪い部分を歌詞に書くことって、実は抵抗があったりしたんですけど(笑)。ですが、等身大でありのままの私がこの歌詞の中にいますね。

「Be with you」はメロディーが明るく、ストリングスが優雅なスローチューンですね。

今まで、私の楽曲にはこのような王道のバラードってなかったんですね。切なさもありつつ、曲とともに歌詞も歌も、徐々にパワフルになっていくバラードになりましたね。

「My Way」は歌詞も音も軽やかに進んでいけるような明るさがある曲でした。

この曲はアルバムの本編のラストってイメージが当初からあって。アルバム全体的に、ドシッと重い印象の楽曲が多いので(笑)、唯一明るくピースフルな印象の前向きな楽曲ですね。

最後はレオン・ラッセルのカバー「A Song for You」ですが、アレンジも含めて感情たっぷりに聴かせてくれていますね。

この曲はたくさんのアーティストがカバーしていますが、改めて歌詞を読んでみて、なぜ多くのシンガーがこの曲を歌いたいって気持ちになるのかが分かりました。”いろいろなことがあったけれど、今この歌を君に歌ってる”っていう、シンガーとしての原点でシンプルな想いが歌詞になっていて。このアルバムに込めた、私の想いの原点もここにあるなって思います。

このような濃密なアルバムを作り終えて、手応えも強いんじゃないですか?

そうですね。私というジャンルのソウルミュージックが、一枚通してできたなと思ってます。一曲一曲に込めた、私の人生のドラマのワンシーンと、聴いてくださるみなさんの人生のワンシーンが重なって、つながれるようなアルバムになったら嬉しいです。そして、音楽を通して同じ時間と空間をシェアできる、ライヴにもぜひいらしていただけたら嬉しいです!
Tina プロフィール

父親をサックス・プレイヤーにもつTina——当然幼いころからブラック・ミュージックには触れているわけで、音楽的素養は十分。DJ HASEBEを始めとする数々のアーティストとコラボレーションし、感触をつかんだ後、マキシ・シングル「I'll be there」で堂々とメジャー・デビューを果たした。
その後は、目新しい完全アニメーションのTVスポットで一般にも広くインパクトを与えたシングル「Magic」をはさみ、1stアルバム『Colorado』でオリコン初登場1位を飾る。Tinaがこういう形で世間に認知されるまで、その間わずか半年。日本でもR&Bは正当に評価され、確実にウケる土壌ができたと再確認させられる。
なんといっても彼女の魅力は、そのキュートな顔立ちからは到底想像できぬ、パワフルかつセクシーな歌声と表現力の豊かさ。「Magic」で見せたようにノリノリの曲を力で押し切ったかと思えば、4thシングル「迷路」では圧倒的なスキルで切ないバラードを歌いこなす。
01年、レコード会社移籍を機に"Luv Tina"と改名し、トリプルAサイド・シングル「Naked Heart/Baby Blue/To Feel The FIRE」とアルバム『Luv Tina』を発表。——現在は再び"Tina"名義に戻って活動している。オフィシャルHP
公式サイト(レーベル)

OKMusic編集部

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