【KG】大事なものが自分とともに
ある時を大切にしたい
“より自分の思いを色濃く閉じ込めることができた”と語るニューシングル「もっと愛したかった」。KGの人間性が垣間見れる、エモーショナルなナンバーを堪能せよ!
取材:ジャガー
大切な人との別れを悔やむ「もっと愛したかった」ですが、愛情の伝え方がうまくいかなかっただけで主人公は変わらぬ愛情を今も抱いているだけに、やるせない気持ちになりました。
俺の父が他界した時に、お互い好きでも相手が死んじゃったら成就しようがないなって思って…好きだけど、一緒にいられなくなった悔しさとか。そういう思いがこの曲には散りばめられている気がします。いつもそうなんですけど、恋愛の曲でも恋愛じゃないものに当てはめられるように書きたいので、大事な人だったり、大事なものだったり、大事な時間…そういうものが自分とともにある時に大切にしたいなっていう思いが『もっと愛したかった』にはありますね。特に男性は大切な相手ほど、自分のことを理解してくれてるから言葉で伝えなくてもいいと思っちゃう部分があって。でも、女性としては態度だけじゃ分からないっていう。2番の歌詞にある《キミからのメール 気付けば いつしか後回しで》っていう歌詞がまさに男女の違いなのかなって。彼女と一緒にいることがエネルギーになるから、もっと一緒にいたい。そのために仕事や今やるべきことを頑張るんだけど、頑張るだけじゃ不満を言われるわけですよ。女性には“男はこう思っているんだよ”っていうのを感じ取ってもらい、男性には言わないと伝わらないんだってことをお互いに理解してもらいたいですね。
この歌の中で“どこが悪かったんだろう?”って主人公は考えてるじゃないですか。ということは、それまで彼女は不満をもらしていないから、そういう我慢してるところが女性的な部分を描写しているなと思いました。
…確かに! そこまで意図してなかったです。でも、それでも側にいてくれようとしてたんだから…ということは、俺は今までの恋愛に謝らなきゃいけない(笑)
いや、これは女性的な見解なんだと思います(笑)。だから、この曲は人によって感じ方が変わりそうですよね。
そうですね。スタッフの若い女の子に聴いてもらったら、“すごい分かります!”って言われたんですけど、男目線の曲なのにどういうふうに分かったんだろうって不思議だったんです。でも、今言ってもらったみたいに違う捉え方もあるってことですよね。
歌詞が切ない分、曲は軽快さがありますね。歌声も前に向かって歌っているような力強さがあり。
バラードだと悲しすぎるし、救いようがなくなっちゃうから、テンポはこのぐらいで良かったですね。曲を支えるストリングスもすごくドラマチックで。作曲者のKenichi Kitsuiは昔からの仲間で、もともと素晴らしいギタリストだから、生音を大事にしてくれるんですよ。
大人の恋愛にも受け取れますが、このがむしゃらに相手を思う純粋さっていうのは初恋に近い感じもあって。年齢を重ねた人のほうが熱い気持ちが蘇ってグッとくるんじゃないでしょうか。
人として心が綺麗か汚いかは置いといて、相手に対しての思いはすごくピュアだし、まっすぐでありたいから、こういう表現になりました。俺も17歳ぐらいで死ぬほど好きになった子がいたんですけど、その時の感覚を曲にぶつけてましたね。その時の具体的な描写や場面ではなく、胸を熱くしていた気持ちを思い出しながら…大人になると優先しなければいけないことが増えて、ここまで全力で人を好きになることも減ってしまうから。10代は精神的にも不安定だし、すがれるところがそこしかなかったりするじゃないですか。そういう感覚を思い出してもらえたら嬉しいですね。
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