【熊谷育美】音楽で心を通わせること
ができて本当に幸せ
決意を綴ったシングル「強く」と配信シングル「春の永遠」を収録した2ndアルバム。さまざな人との交流を経て、より逞しく、感情豊かに歌う熊谷育美が感じられる!
取材:ジャガー
前に向かっていこうとする思いがあふれたニューアルバム『光』の注目すべき点は、新曲6曲に関して熊谷さんは作詞作曲されていないという。
1stアルバム『その先の青へ』はデビュー前から書き続けてきた楽曲や、去年までの自分の心情だったりを含んだ作品だったと思うんですね。曲は今でもずっと書き続けているので、今作もそういった作品になるのかなと漠然と考えてはいたんですけど、制作途中で“いろんなアーティストの方たちが作った楽曲を歌ってみるのはどうだろう?”というお話をいただいたので、自分自身新たな挑戦として踏み込んでみました。
1曲目「夜はやさし」から変貌ぶりに驚かされます。こういったリズムの取り方であり、メロディーの組み立てというのは熊谷さんの作風とはまた違いますものね。
そうですね、6曲それぞれに個性があるので…どんなふうにみなさんに聴いてもらえるのか楽しみです(笑)。もともと演歌やR&Bと幅広く音楽を聴いてきたので、いろんなタイプの楽曲を歌うことへの抵抗はありませんでした。“表現者”として、自信作になったのは確かです。
シングルで発表された「春の永遠」「強く」を含め、“前へ進んでいく”といった一貫したメッセージが込められていますが、これは事前に考えていたテーマでもあったのでしょうか?
いえ、特に意識はしていなかったですね。ただ、自然と自分の今の心情と重なる曲を選んでいたのが大きかったのかもしれません。いただいた楽曲はどれも素敵なものばかりで、聴いた瞬間からもう感激しっぱなしで。シンガーとしての力量が試されるので不安もありましたが、歌いたいな、自分のものにして表現したいなと感じた曲と全体のバランスを考えて選曲をしていきました。初めて音楽で世界とつながるという体験ができたというか…国内外問わず、素敵なクリエイターの方たちと出会い、勉強させてもらったから、どんどん新たなことに挑戦してみたくなって。今、考えると私自身すごく強気でした。
その心境の変化には何かきっかけがあったのですか?
今年一年、いろんな方々との出会いですかね? NHKの復興支援ソング『花は咲く』を歌ったり、“加藤登紀子 with みちの空”に参加させてもらったり…ひとりで描いてきた世界観とはまた違う世界に触れたことで、いろんなことにトライしてみたくなったというか。
では、楽曲提供者とはどのようなやりとりをされました?
実は会ったこともないんですけど、そうは思わなかったなぁ。ひとりひとりが思いを注ぎ込んで作ってくれた曲なので、それに対して私も歌で返そうというすごくシンプルな向き合い方ができたように思います。曲対私。会ったことはないけれど、その方たちの思いはしっかり受け止めることができたし、一曲一曲の世界に浸りながら歌うことができました。
思いを聴き手に届けるだけでなく、熊谷さん自身にとっても収穫の多い作品になったようですね。
はい。この『光』から私のことを知ってくれた方は、『その先の青へ』を聴いてびっくりするかもしれないですけど(笑)。でも、全部私なんだなって自分自身、驚きました。だから、これからももっともっといろんなことにチェレンジしていきたいって意欲がすでに沸いています。自分も知らなかった熊谷育美にも出会えた気がするし、本当に素晴らしい楽曲ばかりで…こうやって音楽で心を通わせることができて本当に幸せです。
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