【DJ KAORI】野を広げるためにも“楽
しさ”を知ってもらいたい

トータル売上枚数380万枚を突破するMIX CDより、今回はK-POPアーティストをフィーチャーした『DJ KAORI'S KMIX』とシリーズ五弾目となる『DJ KAORI'S PARTY MIX IV』を発表! 作品についてだけでなく、DJ KAORIが考えるDJ哲学なる部分についても触れた。
取材:金澤隆志

まずはmusic UP’s誌面初登場ということで、KAORIさんの経歴についておうかがいできればと思います。DJとしてニューヨークで活動を始め、その後10年間現地のシーンで活躍してきましたよね。もともと、DJになることを目指して渡米したのですか?

DJを志して行ったわけじゃなくて、単純に音楽が好きだったんです。好きなことを追い求めた結果というか。バイトもレコード屋だったし、オタク気質だったからね(笑)。当時、DJは憧れの職業というわけでもなかったし、日本ではそれだけで食べていける人なんていなかった。でも、ニューヨークに来てみたらビジネスとして成り立っていたからやっていこうと思えた部分はあったかな。

最初から自信があったわけではないと?

正直、自分がDJとしてやっていけるなんて思ってもいなかったし、なかなか最初の一歩が踏み出せずにいました。でも、一度踏み出してみたらチャンスが舞い込んで、評価されて次につながっていくという感じで、気付いたらレギュラーで仕事をさせてもらえるようになっていたんです。もちろん幸運だったということもあります。NYのダウンタウンで黒人以外の人種で、女性のDJというのは私以外いなかったし、ブラックミュージックがメインストリームになっていく中、DJに対する需要が増えたという時代的な背景もあって。

なるほど。最近はクラブ発の洋楽ヒットが多数誕生していますが、そのようなトレンドの背景にはKAORIさんのクラブシーンにおける活躍、そしてMIX CDの存在が大きいように思います。

私がMIX CDを作り始めるようになったきっかけのひとつが、90分間ブッ通しで聴く楽しみ方を日本でも知ってもらいたいということだったんですね。日本のラジオでは1曲かけたら次は喋り、みたいなフォーマットがある感じだけど、アメリカのラジオでは曲がノンストップでかかって、そのグルーブの中でそれぞれの曲が輝きを見せる。そのグルーブを感じずに、曲だけで聴いてても何か寂しいなって。それってもったいないじゃないですか? これは現地の経験で私が得たもの。あっちの人はそういう聴き方に慣れてるから曲がかかるとすぐに体が動くけど、日本だとそれがない。もし、こういう楽しみ方を知ってくれれば現場も盛り上がると思うし。音楽の裾野を広げるためにも、普段洋楽を聴かない人にもぜひ聴いてもらって、その楽しさを知ってもらいたいですね。私はPARTY DJなので、なるべく多くのお客さんが盛り上がってほしいので。やっぱり、みんなが歌って踊って楽しく帰ってくれることが大切というか…大好きなんですよ。自分もそういうパーティーがすっごい好きだったし。音楽を聴く時は頭で考えず、肌の感覚と直感だけを頼りにして、何も意識せずに “これいいね”と好きな音楽を嗅ぎ分けてほしい。DJをしているのも、“自分がこの曲が好きだから、みんなにも聴いて楽しんでもらいたい”って気持ちが強いのかもしれないですね。嬉しいこと、楽しいことをシェアするのってワクワクするじゃないですか。なので、ウケるか否かは大体分かりますよ。たまに外すことはありますけど…(笑)

(笑)。そんなMIX CDの代表格である“PARTY MIX”も五弾目になりましだが、選曲する際にはどういったことを意識しましたか?

毎回思っているのは…単純なことだけど、なるべくたくさんの良い曲を入れたいということ。今回は2012年下半期に話題になった曲たちを中心に構成しました。現場で盛り上がる人気曲ばかりでなく、まだ日本では知られていないUSのクラブヒットを入れ込んだりもして。今回で言えば、ゼッドの『スペクトラム feat. マシュー・コマ』やハヴァナ・ブラウン『ウィー・ラン・ザ・ナイト feat. ピットブル』とか。最近のトレンドとしては、DJやクリエイターのアルバムが人気ですね。例えば、フランス出身のデヴィッド・ゲッタはUKだけでなく、USでも大ブレイク中だし、カルヴィン・ハリスやアフロジャックもそう。昔はそういう裏方の人たちの作品は売れなかったけど、今は下手したらアーティストのアルバムよりも売れているかも! 時代的にはBPMが速いパーティーソングが流行っているし。

11月にはK-POPアーティスト限定の『DJ KAORI’S KMIX』も発表しましたね。

とても内容の濃いものができたと思います。少女時代、KARA、BIG BANGといった日本で人気のアーティストの新旧楽曲から、U-KISSやINFINITEといった新しいアーティストまで網羅しています。みんな歌が上手いし、トラックもダンスミュージックに特化していて聴いていて楽しい! そういった意味では『PARTY MIX』と同じ感覚で作れたかな。

それにしても、これだけのヒット曲の使用許諾をよく得られましたよね。

パーティーと同じで、少しでも下げる時間は作りたくないので、可能な限り自分が選んだ曲を使いたくて。12年前に初めて作った時は本当に限られた中でしか選ぶことができなかったけど、その中で闘ってきて、少しずつ信用を得て、認められるようになったんです。ユニバーサルの曲ばかりではないので許諾を取るのは大変みたいなんですけど、スタッフ曰く“KAORIさんだったら”で貸してくれるケースもあるみたいで…自分の今までの闘いが認められた証でもあるので、本当に嬉しいですよね。

ちなみに、MIX CDでは曲順も重要な要素ですが、どのように決めていくのですか?

一度自分でつなげてみて、ノるかノらないかを体で感じながら選んでいくんです。実際にやってみないと分からないから…作業場でひとりで歌ったり、踊ったりしながらやってるの。その姿だけは誰にも見られたくない(笑)

それでは、2013年への抱負を漢字一文字でお願いします。

“変”。常にベターに変わっていきたいから。常に初心を忘れずにフレッシュな感覚でいたいし、いろいろな局面でチェンジが必要だと思う瞬間もあるので、良いほうにチェンジしていきたいな。
『DJ KAORI'S PARTY MIX IV』
    • 『DJ KAORI'S PARTY MIX IV』
    • UICZ-3132
    • 2012.12.19
    • 2400円
    • 『DJ KAORI'S KMIX』
    • UMCK-1436
    • 2012.11.24
    • 2900円
DJ KAORI プロフィール

14歳でアナログ盤を集め初め、16歳で自己流でDJをはじめたという彼女のDJとしての本格的な活動は、92単身でNYへ渡ってからスタートする。現地のクラブでプレイしているところをFUNKMASTER FLEXに見出され、彼が率いるBig DawgPitbulls唯一の女性DJとして迎え入れられることとなるのだ。その後は瞬く間に彼女の名はNY中に知れ渡り、ニューヨークのNo.1ラジオ局Hot 97にて日本人としては初となるDJプレイを披露、マライア・キャリーやP・ディディといったアーティストや、マイケル・ジョーダン、マジック・ジョンソン、マイク・タイソン等セレブが主催するパーティでもプレイするなど、華々しいキャリアを歩む。そんなバックボーンもあってか、04年の3月にリリースされた2枚組CD『DJ KAORI'S Ride Into The Mix』が当時日本のミックスCD史上最大のセールスを記録。HIPHOP/R&Bの最新楽曲を中心としたアッパーな選曲で若者に絶大な支持を得る。05年『INMIX』、06年『INMIX II』、07年『INMIX III』、08年『INMIX4』といったINMIXシリーズをはじめ、彼女のMIX CDは異例のヒットを飛ばしており、現在も日本のミックスCD市場は彼女の独壇場、といっても過言ではないほど。
また、ミックスCD以外にもDouble、安室奈美恵等のリミックスを手掛けたり、最近では歌手としても活躍。ストイックなイメージのある日本のDJには珍しく(海外でもそうかもしれないが)、DJしながらマイクを持つこともあるようだ。オフィシャルHP
公式サイト(アーティスト)
オフィシャルサイト

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • the Homeground
  • Key Person
  • 気になるワードでディグる! 〇〇なMV

ギャラリー

  • Tsubasa Shimada(PRIZMAX) / 「Wet Crate」
  • SUPER★DRAGON / 「楽楽★PAINT」
  • Yun*chi / 「Yun*chiのモヤモヤモヤ」
  • OLDCODEX / 「WHY I PAINT ~なぜボクがえをかくのか~」
  • 魔法少女になり隊 / 「魔法少女になり隊明治のあったりなかったり」
  • みねこ美根 / 「映画の指輪のつくり方」
  • 嘘とカメレオン / 「猫を抱いて蝶と泳ぐ」
  • エドガー・サリヴァン / 「東京文化びと探訪」

新着