【中島 愛】アイデアがあふれる現場
、 ライヴ感のある 空気感をパッケー
ジ!

デビュー5周年を迎えた中島 愛が、8枚目のシングル「そんなこと裏のまた裏話でしょ?」をリリース。表現者としての中島 愛の多彩な表情が一枚に詰め込まれ、アーティストとしてまた一歩踏み出した作品となった。
取材:榑林史章

今回のシングルは、すごくポップでテンション高めのナンバー、ライヴを想像させるファンキーでノリのいいサウンド、そしてピアノとストリングスをバックに歌い上げるバラードという、テイストの違った3曲が収録されていますね。

全部A面と言ってもいいほどです。1曲目は声優のお仕事もさせていただいている私、2曲目はステージで歌っている私、3曲目はレコーディングスタジオでの私と、曲調だけでなくさまざまな私の表情も感じていただけると思います。どの表情も私の一面なので、こうした私の中の振り幅を楽しんでもらえたら嬉しいです。

表題曲「そんなこと裏のまた裏話でしょ?」は、SpiralSのhiraoさんの作曲、mukaiさんの編曲で、アニメタイアップ曲ということもあって曲調も独特ですね。

いろんな仕掛けがあって、聴くたびにいろんな発見がある。スルメ的な曲になっています! “裏話”としては(笑)、今までのレコーディングは昼すぎに始まり夕方には終わる健全な時間帯だったのですが、今回は夜始まって深夜まで続くレコーディングだったんです。深夜のテンションで、仕事というより遊んでるような感覚でやれたのは大きかったです。だからこそ、こういう遊び感覚のある曲になったと思います。その場でいろんなアイデアがポンポン出てきて、思い付いたものを全部試していった感じ。だから、大変は大変でしたが、煮詰まったり苦悩したりするようなことはありませんでしたね。

声優的ななりきり感はもちろんですが、ひと言ひと言に付けられた細かいニュアンスが絶妙だと思いました。

台詞という感覚の部分もありながら、Dメロは気持ち良く歌い上げるきらびやかなメロディーになるし、1曲の中でいろいろな表情があります。歌い分け、発音、テンション感、距離感の出し方など、部分部分でどう差を付けていくかを考えました。レコーディングの時はパズルをやっているみたいでしたが、実際に出来上がって聴いた時は、美味しいところばかりが詰め込まれているようで、自分でもすごく面白いものになった!と思いました。テンション感も1曲を通してグラデーションを描いているので、テレビで流れる90秒サイズとは印象も違うと思います。

「Mamegu A Go! Go!」はファンキーで、途中ジャズっぽい展開もある、ROUND TABLEの北川勝利さんプロデュースの曲という。

北川さんには今までも曲を書いていただいていますが、昨年は私のライヴにゲストで出演していただいたこともあって。私のライヴで感じたことを、そのまま曲にしてくださったという印象です。ライヴは生ものだから、その瞬間を切り取るのはすごく難しいのですが、私がいつもステージで感じている音や匂いがそのまま真空パックされてる!と感動しました。

でも、こういうリズムはノリが難しいでしょうね。

本当に難しかったです! 北川さんからは“メロディーは崩していいから”と言われて。“フリースタイル? ほぼラップ?”と思って、最初は怖気付きました(笑)。でも、音楽的にも気持ちが盛り上がる展開だし、すごく歌い甲斐がありました。コール&レスポンスができる部分もたくさんあるので、早くライヴでみんなと一緒に盛り上がりたいと、今からウズウズしています!

“ワァ~オ!”とシャウトして始まるのが意外でした。

初めてでした。本当は後奏だけの予定でしたが、遊びで頭に付けてみたら、面白い!ってことになって。表題曲と同様、決められたフレーズを決められたように歌ってハイ終わりではなく、ちゃんとライヴ感があっての制作ができました。自分の意見もちゃんと反映してもらえるので、その部分ではすごく恵まれた現場だと実感しています。

“Mamegu(まめぐ)”と、ご自分の愛称が曲名に入っているのも面白い!

仮タイトルだと思ってたんですけどね(笑)。気恥ずかしいですけど、これをいつまでも歌っていられる自分でいなきゃなって思うんです。

3曲目の「素直」は、ちょっと懐かしい雰囲気のバラードで。冒頭はピアノと歌だけでしっとりとしていますね。

編曲の窪田ミナさんのピアノと顔を見合わせながら“せーの”でレコーディングしました。ピアノのペダルを踏む音やタッチの音、私がブレスをする時の呼吸音まで聴こえてきます。スタジオですが、ライヴのようにその時の生をパッケージすることができました。

自分自身と向き合い、今の自分を前向きにとらえていく歌詞がすごくいいなと思いました。

Castellaさんという同年代の作家さんの作詞作曲で、デモを聴いて、自分から“この曲を歌いたい!”と選びました。今23歳の自分のことを、何でこんなに分かっちゃったんだろう?と思うほど、ある意味で生々しいと思える歌詞です。だからこそ、気負いやてらい、飾ることもなくシンプルに歌いました。今までも素のままの声で表現した歌はありましたが、ここまで何のフィルターも通さずありのままの濾過されていない歌声は初めて。この曲と出会って、全てが剥がされちゃった感じです(笑)。ここは絶対こう歌わなくちゃとか細かいことは考えず、ミナさんのピアノとストリングスに身を委ねました。

中島さんが素直になれる瞬間は?

以前は、自分はこうあるべきとか、これをしちゃいけないとガチガチに固めていたところがあって。しかし、いろんな方やいろんな曲との出会いがあり、そのたびにいろんなベールを剥がされて…今こうして歌ったり声を出している時が、改めて一番素直な自分だと思えます。『素直』は22歳ではきっと歌えなかったし、30歳になって歌ったらまた違ったものになると思う。今しか歌えない歌、素の声を残せることが、本当に嬉しいです。
そんなこと裏のまた裏話でしょ?2013年01月23日発売FlyingDog
    • 初回限定盤(DVD付)
    • VTZL-53 1890円
    • 通常盤
    • VTCL-35144 1365円
中島 愛 プロフィール

ナカジマメグミ:2007年にアニメ『マクロスF(フロンティア)』の歌姫を決定するオーディションにエントリーし、見事ヒロインのランカ・リー役を射止め、翌年にはランカ・リー=中島 愛としてのデビューシングル「星間飛行」を発表し、オリコン週間ランキングで初登場5位にランクインする。そして、09年には初の本人名義となるシングル「天使になりたい」をリリース。14年3月より本人名義の音楽活動を休止していたが、17年2月リリースの「ワタシノセカイ」で復帰を果たす。中島 愛 オフィシャルHP

OKMusic編集部

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