これまでに配信シングル2曲をリリースしたKGがメジャー1stアルバムを完成させた。声の良さはもちろんのこと、5人の女性シンガーと“duet with”という新たなかたちを提示した自信作である。
取材:ジャガー

メジャー1stアルバムはどういうものを作ろうと?

より多くの人に知ってもらえる環境にいるので、いろんな自分を見せたいなと。どれだけ好きなアーティストのアルバムでも全曲同じぐらい好きっていうのは難しいじゃないですか。嫌いな楽曲はないにしても、すごく聴く曲もあればそうでないものもあって。だから、いろんなテイストの楽曲を入れることで、1曲でも気に入ってくれたらいいなって。

それこそ、KGさんだけでテイストの違う楽曲を歌うこともできたと思うのですが、本作ではデュエット曲を積極的に取り入れてますよね。

デュエットというかたちで曲作りしているアーティストは少ないと思うんですよ。最近で言うと、清水翔太くんと加藤ミリヤちゃんのふたりでやってますけど、これだけいろんなシンガーと歌ってる人はそういないじゃないですか。やっぱり、いちアーティストとして刺激を受けますし、他のアーティストと何かを作り上げるって自分ひとりでは考え付かなかったアイデアも飛び出すんですよ。それは僕だけではなく、相手も自分の作品では出すことのできない顔が出せたりだとか。特にデュエットというかたちにこだわるのは、男性パートも女性パートも関係なく、誰が聴いても口ずさめる歌にしたくて。曲をもっと身近に感じてほしかったんです。それと、自分の歌声が昔から濃いので(笑)、女性の歌声と交わることでより聴きやすくなってると思います。

お互いにいい部分を認め合って、高め合うわけですね。

自分自身の幅も広がりますし。歌って行為じゃなくて、自分が生きてることが歌うということだと思ってるんですよ。だから、今回もそうですけど、デュエットする上で必ずパートナーとなるアーティストとはコミュニケーションをしっかり取りますね。どれだけ個々にスキルがあっても、意志の疎通が取れていなければデュエットとして完成しないですから。

切ないけど、ちゃんと人の温もりが注入されていますよね。

もともとネガティブな人間だったんですけど、それってすごくもったいないことで。例えば、切ない恋をしたとしても、人を好きになれたことが素敵なことであって。よく自分のブログにも書くんですけど、人を好きになるって突然やって来るものじゃないですか。配信シングルの『いとしすぎて duet with Tiara』も、実らない恋というシチュエーションはすごく切ないけど、人を好きになれたことは素晴らしいことなんだよって包み込んであげれるような優しい歌にしたかった。そして、その恋をきっかけに成長していくはずだから、成長していく人のエネルギーとなるように。

それは楽曲を作る上でのコンセプトでもあったのですか?

そうですね。切ないけど、ポジティブでいたい。痛いのは嫌なんですよ、もちろん経験しなくちゃいけないんでしょうけど。次に進めないぐらい思い切りクシャってどん底に立たされた時はリニューアルするしかないので、そのエネルギーをあげたかったんですね。どんな時でも俺は“歌上手いでしょ”とか“いい曲歌ってるでしょ”って傲慢な人間には絶対なりたくなくて、何かしらのエネルギーになりたいから歌ってるだけなんです。

「叶わない恋でも…duet with 滴草由実」の歌詞の内容はグッとくるものがあります。

今作で唯一、duet相手と一緒にコンセプトから話をして歌詞を練り上げた曲ですね。duetの相手は、スタッフとの打合せで“どういう人とどういう曲をしようか?”って話し合うんですけど、今作は俺がduet相手と歌詞を自分で考えて進めることになって。で、彼女は一度生で観た時にあまりに雰囲気が良くていつか一緒に歌ってみたいと思っていたのでオファーしました。プライベートでも交流はあったので、電話で3~4時間しゃべってっていうのを3日間ぐらいして歌詞を詰めましたね。

そして、原曲のイメージが強いシンディー・ローパーの「Time after time」とMISIAの「Everything」をカバーされていますが、見事に別物になりましたね。

まったく違うテイストにしないと、名曲なだけに申し訳ないなと。曲作りは大変さよりも楽しかったですよね。『Time after time』で言えば、サビでNOKKOさんが歌ってくれることで原曲のイメージも残しつつ。勝手にNOKKOさんは和製シンディー・ローパーだと思っていたのでイメージ通りでした。一方の『Everything』は、一発録りというライヴ収録的な録音をしたんですよ。ヴォーカル、キーボード、ギターの3人だけで、誰かひとり間違えると完全にイチからやり直しっていう。だからピッチが甘いところもあったりするんだけど、より感情が伝わる感じでやりたかったので。全員終わったらぐったりしましたもんね(笑)

「You can fly」は、KGさんらしい背中を押してくれる応援歌と言いますか。

一番KGっぽさが出てるんじゃないかな。“頑張れ!”っていう応援歌は好きじゃなくて。落ち込んだり、疲れちゃってる人って頑張ってるからつまずいたり、思い悩むわけで。そういう気持ちを“大丈夫だよ”って支えてあげれるような気持ちを歌いたかったんです。背中を叩かれなくてもみんな頑張ってますからね。

噛み締めながら聴いていると、タイトルの“Love for you”はすごく大きな意味が込められているなと感じました。恋愛だけでなく、仲間であったりのいろんな愛が詰まってますよね。

ブラックミュージックが好きで、それ自体が恋人であったり、家族であったり、時間や思い出だったり…さまざまな愛を必ず歌ってるんですよ。言葉にせずとも愛を歌う、そんなブラックミュージックに影響を受けてるから、愛が詰まっていると感じてもらえたのはすごくうれしいですね。恋愛だけが愛じゃないし、何に対してもあるものですから。
KG プロフィール

R&Bシンガー・ソングライター、15歳からアメリカに留学し、カリフォルニアの音楽大学へ進学するも、日本での活動を決意し帰国。2004年にキーボーディストと出会い、KGを結成。2007年、MAY'S、CLIFF EDGE、SHIKATAとユニット“NATURAL8”を結成。北関東圏で話題を呼び1stアルバム『GOLDEN SHUFFLE』が3万枚というセールスを記録する。同年、自身のソロ・プロジェクト“KG”として活動開始。2009年4月、TBS『CDTV』のオープニングテーマに抜擢された「With You ~君といつまでも~feat. MAY'S 」を収録するミニアルバム『With You』をリリース。スモーキーかつ、温かみのある歌声で“本格的なR&Bを歌うシンガー”として話題を呼び、配信で20万ダウンロードを記録。同年11月、配信シングル「君に言えなかった想い duet with May J.」で<ユニバーサルミュージック>よりメジャー進出。2010年10月、1stアルバム『Songs of love』をリリース。自身のルーツとなるソウルフルなナンバーからダンサブルなナンバー、「Song of love duet with 中嶋ユキノ」などデュエット曲を収録した今作で、レコチョク2010年年間新人ランキング3位、日本ゴールドディスク大賞、ザ・ベスト5ニューアーティストを受賞した。2012年、ソロとして新たな道を歩み始め、同年6月にリリースした「もっと愛したかった」が大ヒットを記録。2013年10月、<ワーナーミュージック・ジャパン>に移籍し、配信シングル「今もこれからも」をリリースした。
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