【Noa】今、感じることを素直に曝け
出せた
切なくも悲しいラブソングを届けてくれていたNoa。待望の新作には、今までの雰囲気はそのままに、“ポジティブな空気”と“強さ”をまとわせた楽曲がズラリと並ぶ。心境の変化を訊いた。
取材:吉田可奈
この1年は、徐々にDL数なども増え、環境も変わってきた変化の年だったと思います。心境の変化はありましたか?
少しずつファンのみなさんに対しても飾らない自分を曝け出せるようになってきた気がします。楽曲に関しては、以前は“悲しい”“切ない”で完結するものが多かったのですが、今はその中にポジティブな気持ちや前向きな気持ちをプラスしていきたいと自然に思うようになってきたんです。
素敵ですね。さて、リード曲「幸せの鍵」について教えてください。とても心温まる曲でキュンとしました。
この曲はトラックを聴いた瞬間に“温かい恋愛ソングを書きたいな”と気持ちが動き、スルスルとリリックが降りてきたんです。実は、最初はもう少しバラード寄りだったんですが、プロデュースしてもらってるLGYankeesのHIROさんの考えで、今みたいな軽快でさわやかなものになりました。おかげでリリックにマッチした、温かくて、楽しい幸せな感じがトラックからも伝わってきて、とてもいい仕上がりになったと思います。
歌声も、他の曲に比べてとてもかわいく感じました。
この曲のリリックは私の実体験をもとに綴った曲なので、その時の情景を思い出して、顔でも、心でも、微笑みながら温かい気持ちで歌いました。その気持ちがあふれているのかもしれないですね。世の中にはいろんな種類の幸せがあると思いますが、普段のちょっとしたことが“幸せの鍵”になってるんだと思うんです。なので、この曲を聴いて、些細なことでも幸せを感じることができるようになってもらえたら嬉しいですね。
「初恋の人」も、心の琴線に触れた曲でした。
この曲は私の本当の初恋の人へ贈った曲で。今はどこで何をしているのかも分からない相手に感謝の気持ちを伝えたくて作りました。人生で初恋は一度ですから、そんな貴重な思い出を懐かしむひとつのきっかけになれば嬉しいです。
どんな初恋だったのですか?
実ったようで実らなかった初恋でした。この歌に綴っていることが本当に全てなんです。お互い想い合った時期はあったのに、タイミングが邪魔をして一緒にはなれなかった初恋でした。でも、《君はあの日 臆病な私のそばに ずっと居てくれた たった一人の人》とリリックにもあるように、友達関係がうまくいってなかった私の側で励まし、ずっと側に居てくれた人だったんです。その人からは、勇気、やさしさ、強さ、たくさんのことを学びました。今でも本当に感謝しています。
「See You... feat. LGYankees HIRO」もとても切ない曲ですね。
この曲は、東日本大震災がもとになった『遺体』という本を読んだことが制作のきっかけになりました。恋人同士だけに宛てたものではなく、あの日、親、子供、兄弟、友達、家族…大切な人を亡くした全ての人に贈りたくて作ったんです。なので、リリックにも“最後”ではなく“最期”という文字を使っています。大切な人を亡くしてなお、前を向こうとしている人たちへ贈る歌になりました。
すごく、深く濃い一枚になっているんですね。
はい。例えば、辛かっただけの過去もいい意味で決別し、ちゃんと自分の過去を客観視して受け止められている…と、一枚を作り上げてみて気付きました。そういう意味では、少し大人にもなったし、今が幸せだから作れた一枚だと思います。みなさんが幸せな恋をしたい時、傷付いた時などに少しでもみなさんの力になれば嬉しいです。
アーティスト