【城南海】母性や女性の凛とした強さ
を表現していきたい

韓国人気ドラマ『トンイ』。この物語を彩る楽曲「チョネジア」を、城南海が日本語詞でカバー。しなやかな強さとやしさを持つ彼女の歌声。その響きをじっくり味わえる作品となった。
取材:桂泉晴名

ニューシングル「チョネジア〜天崖至睋〜」は、韓国のドラマ『トンイ』挿入歌の日本語詞カバーですね。

私はイ・ビョンフン監督が手掛けられた作品が好きで。特にドラマの中で流れる音楽が印象的なんです。『トンイ』でも主人公のトンイの心情が大きく揺れる時に流れるのが「チョネジア」で。貧しい身分でも運命を切り開き、名君主の母となったトンイの誠実な人柄と重なるこの曲を“ぜひ、歌わせていただきたい”と思い、オファーさせていただきました。音楽監督のイム・セヒョンさんに私の声を聴いてもらい、許可をいただくことが叶いました。トンイは人を真っ直ぐに愛し続けた人なので、彼女の姿を思い描きながら、私自身も真っ直ぐ想いを伝えようという気持ちで歌いました。

カバーということで、原曲は意識されました?

歌い方など最初は意識しました。でも、作詞家の松井五郎さんが韓国語詞の母音を使って「チョネジア」の日本語詞を書かれたんです。これがとても美しいストーリーになっていて。さらに編曲を担当された馬飼野康二さんも、私の声を生かした新しい「チョネジア」を作ろうと柔軟に対応してくださって。詞の世界を受け止めて真っ直ぐに歌うことで、あえて意識しなくても原曲の雰囲気に寄り添うことができたと思います。私は普段、“グイン”と呼ばれる奄美大島独特の歌唱法を取り入れているのですが、この曲では一切入れず、声だけでどこまで表現できるか挑戦しています。

この曲は韓国の伝統楽器「ヘグム」が使われていますね。

ヘグムは中国の二胡と近い楽器なんですけれど、音がふくよかで、かつ擦れる感じが違いました。哀愁を帯びた人の声のような部分があるので、そこも曲の聴きどころです。

韓国の音楽と、ご自身の音楽との共通点は?

韓国の切なく儚げなメロディーは、奄美大島のシマ唄の響きと似ていると思います。実はイ・ビョンフン監督のインタビューで“韓国とアイルランドの音楽が似ている”とコメントされていて。私は奄美大島とアイルランドの音楽が似ていると思い、大学の卒業論文のテーマにも選んだくらいなので、そこでも深いつながりを感じます。

2曲目「アンマ」は奄美で“母”を意味するそうですね。

曲を聴いて浮かんだイメージでは、母性や温かさを出したいと思いました。以前、尊敬する古謝美佐子さんの「童神」をカバーし、その後もコンサートで何度も共演させていただいているのですが、私も古謝さんのように包み込むような温かさを持ちたいな、と。今は母性、そして女性の凛とした強さを表現できるよう、チャレンジしている最中なんです。

3曲目「小夜啼鳥」は、切ない心情が深く伝わる曲でした。

すごくドラマチックでエレキギターも入っていますが、サビであえてキーを下げて、少し感情を抑えながら歌っているところもある曲です。詞に関しては「アンマ」もそうですが、作詞家の方とお会いして、私が今歌いたいこと、使いたい言葉といったものを直接伝えて書いていただいているので、自分の姿を投影しながら曲作りができていると思います。

可憐な城さんの歌声に、さらに雄大さが加わりましたね。

昨年、自分のルーツを振り返る機会がたくさんあったので、シマ唄に加えて、昔の日本の音楽が持つ良さを取り入れ、城南海というジャンルを作っていきたいと目標ができたんですね。ニューシングルにはこれまでやってきた音楽、これからチャレンジしていこうとしている音楽の両方が入っているので、私のルーツを重ねながら聴いていただけたらうれしいです。
「チョネジア〜天崖至睋〜」
    • 「チョネジア〜天崖至睋〜」
    • PCCA.3938
    • 2013.11.20
    • 1300円
城 南海 プロフィール

キズキミナミ:平成元年、鹿児島県奄美大島生まれ。奄美民謡“シマ唄”をルーツに持ち、2009年1月にシングル「アイツムギ」でデビュー。2014年7月にテレビ東京『THE カラオケ★バトル』へ初出演以来毎回高得点を叩き出し、番組初の10冠を達成。城 南海 オフィシャルHP

OKMusic編集部

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