【Rihwa】ルーツが見える色とりどり
な1stアルバム
ドラマ『僕のいた時間』の主題歌となった最新シングル「春風」が大ヒット中のシンガーソングライターRihwa。メジャーデビューから約1年9カ月でリリースする1stアルバム『BORDERLESS』に込められた想いを語ってもらった。
取材:田中隆信
1stアルバムがついに完成しましたね。Rihwaさんは留学経験もあるし、「GOOD LOVE」でミシェル・ブランチとコラボもしましたし、“BORDERLESS”というタイトルは、まさにピッタリだと思いました。
ありがとうございます! 私は高校生の時にカナダに留学していたんですが、留学中、言葉の壁を感じていた時期に人前で歌う機会があって、歌ってみたらものすごい拍手と歓声をもらって、それがきっかけで周りの人たちから話しかけてもらえるようにもなったんです。音楽は言葉も国籍も性別も、全部の垣根を越えてフラットな状態で“いいものはいい”と感じてもらえるすごいツールなんだなって感動しました。私の生い立ちのこともありますし、音楽に目覚めたのが留学先のカナダだったので、“国境がない”という意味のこのタイトル以外、考えられなかったです。
最新シングルの「春風」のようなバラードはもちろん、ポップス、ロック、カントリーまで、タイトルは“BORDERLESS”だけど、ジャンルレスな一枚でもありますね。
ちゃんとRihwaのルーツが見えるアルバムにしたいと思いました。いろんな曲調が好きだから、いろんなことを表現して色とりどりなアルバムにしたいなって。シングルではバラードが多かったので、アルバムのための曲はライヴを想像してもらえるような元気な曲をメインに作りました。
「CREATURE」は、ライヴで歌っているところが想像できます。
レコーディングの時にライヴ感を出したいなって思って、みんなと掛け合いができるように“HEY! HEY!”って入れたんです。どんなアレンジにしようか迷ったんですけど、グリーン・デイみたいなパンク系にしました。エレキギターを弾いちゃおうかな!ってぐらいロックな曲になりましたね。エレキ持ってないですけど(笑)。
持ってないんですか!?(笑) あと、「LOVE ME DO」もライヴっぽい仕上がりになってますよね。
シェリル・クロウが好きなので、こういうカントリーロックみたいな曲をやってみたくてサックスの音を入れたりして、楽しみながらレコーディングできた曲です。レコーディングの時、シェイカーを振って踊ってましたね。
歌い終わった後の“YES!”にやり切った感が(笑)。
デモの時から“YES!”って言ってて、気に入ってたんです(笑)。本番でもあったほうが面白いねってことで入れました。
13曲目の「bird」はライヴですでに披露してますよね?
はい。2回のツアー、両方で歌ってます。自分がカナダに行った時、親はどんな気持ちで送り出してくれたのかなって考えながら、背中を押してくれたやさしさや寛大さを思って書いた曲なんです。誰かの背中を押してあげられるような曲になったらいいなって。ライヴでもアンコールで歌った曲なので、最後に持ってきました。
デビュー曲の「CHANGE」で始まり、この「bird」で終わるという曲順は、ライヴのセットリストのような感じですね。
そういう感覚で曲順を決めました。3曲のバラードの置きどころを考えつつ、第1章、第2章、第3章という感じで全体の流れを大事にして並べたら、歌詞の内容も含めて、理にかなってる感じになったんです。東京に出てきて、不安を感じながらもいろんなことに挑戦して、成長してパワフルになった最近の自分がいて、最後はちょっと原点に帰るっていう。
これまでのRihwaさんの想いが凝縮されていますね。「カラフル」という曲もありますが、まさに色とりどりで。
ありがとうございます! その「カラフル」って曲はアルバムタイトルにも直結していて、みんなそれぞれいろんな色を持っていて、違っているけど、それは素晴らしいことなんだよってことを歌っています。
デビュー曲の「CHANGE」で勇気付けられた人がたくさんいたと思うのですが、「カラフル」も聴いた人に勇気と自信を与えてくれそうだなって。
そうなるといいなぁ。自分が思ってることをそのまま表現したところは「CHANGE」と同じです。でも、「カラフル」のほうがもっと具体的になっていて、あの頃よりも少し成長した自分っていう感じですね。プロデューサーのひとり、飯塚啓介さんのアイデアで4つ打ちとロックを融合させたサウンドになっているのでRihwaの新しい一面が出せました。
アルバムの楽曲を聴くと、Rihwaさんの音楽へのこだわりがたくさん感じられますが、アートワークにも?
はい! 通常盤のジャケットのイラストは私が描きました。初回盤のジャケットもひとつひとつ顔が違うんですけど、細かく絵に描いて“ここはドーナツ、そこはバナナ”って全部自分で考えたんです。それをデザイナーさんにお渡しして、素材を見つけてもらって作ってもらいました。初回盤は箱になっていて、箱から出すと、なんと私が出てきます!(笑)
そんな仕掛けもあるんですね!
待ちに待ったアルバムですから納得したものにしたいと思って、いろんなところにまで関わらせてもらいました。
そんなこだわりが詰まったアルバムをリリースした後、5月から6月にかけてワンマンツアーが決定していますね。
はい。心を開放して、恥ずかしいとか思わずに、全部脱ぎ捨てて、汗かいて、楽しいワンマンにしたいなって思ってます。みんなで歌える曲もありますから、掛け合いとかにも参加してもらいたいですね。私もカッコ悪いところも含めて、もっともっと自然体の自分を出していきますよ。
アルバムを作ったことで、今後やりたいことも見えてきたんじゃないですか?
今はツアーに神経を集中させてるんですけど、曲作りもどんどんやっていきますし、原点に戻って弾き語りライヴもやって、もっと自立できるように頑張りたいと思ってます。
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『BORDERLESS』2014年04月02日発売TOY’S FACTORY
- 【初回限定盤(DVD付)】
- TFCC-86464 3426円
リファ:北海道・札幌出身のシンガーソングライター。中学卒業後に単身カナダに留学、滞在中に音楽に目覚める。帰国後、北海道内を中心にライヴ活動を開始。2012年7月TOY’S FACTORYよりメジャーデビュー。14年ドラマ主題歌「春風」がiTunes5週連続1位、各年間総合チャートでも上位を獲得しロングヒット。17年7月にはデビュー5周年を迎え、記念アルバム『Rihwa The Singles』、続けて映画『ユリゴコロ』主題歌「ミチシルベ」をリリース。一度聴いたら忘れられない透明感のある伸びやかで明るい歌声と太陽のような笑顔が魅力。Rihwa オフィシャルHP