デビューアルバム『one』から1年。その“何でもアリ”なアーティスト性を示すべく、2ndアルバム『SECOND』は恐るべきバラエティーに満ちた一枚に仕上がった。ヒャダインにANCHANG(SEX MACHINEGUNS)等、豪華作家陣が引き出す濃厚エッセンスにGeroのロック魂を知れ。
取材:清水素子

メタルからパンク、アニソン、ピアノバラードと、ずいぶん振り幅の広いアルバムですね。

聴いていて飽きないアルバムにしたかったんですよ。僕自身System Of A DownとかBLACK EYED PEASのFergieとか、飽きない音楽/歌い方をしている人が大好きだし、ニコニコ動画時代からオールジャンルで歌ってましたからね。楽曲もいろんなジャンルの方にお願いしているので、何かひとつのテーマに絞るのではなく、自分の音楽性・音楽観というものを全部ひっくるめたものにしたい…いわばGeroの宝箱2箱目!という意味で“SECOND”と名付けたんです。まぁ、結果的にはロック色が強めになって、やっぱりGeroは自他ともにロックなイメージなんだなぁっていうのは再確認しましたけど、おかげでイキ切った曲は多いかなと。

しっとりとしたピアノで幕を開けながらトリッキーに急展開する先行シングル「吾輩はオス猫である」なんて、まさに宝箱をひっくり返したような曲ですもんね。おまけに昭和世代には懐かしすぎるネタが満載で、いったいコレは…

コレはメーカーとGeroと曲を作ってくださったヒャダインさんの悪ノリです! 飼い主を男に取られて怒っている猫の物語を軸に、いろんな先人アーティストのオマージュとなるワードを出し合って。さらにネコ科の動物名でMIXを打ってみたり、これだけのネタを全部入れ込むとは、やっぱりヒャダインさんは天才だなぁと。MVでは“なめ猫”まで出てきますからね。ただ、前作でヒャダインさんとは「うどん」っていうトンデモない下ネタ曲を作ってしまったんで、今回はやめようって話をしていたのに…打ち合わせが終わったら、オール下ネタになっていたという(笑)。

いや、すごいインパクトです。代わりに今回「うどん2」なる曲をSEX MACHINEGUNSのANCHANGさんが提供されてますが、ヴォーカルからシャウトまでご本人に生き写しで、本当に驚きました。

中学生の時から毎晩寝る前に聴いては歌いまくっていた、僕にとっては神みたいな人ですから! マシンガンズの名曲「TEKKEN2」に掛けてダメ元でお願いさせていただいたら、構成も似せた上にメチャメチャカッコ良い曲を作ってくださって。王道ジャパメタにショートコントが盛り込まれている完全なるマシンガンズ節で、キーもメチャクチャ高いんですよ。叫びっぱなしだったんでレコーディングでも一番疲れましたし、仕上がりを聴いたANCHANGさんにも“大変だったろ?”って見抜かれましたけど、あの方はギター弾きながらこのキーで歌ってるんですからすごい。

そんな激烈メタルが、ご友人のボカロP・ゆよゆっぺさんの編曲で、また新たな味わいを醸してますね。

そう。BABYMETALさんの曲を編曲してるのがゆっぺくんだって知って、それで頼んだんです。そしたらギターの速弾きをシンセに変えたりと今風なサウンドにしてくれて…でも、最後の泣きのギターソロはANCHANGさんなんですよ! こんなコラボをさせてもらえるなんてほんとに夢みたいで、一緒にマシンガンズを聴いてた兄貴は“羨ましい!”って歯ぎしりしてましたね(笑)。

加えて、アルバム前半に比較的ダークな曲が集まっているのも、攻めた構成だなぁと。普通、幕開けって耳当たりの良いポジティブな曲を置くことが多いじゃないですか。

…そのへんは無意識だったんですけど、言われてみればアメとムチの順番が逆かも(苦笑)。スズムくん作の1曲目「好き勝手言うな」からアッパーな怒りに満ちた曲だし、MARETUさんが書いた2曲目の「やぶさか」も人間関係に疲れておかしくなった男の曲で。“心を抉るような暗い曲にしてくれ”とみきとPさんにお願いした「冷帯魚」もあるし、結局そういう暗い歌詞が昔から好きなんですよ。でも、後半にはかわいいラブソングや切ないバラードもありますから。

DECO*27さんやKEIさんの曲も、さわやかで洗練されたギターロックで、わりと前向きですもんね。

暗い曲を好む反面、やっぱり甘酸っぱくて感受性豊かな青春時代をピンポイントで突くような曲も大好きなんです。Elements gardenの藤間仁さん作曲の「アルティメット・ソウル」とか、Neruくんの「慟哭のエピカ」みたいなザ・アニソン!な曲も、歌ってて燃えたなぁ。「アルティメット・ソウル」は僕が詞も書かせていただいて、いろんな方々の音楽を聴いて自分の音楽観が出来上がったように、僕も先人の意志を継いでいきたい…という想いを込めさせてもらいました。

「吾輩はオス猫である」もそんな意志の表れと言えますよね。7月26日からは全国24カ所25公演に及ぶ全国ツアーも始まりますが、東名阪のZeppを経てファイナルはなんと沖縄。

最後を沖縄にしてアホみたいに遊んで帰ろう!っていう目論見だったんですけど、わりとゆったり日程を組んだら終わるのが11月になっちゃって、沖縄でも泳がれへん!という失態を犯してしまいました(笑)。まぁ、青森に秋田、長崎にANCHANGさんに縁深い愛媛と“はじめまして”の町も多いので、ブチかましていこうかなと。初めて来てくださる方にとっても、いつも来てくださる方にとっても最高に楽しいライヴにしますので、一緒にブチかましていきましょう!

昨年末から毎週金曜は『めざましテレビ』でMCも担当されてますし、みんな全国で待ってますよ。

あのコーナー(『ミドリgaマドグチ』)も観ている方は“なんだ、このお調子者は!?”って思ってるでしょうね。でも、ライヴではもっと調子に乗っていて、1時間半予定のライヴを喋りすぎて3時間やったりしてますから、忘れられない思い出が欲しい方はぜひいらしていただきたいです。何も考えずに“うどん!”なんて叫べるのは、僕のライヴだけですから!
『SECOND』2014年07月02日発売NBCユニバーサル・エンターテイメント
    • 【初回限定盤A(DVD付)】
    • GNCL-1252 2700円
    • 【初回限定盤B(特典CD付)】
    • GNCL-1253 2700円
    • 【通常盤】
    • GNCL-1254 2160円
Gero プロフィール

ゲロ:兵庫県出身。2009年、動画投稿サイトに投稿した歌が話題となり、11年にインディーズでアルバム『Gourmet』、12年にはミニアルバム『Cross』をリリース。精力的なライヴ活動を重ねつつ、アニメやゲームソフトの主題歌を歌うなど多方面で精力的に活動し、13年7月にTVアニメ『BROTHERS CONFLICT』のオープニングテーマ「BELOVED×SURVIVAL」でメジャーデビューを果たす。Gero オフィシャルHP
Gero オフィシャルブログ

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