【T.M.Revolution】『T.M.R. LIVE R
EVOLUTION’17 -20th Anniversary F
INAL-』2017年5月13日 at さいたまス
ーパーアリーナ
衝撃は突然訪れた。「Preserved Roses」の短いイントロが響き、会場がどっと沸いた瞬間、花道の先に現れたのは、マタドール風衣装の西川貴教と、フラメンコ風衣装の水樹奈々。何が何だか分からないといった様子のファンに、“さあ、おっぱじめるぜ!”と叫ぶ西川。会場が割れんばかりの大歓声に包まれると、ふたりは間髪入れず「革命デュアリズム」を熱唱し、2013年のNHK『紅白歌合戦』の再来といったガチンコ歌声バトルで魅せた。
この日は、あの手この手で楽しませてくれた。水樹奈々登場の衝撃の後は、ストリングスセクションを迎えて、「陽炎 -KAGEROH-」など、T.M.R-eのナンバーを歌い上げる。先ほどまでの熱狂から一転、静まりかえった会場には、スケールの大きな歌声と荘厳なサウンドが広がった。その中で切なく力強い歌声が、観客の胸を締め付けるように響いた。中盤ではダンサー陣を従えて、「WHITE BREATH」など初期ヒットナンバーをダンスとともに聴かせた。軽快なリズムに乗った西川のダンスは、ダンサーとの息もぴったり。楽曲のダンスビートともあいまって、客席は一気にダンスフロアーといった雰囲気に。キメの振り付けでは観客は嬉しそうに一緒に踊り、見渡す限り笑顔の絶えない会場になった。
後半は、柴崎 浩(Gu)、菰口雄矢(Gu)、IKUO(Ba)、大島こうすけ(Key)、山崎 慶(Dr)といったバンドメンバーによる、圧倒的なテクニックを駆使したバンドサウンドが炸裂した。各メンバーがソロを披露するたびに歓声が沸き、一気にいつものライヴステージへと突入。「とっておきのおはなし〜新設恋愛進化論」「Albireo -アルビレオ-」を歌いながら、西川はクレーンに乗ったり、ステージや花道を走り回ったりしながら、お客さんに向けて歌声を飛ばした。
“いろいろ詰め込んだから、大変なことになっていますけど、これはひとえに、みなさんと僕のせいです。つまり共犯者です。それなら、死なばもろとも。行けるところまでとことん行こう! そのマインドが、T.M.Revolutionってもんでしょ!”
最後は「UTAGE」から始まり、ライヴでお馴染みのヒットソングを連発。ステージには炎が吹き出し、ビジョンがさまざまにかたちを変えながら映像を映し出すなど、多彩な演出を交えて魅せて聴かせた。お客さんはT.M.Revolutionの世界に浸りながら、一緒に声をあげて歌い、身体を揺らした。
“20年、悔しいことや辛いことばかりだったけど、でもたまに今日みたいな最高の日があるからやめられないんです。狭いアパートでろくに食えなかった時代に思い描いていたものとは違うかもしれないけど、それ以上の瞬間を迎えることができました”と、MCで20年を振り返った西川。昔からライヴのMCでは、“ここにいるひとりひとりがT.M.Revolutionだ”と言っていた。そんな20年という月日をともに歩んで来た仲間と共に迎えることができたこの節目の日。ラストに歌った「LIGHT MY FIRE」で、新たな夢に火を灯し、さらなる未来に向けたT.M.Revolutionの新たな日々が、この瞬間から始まった。