【西野カナ】究極の恋するアルバム、
届けます。

恋に落ちた瞬間。片想いのワクワクする時期。大好きなのにしてしまうケンカ、好きだからこそ選ぶ別れ…。そんな恋愛のシチュエーションそれぞれにピッタリの“恋する処方箋”がたっぷりつまった一枚が完成しました。
取材:吉田可奈

ニューアルバムのタイトルは“with LOVE”なんですね。

はい。このアルバムは、どの曲も日常から切り取った曲ばかり。これまでのアルバムよりも、より“そばにいる”“近いところで応援しているよ”というメッセージを込め、“with LOVE”というタイトルにしました。

確かに、より“1対1”の世界観を強く感じました。

前作『Love Place』では“帰って来る場所”になるようなアルバムにしたんですが、今回は聴いてくれる人たちにそのまま付いて行っちゃう感じ(笑)。どんな時でも聴けば元気になれるような、そんな一枚にしたかったんです。

ありふれた、でも大切な幸せを描いた「Darling」や「恋する気持ち」はとても幸せな気持になりました。

ありがとうございます。先行シングルの「好き」は、今まで恋愛モードで見ていなかった異性をいきなり意識してしまう瞬間を歌っているんですが、「恋する気持ち」は、恋をしたことを自覚して、これからどうなっていくんだろうとワクワクしている心境を歌っているんです。

「恋する気持ち」の《まさか私の顔に“好き” なんて書いてないかな?》とひとりでつぶやく歌詞がこれまでにないくらい可愛いくて!

これは完全に独り言ですよね(笑)。私自身、友達同士の会話や独り言で普段からこの言葉をよく口にするんです。妄想したことを、そのまま歌詞にしている感じなんですよ(笑)。

とはいえ、すごく自然な歌詞の中に深み感じるのは、25歳になったカナちゃんが歌っているからだと思うんです。

それは分かる気がします。18歳の時より25歳の今のほうが素直に誰かを好きになることがとても貴重で、ものすごい出来事のように感じるんです。とはいえ、恋に落ちた瞬間って、年齢関係なくピュアな気持ちになることを改めて感じたんですよね。歌っているだけでもワクワクするし、ライヴで盛り上がりたい曲になりました。

そして、等身大の女性を歌った「We Don't Stop」があって、その勢いを継ぐ「Love Is All We Need」はカナちゃんが好きなR&Bのラインですよね。

この曲は失くしたピアスが見つかったとか、靴はこれがいいとか、本当にちいさなどうでもいいことばかりが歌詞になっているんです(笑)。

あはは。でも、女の子ってそういったどうでもいいことが一番大事だったりしますよね。

そう! このピアスじゃなかったら絶対にイヤなときもあるし、あの靴じゃないとコーディネートが決まらないから、絶対に履きたいと思う時があるし。それがちゃんとフィットしただけで一日がとても素敵になるんですよね。そんな小さな日常の中にも“LOVE”はあるというメッセージをエッセンスとして入れ込んだ曲でもあるんです。

《大事なものはちゃんとあるでしょ 理由は探さなくても》というフレーズに、何度もうなずきました。

そうなんですよね。好きなものに理由は必要ないと思います。ただ、“好き”と思うことが大事なんですよね。

そして、先行シングルとなった「好き」があって、ゆったりとした雰囲気になった瞬間に流れる「ごめんね」は、今までにないテーマの曲で驚きました。

この曲は「Darling」を作曲してくれたぐっさん(山口隆志)の曲なんです。ぐっさんの曲は面白くて、ペラペラしゃべるように歌詞をかけるんですよ。なので、息をするように歌うことができました。最初にメロディーを口ずさんでいる時に浮かんだのが、この“仲直り”のテーマで。思い付いた瞬間、そう言えば書いてなかったなと思って書き出したら、面白いほどスルスルと歌詞がでてきたんです。

ケンカをした後の女子の頭の中にあるモヤモヤがはっきり描かれていてすごく愛らしい曲だなと思いました。

ケンカの後って、すごくいろいろ考えるんだけど、その数分、数十分って、相手にはその気持ちがなんにも通じてないんですよね(苦笑)。そういうことをわざわざ言いたかったんです(笑)。きっと、同じ思いをしている女の子はたくさんいるんじゃないかなと思うので、カップルで聴いてホッコリしてもらえたら嬉しいです。

カナちゃんはケンカをしたら言いすぎちゃうことも?

たくさんあります(笑)。勢い付いて言ったのはいいけど、結局言いすぎたなって反省してすぐに謝っちゃう…。でも、乙女心として彼氏には付き合い立ての気持ちでいてほしいからこそ、“昔ならこんなこと言わなかったのに”と思っちゃったりするんですよね。でも、それは基本的に相手を大好きだからこそ思ってしまうこと。素直な気持ちを可愛く伝えられればケンカにならないのに…難しいですよね。

そんな可愛らしい仲直りの曲の後は、本気でケンカを挑む「Tough Girl」。この曲順って、本当に面白い!

強いですよね、この主人公! これはね、バッチバチのケンカです(笑)。久しぶりのデート中にスマホでゲームしたり、SNSをチェックしてたり、“もういい加減にしてよ!(怒)”って怒る女の子ってたくさんいると思うんですよ。

あ~、手に取るように分かります(笑)。

でしょ!? その気持ちをそのまま曲にしました。サウンドもすごく楽しくて、手拍子で盛り上げるクラップファイトに挑戦しています。ライヴでは男子と女子に分れてクラップファイト対決をしたいと思っています。

このアルバムには、好きになる気持ちから、恋する始まりのワクワク、大人の別れを描いていたり、仲直りの曲だったりと、ひとりの女の子のつぶやきがたっぷり詰まったすごくパーソナルな一枚ですよね。

そうかも! 究極の恋するアルバムになりました。キラキラしていて、これからの未来にワクワクするようなアルバムになったと思います。

大人の失恋を歌った「さよなら」と、ものすごくピュアな「好き」が同居しているのも面白いですよね。

今の25歳の私にはどちらもすごくリアルな気持ちで、今だからこそ歌える曲がたくさん詰まっているんです。よりみなさんの背中を押せる曲がたくさんできたと思うので、どの曲も恋する人の応援歌になるといいなと思います。

エピローグを抜いた本編最後の曲となる「Stand Up」に関しては、本当に勇気をもらえました。

ありがとうございます。今年のテーマは“HAPPY”なんですね。その気持ちで作ったからこそ、聴くだけで元気になれるような直球な曲を作りたかったんです。特にクワイアのみなさんと一緒に歌ったサビは力強く、私自身も勇気が沸いてきます。

それにしても、ここまでずっとラブソングを何十曲も歌ってきて、煮詰まることはないんですか?

もちろんあります。でも、恋愛をしている瞬間って全てがドラマだから、たった10秒の気持ちの揺れた瞬間を1曲にすることができるんです。とはいえ、同じテーマだとダメだと思うので、毎回違う切り口を探すのは大変。なので、見つかった時は本当に“やったー!”って思います(笑)。

結果としてその曲たちが多くの人たちを勇気付けられるならすごく素敵なことですよね。

本当にそうですね。このアルバムを聴いて、恋する人たちの毎日がよりHAPPYになってくれたら嬉しいです。
『with LOVE』2014年11月12日発売SME Records
    • 【初回生産限定盤(DVD付)】
    • SECL-1609 ~10 3600円
    • 【通常盤】
    • SECL-1611 3100円
西野カナ プロフィール

ニシノカナ:1989年3月18日生まれ、三重県出身。2度の渡米経験を経て洋楽に目覚め、クリスティーナ・アギレラ、ジェニファー・ロペス、シアラなどの女性シンガーをはじめ、ヒップ・ホップ、R&B、レゲエなどさまざまなジャンルの音楽にのめり込んでいく。また、日本文化に根付いたミュージック・カルチャーにも興味を持ち、日本民謡も習い始める。2005年、<Sony Music>主催のオーディションに参加。2006年に<SME Records>よりメジャー・デビューが決定。07年、デビューへの準備を進めると同時に、英文学を学ぶため大学に進学。渡米経験、日本民謡経験の2つの感性を合わせ持つ彼女は、オーストラリア人作家ユニットNERVOとメジャー・デビュー・シングル「 I(アイ)」を制作し、2008年2月に世界初のデビュー・シングル日米先行配信を敢行。本作は、ビルボード・ジャパン・トップ100にて新人アーティストとしては異例の総合チャート10位を獲得。2008年9月には、シンディ・ローパーから指名を受け、12年ぶりとなるジャパン・ツアーのオープニング・アクトを務めた。09年3月には、ラッパー・WISEを迎えた5thシングル「遠くても feat.WISE」をリリース。同年6月、デビューから通算6枚のシングルを含む1stアルバム『LOVE one.』をリリース。天性の歌声でリアルな恋愛を唄い、ケータイ世代と言われる若年層を中心に絶大な人気を集め、2010年6月にリリースした2ndアルバム『to LOVE』は、オリコン、ビルボードの両アルバムチャートで初登場1位、オリコン年間アルバムランキング3位を獲得し、95万枚の大ヒットを記録。2013年9月、デビュー5周年を記念したリリースされた、初のベスト・アルバム『Love Collection ~pink~/~mint~』の2枚は、85万枚を超えるロングセールスを記録。 同年末には『NHK紅白歌合戦』に4年連続の出場を果たし、2014年3月より、西野カナ史上2回目となる全国アリーナ・ツアー『Love Collection Tour ~pink & mint~』を開催した。西野カナ オフィシャルHP(アーティスト)
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