L→R Bunta(Dr&Cho)、Jose(Vo&Gu)、Shun(Vo&Ba)、Kuboty(Gu&Cho)

L→R Bunta(Dr&Cho)、Jose(Vo&Gu)、Shun(Vo&Ba)、Kuboty(Gu&Cho)

結成15周年を迎えた今年、レコード会社移籍を経て放つニューアルバム『COME TOGETHER, SING WITH US』。深いメッセージ、柔軟なアイデア、フレッシュなサウンドが満載の一枚だ。
取材:田中 大

RX-RECORDSへの移籍第一弾ですね。

Shun
はい。移籍しましたけど、一番良かったのは今まで関わってきた人と引き続き制作できたという環境ですね。俺らが何で移籍をして、どういう心境で、何をやりたいのか…それをいろんな人たちが早い段階で理解してくれました。
Bunta
移籍して本質に立ち返れたところもあります。“自分たちの本当にやりたい本質をどう作っていくのか?”っていうのをみんなで考えながら進んでいきました。
Shun
バンドを始めた当時の感覚が沸いてきたよね?
Bunta
うん。でも、原点に立ち返ったとはいえ、メジャーでの経験を通った上でのことなので、本質を保ちつついろんなことも考えながら、好きなことをやっている感じですね。
Jose
“作った曲をもっと面白くするにはどうしたらいいのか?”とかをメンバーとセッションしながら考えたり、アイデアを交わしながら作れたのも良かったです。最近、バンドやるのがめちゃくちゃ面白くなっています。

今回のアルバム、すごく良いですよ。まず、込められたメッセージが真っ直ぐに届いてくるのが堪らないです。

Shun
俺らは2011年に「Place To Try」ってシングルを出した辺りから、“何を思われようが、自分たちがやっていることを伝える努力をしよう”っていう方向にシフトしたんですよね。そういう精神性が絶妙にかたちとなったアルバムでもあると思います。
Bunta
楽曲やサウンドって、メッセージを伝えるための武器みたいなものなんですよね。大事なのはやっぱり何を伝えるか。それって料理にとって、盛り付けとかよりも具材が一番大切みたいな感じなのかもしれない。
Kuboty
俺たちは農家になったってことかな?(笑)

メッセージ=具材、サウンド=調理法ってこと?

Jose
ほんとそういうことかも(笑)。食べた人が健康になる料理って、調理とかはもちろん、作物を作る過程とか土壌とかも含めてどこまで健全さがあるかで決まるじゃないですか。音楽もそうなんだと思う。曲を生み出す土壌って、音楽の現場だけじゃなくて普段の生活にもかかっていますから。

曲に生き様が刻まれている感触がする理由もそこかも。例えば、「Walls」は壁を殴るような生々しさがありますから。

Shun
今回のCDの帯に“TOTALFAT流レヴェルミュージック”って書いたんですよ。レヴェルミュージックってレゲエ的な言葉だから誤解を生む可能性もあるけど、今回は“闘争していくためのアルバム”っていうものになったから、これでいいのかなと思ったんですよね。「Walls」もそういう曲です。

コラボをした「The Saviour feat. Zeebra」や「We Sing Everyday For Hometown feat. JESSE」も強力ですね。

Shun
Buntaが最近OZROSAURUSでドラムを叩くようになったのがZeebraさんとの縁ですけど、トラックを聴いてもらって“いいね!”ってなって一緒に作っていけたのが嬉しいです。JESSEさんに関しては去年一緒にツアーを回った時に既存の曲でフリースタイルで入ってもらったんですけど、終わったあとに“お前らこういう新しい曲書けよ! 書いたら歌いに行くよ”って言われて、“言いましたね?”と(笑)。
Kuboty
まさにその何気ない言葉によって、この曲が生まれたようなものだよね(笑)。

(笑)。祭囃子的な要素が加わった「夏のトカゲ」や、同期サウンドが効果的に盛り込まれた「This Life」とか、柔軟な発想によるサウンドも聴きどころだと思います。

Shun
俺はずっと音楽を誤解していたようにも感じていて。“こうあるべき!”っていうフォーマットが存在すると思ってやってきたけど、そういう気持ちだと真の意味でのクリエイティヴィティーって発生しないんですよね。それよりも、たまたまそこにあるものが新しいものを生んだり、たまたま思い浮かんだことが普遍性につながるんだと思うようになりました。
Bunta
俺らのありのままはパンクロック、メロコアバンドなんです。どんな音楽をやったとしてもメロコア、パンクって言える。それで良いのかなと思うようにもなっています。「夏のトカゲ」は1年くらい前に出した曲ですけど、これなんてまさに“ライヴでみんなで全力でやれば、どんな曲もパンクになる!”って証明できた曲ですよ。

ライヴと言えばKubotyさんが書いた「Star Drive」や「BxAxSxMxT」が楽しみです。胸に染みるメロですから。

Kuboty
アルバムで日本語の曲がこれだけ入るのは、今回が初めてなんですよ。メッセージの芯として伝えたいのはShunの曲、爆発的にライヴで盛り上がるのはJoseの曲…っていうバンドの主軸がある中で、自分の役割を考えたんです。やっぱり、やりたかったのは00年ちょいすぎくらいのLAのメロディックパンクのビートに日本語を乗せたもの。それを頑張った結果です。

あと、歌詞はもちろん、サウンドも音楽シーンへの興味深い問題提起になっている「Trend Beat Maker」が粋ですね。これはリスナー各々による独自の解釈を奨励したいですが。

Shun
これもある意味、レヴェルミュージックです(笑)。
Jose
アレンジをしていく中で、どんどん良くなっていった曲でもあるんです。いろんな部分を楽しんでいただけたらなと。

さて。今作のリリース後もライヴが盛りだくさんですね。

Shun
“ライヴが答え”みたいな感じでやっていますから。
Bunta
フェスも出ますし。フェス時代ってことに関していろんな意見があるけど、俺らはフェスって実力がないバンドがどんどん淘汰されていく場だと思っています。
Kuboty
ほんとそうだよね。
Shun
フェスって実力主義だからね。
Jose
現場のお客さんってすごく正直ですから。その緊張感が現場の面白いところなんです。
『COME TOGETHER, SING WITH US』
    • 『COME TOGETHER, SING WITH US』
    • RX-107
    • 2015.07.01
    • 2700円
TOTALFAT プロフィール

トータルファット:2000年結成。04年にKubotyが正式メンバーとして加入し、現在のメンバー構成となる。精力的なライヴ活動の他、グッド・シャーロットやオフスプリングの来日公演オープニングアクトなどでも話題となり、10年にメジャーからアルバム『OVER DRIVE』をリリース。今年、RX-RECORDSへ移籍。海外のメロディックハードコアを背景にした音楽性が、幅広い層の支持を集めている。TOTALFAT Official Website

OKMusic編集部

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