L→R 勝也(Ba)、taama(Vo)、Daisuke(Dr)、くぼっち(Gu)

L→R 勝也(Ba)、taama(Vo)、Daisuke(Dr)、くぼっち(Gu)

【ROACH】難産の末、セルフタイトル
に導かれてバンドが辿り着いた新たな
境地

沖縄出身のラウドロックバンド、ROACHが待望のフルアルバム『ROACH』を完成させた。結成から12年。さまざまな壁にぶつかりながら前進し続けてきた彼らが、初めてタイトルにバンド名を冠した超自信作だ。
取材:山口智男

ハードコアやメタルの影響を感じさせながら、ROACHの音楽にはいわゆるラウドロックをそれほど熱心に聴かないリスナーにもアピールできる魅力がありますね。

くぼっち
沖縄のライヴハウスってジャンルに関係なくごちゃまぜなんです。
taama
どんなバンドが出てきてもお客さんのノリはメロコア。喜納昌吉さんが三線を弾いてもみんなダイブしてましたから(笑)。誰がどんな音楽やってもこんなノリになるんだって認識のもと、音楽をやってたんで。
くぼっち
だから、自然とこういう音楽をやるようになっていきましたね。

琉球音階なのか沖縄民謡の影響なのか、沖縄っぽいと言われる旋律や節回しもROACHの魅力のひとつですよね?

taama
日本語の歌詞が聴こえやすいようにメロディーを作ってるだけで、特に沖縄らしさを意識してるわけではないんです。でも、魅力のひとつとして言ってもらえることが多い。たぶん、訛りなんですよ。最近、それに気付きました。音階というよりも喋るイントネーションが大きいんじゃないかって思います。
くぼっち
沖縄にいる時は言われたことがなかったんですけどね。本州に出てきたら、いきなり沖縄っぽいと言われて、最初、何が沖縄っぽいのか全員ハテナでした(笑)。

結成から12年。今回、満を持してのフルアルバムであることに加え、初めてのセルフタイトルということで、並々ならぬ気合がうかがえます。

taama
今年3月に「リーリヤ-never again-」ってシングルをリリースした後にフルアルバムを作るって決まってたんですけど、“次はROACHの『ROACH』だな”って思ったんですよ。なぜそう思ったかは分からないんですけど、セルフタイトルでいこうってことだけは言ってたんで、今作に込めた気合は逆にタイトルに引っ張られていった気がします。

具体的には、どんな作品を作ろうと考えたのですか?

くぼっち
実は、最初に考えていた音像やビジョンと出来上がったものは全然違うんです。もともと「リーリヤ-never again-」の流れで、アルバムもシーケンスをいっぱい入れたいって考えてたんですけど、なかなか曲ができず、本当に行き詰まってしまって。それで決まっていたレコーディングの予定をバラしてツアーに出たんですけど、そこで改めて生身のバンドサウンドのカッコ良さを感じて、曲作りをまた始めた時、メンバーそれぞれの持ち味をフルに活かして曲を作りたいって思ったんです。“これどう思う?”って訊いて、みんなが“いいね”って言ったら、そこからあれこれと可能性を探らずに閃き重視で曲をかたちにしていきました。
勝也
スタジオで“せーの”ってノリでできたのが良かったです。「リーリヤ-never again-」ではデモをきっちり作ってシーケンスも入れましたけど、そこからまたもともと得意だったやり方に戻したせいか、気持ち的には楽にできました。
taama
途中、“セルフタイトルだからコケられないよ”て言われて、正直、ちょっとびびったんですよ。別のタイトルを考えようかとも思ったんですけど、それをやったらコケる前提で曲を作ることになるからイヤだなって。そのままセルフタイトルでいこうと思いました。そこから、こういう曲を作ってこういうバンドになっていこうって話し合ったわけではないんですけど、みんなそれぞれにセルフタイトルに向かって走ってくれたお陰で、めちゃめちゃ満足できる作品になりました。

具体的にはどんなことをやったのですか?

Daisuke
ノリやすさを意識しましたね。前のツアーは大きな会場で演らせてもらったり、その前のツアーでは普段だと対バンしないようなバンドと一緒に回ったり、僕らを知らない人たちの前でやることが多かったんですよ。フェスもそうなんですけど、そういう人たちが初めて僕らを観た時に、曲は知らないけどとりあえずノレるものにしたかったんです。
くぼっち
違うジャンルのバンドと対バンする中で、沖縄でやってた時ってこうだったよなって思い出して。いろいろなバンドがごちゃ混ぜになって、みんなで盛り上がっている感じとか、メタリカとかニッケルバックとかがスタジアムでドン! パーン! ドン! パーン!ってやってる、その熱量を音で表現できたら最高だなと思いながら作りました。

taamaさんは今回、いつも以上に歌と歌詞に専念したそうですね。そこで特に意識したことはどんなことでしたか?

taama
ビートも大きくなってきてるし、今までと同じことをやってもダメだと思ったんですよ。「リーリヤ-never again-」では、それもあってシーケンスを入れたんですけど、もちろんそれだけじゃ超えられないものもあると感じてたので、今回は自分が得意としてることだけを突き詰めるのは止めようと思って、みんなが作ってきたリフやリズムにハマるメロディーにしようとか、今までやってこなかったリズムや譜割りでメロディーを乗せようとか、そういう意識は頭の片隅にありました。それもあったせいか、日本語の歌詞が乗らなくなったから、英語の歌詞が増えましたね。それは僕の中で大きな変化でした。歌詞に関しても、これまで積み上げてきた思いというよりは、今のここだけを切り取ってフレッシュなままという感覚はありました。肩に力を入れて書きたくなかったんですよ。

お話を聞いていると、今回のアルバムをきっかけに活動がさらに広がっていきそうじゃないですか?

くぼっち
手応えはすごくありますね。
taama
視野が広がった実感はあります。これまでは音源を出しても、“ツアーが終わってからじゃないと次は見えない”と言ってきましたけど、今は次の作品をもう作れそうな感覚があります。

そういう作品を必死になって作ったわけではないところがいいんじゃないですか?

taama
もちろん、今作も苦労はしてるんですけど、そういう感じはあるのかな。こういうバンドになりたい、こういう曲を作りたいっていうのは一切考えなかった。これまではそれが逆に足枷になってたかも。今回は出来上がってから、“これがROACHなんだ!”って、うわって自分で感動しました(笑)。僕らミーティング下手なんで、言葉じゃ上手くまとまらないんですけど(笑)、今回はセルフタイトルに導かれて、バンドが僕らメンバーに進むべき道を教えてくれましたね。
『ROACH』
    • 『ROACH』
    • ONECO-17
    • 2015.08.19
    • 2700円
ROACH プロフィール

ローチ:2003年に沖縄にて結成され、県内や米軍基地周辺を中心に活動。その後、台湾公演、USツアーを成功させ、本州での活動を本格的に再開。ライヴ活動を中心に、名のあるさまざまなアーティストと共に活動を行ないながら、着実に実力を付けていく。琉球独特の優しいメロディーと強靭なハードコアサウンドを武器に、沖縄のみならず日本の奥深くまで、その名を広める。ROACH オフィシャルHP
ROACH オフィシャルTwitter
ROACH オフィシャルFacebook

OKMusic編集部

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